第22話:平穏という不穏
主人公を戦わせたい欲が...
あれ、おかしいな。スローライフさせる気で書いてるはずなのに。
「ネヒトさん、凄いですね」
あのリンと会話のキャッチボールが続いている。
このままいけば誰とでも普通に話せるようになるんじゃないか?
「まぁネヒトだからな」
「どういう意味です?」
「あいつは人と話すのが好きなんだよ。どの町とかに行っても知らないうちに友達作ってくるし」
コミュニケーションお化けか...いいなぁ。
俺?今は普通だと思うけど前世は…まぁ、はい。
それはそれとして、さっきからマスカがずっと外を気にしているようだ。
「あのマスカさん、どうしたんです?」
「いや、気のせいならいいんだが…」
何か気になるところでもあっただろうか?俺も外を見てみるが別に普通だ。
強いて言うなら日がちゃんと昇ってきて空が青くなったくらいか?
「マスカの気のせいは大体嫌な当たり方するから教えろ」
「・・・そうだな。俺が言うのもあれだが…大体面倒なことが多かったな」
聞けばマスカさんの直感が当たった時は、変な事件に巻き込まれたり、盗賊に襲われたりといろいろあったらしい。
「えっと、災難でしたね...」
「で、今回はどう感じたんだ?」
マスカは少し渋った後、
「・・・なんか、魔物が少なくないか?」
とだけ言った。
「別にいいことでは?」
言われてみれば確かに最初の魔物以外接敵していない。
まぁ旅に危険は付き物とよく言うが、平和ならそれでいいじゃないか。
「確か、道中出くわしたのは出発して直ぐのオークとボアだけだったな」
「あぁ…なんだったら盗賊も見てないし、平和すぎる」
街に近いんだし、冒険者によって討伐されたとかあるんじゃないの?
「この付近ってよく魔物がでるんですか?」
「そうだな、基本ボアやラビット系が多く生息している。それにつられて中ランクの魔物がちらほらいる感じだ」
どうやらいつも、必ず接敵していたらしい。
「一度ネヒトにこの付近の魔物を調べてもらうか?」
「そうしよう」
「今いいところだったのに…」
「ネヒトさん依頼優先ですよ…」
なんか盛り上がってたガールズトークを中断させ、ネヒトに事情を話す。
「マスカの直観かぁ…確かにロクな事なかったねぇ。良いよ分かった」
一旦馬車を停め、降りたネヒトさんが地面に手を着く。
「〈ハイサーチ〉」
初めて見る魔法だ。名前からして探査系の魔法だろう。
ネヒトの手からほんの僅かだが、薄い魔力が地面を伝っていったのが分かった。
いいなぁ、探査系の魔法は持ってないからなぁ。魔術でもあるか怪しいし。
俺も使えるようになりたいぜ。
10数秒後、立ち上がったネヒトさんは少し難しい顔をしていた。
「マスカの言った通り、ちょっとおかしいかも…」
「と、いうと?」
「魔物どころか生物の反応が付近に1匹もいない」
・・・生物?
言われてみれば確かに動物も見ないし鳥の囀りも聞こえない。
数多くの生物が住まう森で生体反応0。こんなことがあり得るのか?
「フレミナさん、悪いがちょっと急ごう」
「いいけど、そんなにやばい状況かい?」
付近に魔物がいないってことは安全ってことであり、普通に考えれば安全が確証されたってことだ。
だがそれでもマスカはこの異変が気になるようだ。
「・・・ただ何だか嫌な予感がする」
Topic:直感
熟練冒険者の直感はかなり大事です。
些細な変化、ちょっとした違和感を感じ取ることで最悪の事態を回避しやすくなります。
命あっての冒険者、警戒するに越したことはないです。




