第19話:リンの魔術
「シン、何か分かった?」
ふむ・・・。
「大体わかった」
「全然わかんないです」
リンが何故、知識がないのに魔術が使えるのか?
これについて検証を行った。
ちなみにハーミトさんにはアクアバルーンを教えるついでに検証を手伝ってもらった。
で、ある程度仮説が出来た訳なんだが…。
「シンさん、今ので分かったんですか?」
「だいたいだけどね」
これを人に説明するのは難しいな。一応簡潔にまとめるとこうだ。
「多分リンは俺の魔術式を型で覚えてることが出来て、その型に魔力を通しているだけだ」
前世で言うカーナビとかのイメージが分かりやすいかな。
目的地に行くためには現在地と地図の中から最適解を導き出し、あの青い線を描く。
また、それぞれの道によって速度を変更する必要がある。
リンの場合は、目的地に行くための青い線しか知らない。
なので魔術式の改変や詠唱短縮などが出来ない代わりに再限度が高い。
制御に関してリンはさっき俺の魔力の流れがわかると言った。
流れ方を感覚で覚えて同じようにしているのだろう。
とりあえずまとめると…。
俺がお手本として見せた魔術は全く同じようにすべて再現してみせた。
一方でハーミトがお手本として見せた魔術は再現できなかった。
再現に成功した際の魔術式構築速度・威力・発生速度は俺とほとんど変わらなかった。
これらによる推測だが、リンは俺の心域を共有しているのかもしれない。
だとすると付与魔術とか錬金術なども使えるのでは?
ダメだ、まとめるといったばかりなのに分からないことが多すぎる。
でも、もし今の仮説が正ししなら魔王ではなく俺由来の力ってことになる。
それならそれでいいや。
魔王とは無関係なら、それでいい。
(ハーミト、お前あいつが何言ってるかわかるか?)
(・・・全然わかりません。ネヒトさんは?)
(さっぱり)
「あの、どうかしましたか?」
「「いや、なんでもないです」」
守備旅団のみんながひそひそしゃべっていたが考察に集中していたせいで聞こえなかった。
もしかしたら思っていたことが声に出ていたのかもしれない。気を付けなければ…
「そろそろ交代で睡眠を取ろうと思うんだが、シンさんも協力してもらってもいいか?」
なんだそんなことか。全然OK、喜んで協力させていただきます。
ちなみに魔術に関してシンは天才じゃないです。
異世界で魔術を使いたくって猛勉強した努力型です。
ただし、一部表現方法が前世に寄るため異世界人には解りにくいのです。
Topic:リンの魔術
本編では難しく書きましたが、極論からするとリンはシンの魔術をほぼすべて模倣できます。
条件は構成術式をしっかり見ること、魔力の流れを確認することのみです。
そのため細かい調整や改良などはできません。
魔力制御に関しては、同化の他にロックリングが作用しています。
魔力漏れがなくなったことと魔術補助術式が組み合わさった結果、自身の力で使えるようになりました。
なお魔法術の原理については完全にパス出来ます。
数学などで計算式すっ飛ばして答えだけ書いてる感じ。




