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魂の勇者は元魔王とスローライフを送りたい  作者: ミゼル
第1章:主人公に憧れた者
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第21話:ガールズトーク?

「ふぁぁ、みんなおはよう」


「おはようございます」


フレミナ達が起きてきた。

空を見上げれば少し明るくなってきた気がする。

そろそろ出発の時間だろうか?

荷台の中からマスカとネヒトも出てきた。


「アック、魔物はどうだ?」


「いや、平和なもんだよ。ネズミ一匹いやしねぇ」


そういえば、野営中ずっと魔物が来ることはなかった。


「そろそろ出発ですか?」


「そうだね、撤収の準備をしようか。予定通り朝にはホルンに着きたいからね」


野営テントを片付け、再びホルンへ向けて出発する。


「ねぇねぇ、リンさん。あとハーミトも。ちょっとこっちに来ない?」


出発したあと、ネヒトさんがリンに声をかけていた。

ちなみに夜にリンと会話の練習をして欲しいと頼んだことは、ハーミトさん経由でみんなには連携済みだ。

どうやら引き受けてくれたようだ。早速実行してくれているのだろう。

本当に良い人たちだ、ありがたい。


「え、あの、えっと…」


なおリンからは視線で助けを求められた…がこれも練習だ。


「行っておいで」


今2~3人程度で躓いてたら街についたとき大変だぞ?もっと人が増えるんだからな。

絶対、今のうちに慣れておくべきだ。


だから頼む…ちょっと泣きそうな顔なの辞めてくれ!

なんか心が痛むから!大丈夫!ただ話すだけだから!


怯えた感じになってるリンを宥めつつ説得する。

結局ハーミトと一緒に(に連行され)前の方へ行き、運転席に座ってるフレミナとネヒトの間に座った。


「あんたも大変だな…」


「あぁ、昔のアックを見てるみたいだ」


「え?俺!?」


リンとアックさんが似て…似てるか?何処が?

全然違くないか?


「おいマスカ!俺の何処が似てるんだよ!」


「お前は昔、親から離れられなかっただろ?少しでも離れると直ぐ泣いてたじゃないか」


要するに親離れできなかったってことか?

俺から離れられないリン。状況としては似てるのかもしれない?


「お、俺の過去を暴露してんじゃないよ!」


まぁ、それはそうだろう。

いきなり他人に自分の過去の話をされたら恥ずかしいこの上ないだろう。

だか、教えてくれ。


「ちなみにどうやって治ったんだ?」


「あんたも聞くんじゃないよ!」


今のリンに対してかなり参考になると思ったのに…。


「えぇい、話題を変えるぞ!シンさん!!」


「は、はい!何でしょう?」


・・・沈黙が流れる。え?マジで何?


「話題が見つからない!」


あ、そうですか…。





Side:ネヒト


「あのバカどもは何話してんだかねぇ」


「良いじゃないか、賑やかで」


「そうですね。ではこちらも街に着くまでなにか話しましょうか」


「私もそのつもりで呼んだんだけど。でもまぁ、とりあえず」


横に座ったリンさんを見る。


「リンさん、そんなガチガチだと後で疲れるよ?もっと気楽になろう」


「ぅ...うん」


ハーミトとシンさんから大まかな事情は聴いたが、これは時間が掛かりそうだ。

なので早速 、シンさんが言ってた方法を試してみる。


「リンさんって私より年下?」


「ぇっと…18...です?」


「え?年下じゃん!じゃあさ、リンちゃんって呼んでいい?」


「お、それいいね。私もそう呼ばせてもらおう」


フレミナさんも便乗してきた。


「リンちゃんはさ、ホルンに着いたら何かしたいこととかある?」


「わ、わかんない。ホルン…知らない」


「それもそっか~」


なるほど。言葉は硬いけどシンさんが言ってた通り、これなら会話が出来ている気がする。

でも彼と話す時はもう少しスムーズに話していたよね?

ちょっと思いついたことがあるので試してみる。


「シンさーん!君もホルンは初めて?」


「へ?」


突然呼ばれたからなのか変な声だしてた。


「あー行ったことないですね」


「しばらく滞在するの?」


「そのつもりです」


・・・これは使えるかも。


「ハーミト、私のバックからあの本出して」


「本?・・・なるほど、分かりました」


ハーミトに取り出してもらったのは1冊の本だ。


「じゃーん!これなーんだ?」


「ほ、本?」


「そ、本。これはね、ホルンの観光ガイド!」


「かんこう…がいど?」


「ホルンってね、海と隣接してるから交易が盛んなんだ。他国の人との交流も多くてね、いろんな文化が入り混じってて面白いんだよ!」


「リンちゃんこれ覚えてシンさんと一緒に見て回ったら?」


これが私の作戦、リンちゃんの会話の中にシンさんを絡める。


「シンと一緒…」


「そう。シンさんと一緒なら楽しめるんじゃない?」


「・・・うん」


よし、釣れた。


「・・・あ」


「ん?どうしたの?」


「僕、字読めない」


おっと、それは聞いてないよ。


「シンさん、文字教えてないの?」


「そんな時間なかったんです」


本読めないじゃん。どうしよ。


「私達で教えてあげればいいんじゃないか?」


「フレミナさんナイスアイディア!よしリンちゃん、今から勉強しよう」


「いや、お二人とも運転と索敵に集中してください」


ハーミトのド正論に止められた。


結局、今から文字を覚えるのには時間が足りないので、本に書いてあるおすすめの場所をいくつか選んでハーミトがリンちゃんと一緒に読む形になった。

左にフレミナ

右にネヒト

後にハーミト

左右後ろを囲われたリンは逃げ道がなかった。


Topic:観光ガイド本

街のオススメスポットや有名なもの、領地・領主についてなどが書かれている本。

これを読めばその街の大体のことが分かる。

なおホルンと王都については例外。

あそこは交易や異文化交流が多いため変化が目まぐるしく情報が安定しない。

そのため更新頻度が2~3ヵ月に1回。ほかの場所は1~2年に1回。

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