第15話:水都へ
登場人数が多くなったため、複数人が連続で話す時はセリフの前に名前を追加しました。
読みにくかったらすみません。もしかしたらやめるかも...。
馬車に乗った俺たちは【中継拠点:信託の森 麓】を後にした。
「これは何時頃到着ですか?」
運転席で手綱を握っているフレミナの質問をする。
「最短で明日朝には着くよ。遅くても昼前には着きたいしね!」
となると野宿をして1泊するのか?
方角的に向かっているのは日の出を見た丘上から見えたあそこだよな?
やっぱり馬車は速い。徒歩とは大違いだ。
「ホルンってどんなところなんですか?」
「水都って名前の通り海に面した街だよ。港があって貿易が盛んだから色々なものが手に入る、商人たちの夢の街さ」
船の出入りが多いのか…着いたら見に行ってみよう。
「じゃあ、フレミナさんは商品を仕入れにホルンへ?」
「いや、私は交易品を売りに行くのさ。荷台に乗ってるのは全部輸出品だよ」
振り返って荷台の方を見ると乗っているのは大量に積まれた木箱。
ほぇ、これ全部かぁ。 いくらになるんだろ?
アック「ホルンといえば、領主が面白くていい人だぞ。かなり変わってるが…」
シン「変わってる?」
アック「探求心が強いというか怖いもの知らずというか...食に対して好奇心が旺盛なんだよ」
グルメってことか?それが変わってるとは?
アック「流通が良いってことは色んなものが手に入るだろ?あの人、貴族なのに率先して魔物とか知らない草とか食べるゲテモノチャレンジしてんだよ」
それは・・・確かに変わってるな。
ハーミト「初めて港で見たときはビックリしましたよ。新種の海の魔物を生で食べてましたからね」
シン「え、危なくないですか?」
ハーミト「おいしかったらしいですよ?」
フグみたいな毒持ちだったらどうするつもりだったんだ?
マスカ「まぁ全体的にいい場所さ。住みやすいし、住民の生活能力も高い」
ただ…とマスカは続ける。
マスカ「流通が多い分、付近には盗賊も多いからな。注意しなくてはならない」
なるほど。珍しい商品とかが手に入るからか…奪えばいい金になりそうだしな。
下手したら魔物より厄介かもしれないな…。
マスカ「そうだ、道中の護衛内容について打ち合わせをしておきたい」
シン「打ち合わせ?」
マスカ「あぁ。道中敵と遭遇した際の動きについてだ」
シン「そういえば戦術の詳細を聞いてなかったですね」
いざ戦うとき彼らPTの邪魔をしないためにも打ち合わせは必須だ。
俺が変に出しゃばって連携が崩れたとかだったらシャレにならん。マジで。
マスカ「俺達PTの基本はまず、俺が盾役で注意を引き付ける。そこをアックが攻撃してダメージを加える」
マスカ「ハーミトは魔術師で支援役だ。補助魔術を使える…ただ攻撃魔術が苦手でな…」
シン「苦手って使えないってことですか?」
ハーミト「いえ、展開速度の話です。私、補助系は展開が早いんですけど攻撃系が遅いんです」
アック「でも補助はBランクにだって引けを取らないぜ!」
アックがハーミトをフォローしている。もしかしたら彼女自身気にしていることなのかもしれない。
マスカ「最後にネヒトはハーミトの護衛を務めるが、場合よって前に出たりする。また、俺に何かあったときはサブリーダーとして指示を出す」
なるほど…改めてバランスのいいPTだ。
シン「質問いいですか?」
マスカ「あぁ、いいぞ。あと今更だが敬語はいらんぞ?」
シン「そっか?なら遠慮なく…アックさんが攻撃して敵の注意が向いた場合、どう対処する?」
マスカ「基本俺が攻撃して再度引き付けるか、ネヒトが前に出て攪乱する」
シン「敵が複数の場合は?」
ハーミト「私は広範囲の捕縛魔術が使えます。あと、時間がかかりますが展開まで守ってもらえば攻撃系の魔術で一気に仕留めます。」
シン「捕縛?」
ハーミト「草土魔術のバインドが使えます。ゴブリンや盗賊とかはそれで対処してきました。」
単体・複数体出てきたときの対処法もばっちりと…。
シン「戦況が怪しくなったり、勝てない敵が出てきたときは?」
マスカ「撤退だな。今回の場合、フレミナさんの馬に補助魔法をかけて一気に逃げる」
フレミナ「その件に関しては私も了承済みだよ、命あっての旅だからね」
緊急時の対応も大丈夫と…。
「おっけー、大体分かった。次は俺の番だな」
俺の場合、もう一回自己紹介もしておくか。
「改めて、俺はシン。前衛後衛どちっも出来るよ。冒険者未登録だから実力証明できないけど」
ついでにリンも再度自己紹介させる。
ちなみに馬車乗ってからなんかずっと引っ付いてる。なかなか離れようとしない。
「リンです…僕は戦えません。」
「そんな訳で俺は基本は戦闘に参加せず、リンを守ることに専念する。もしも参加できそうだったら後衛をやるよ」
あ、そういえばリンにロックリングの使用方法、教えてない。
魔力漏れはオートだが、その他の機能は任意発動だ。
別に難しくはないが、いざという時使えないと意味がない。
「なぁリン、伝え忘れ「おっと早くもお出ましのようだよ!」え?」
馬車の運転席にフレミナと一緒に座っていたネヒトが声を上げた。
「魔物が2体こっちへ来てる」
・・・魔物ってのはいつもこっちの事情を知りやしない。
Topic: 戦術
冒険者でPTを組む際、ある程度戦術を立てておくことが推奨されています。
相手の種類・数・強さによって上手く使い分けることでいかなる状況にも対応できるようになります。
強敵からの逃走は決して恥ではありません。命あっての冒険者です。
むしろギルドに報告することで少し情報料がもらえます。
ちなみに敵が強い場合、緊急クエストとして高ランクのPTが対応したり、合同討伐が行われたりします。




