8月8日 ホストのキヨテルとアンベレベ教と玉狩り族編
8月8日
車輪が1つ増えた。
右輪に元武闘家、左輪に元霊能力者だ。
回転する度に激しく揺れるのと、交互に聞こえる断末魔と、轍が血痕になる以外は快適だ。
「生霊とか、オカルト話を聞くのは話半分だな。私の日記が公開されて、誰かに感想書かれてるなんてねぇよな? そんなヤツいる? いねぇーよなァッ?」とロリコに聞くが、最近は騒音(断末魔)のせいで寝れてないらしく、眠そうにコックリと頷いた。
可哀想に。あいにくと私は永眠魔法しか使えないしな。助けてやれん。許せ、ロリコ。
カレキが「町が見えてきましたぞ!」と言い出す。なんか久しぶりに冒険してるっぽいな。
私たち3人は馬車を置いて町に向かう。町だと駐禁やってたりするから面倒くさい。
以前、ちゃんとコインパーキングに止めようとしたら、駐車場の持ち主が「馬糞が困るんですよ!」とか意味不明なことを言って来たんで、口の中に馬糞を詰めてやったが⋯⋯また同じ事をやるのはダルいしな。
「ここがブータロウの居る町かー」と主人公らしいことを言いながら中に入ると、「ようこそ! Southern Crossシティへ!」とか言うヤツが入口にいた。
「サザンクロ……」、「ようこそ! Southern Crossシティへ!」「サザンク……」、「ようこそ! Southern Crossシティへ!」と、なぜか私の台詞に被せてきやがる。車輪希望か。
とりあえず情報収集しなきゃと思って、別の奴にも話し掛けると、「武器や防具はちゃんと装備しないと効果がないぞ」とか、最近のRPGじゃオート装備ってのがあるのを知らない情弱野郎が言うてきた。
「そんなことよりもっと有益な情報を……」、「武器や防具はちゃんと装備しないと効果がないぞ」、「おい。人の話を聞いて……」、「武器や防具はちゃんと装備しないと効果がないぞ」……どうやら、コイツも車輪になりたいらしい。
他には、膝に矢を受けてしまった元冒険者とか、住民をビンタしてたら「スターーップ!」とキ●ガイじみた奇声を上げて止めてくるオッサンしかいない。
それでも辛抱強く情報を集めてたら、この街には“金愚”と呼ばれるボスが支配してるらしい事が分かった。
しかし、肝心のブータロウの居場所が分かんないんでイライラしていたら、カレキが「勇者殿! バーですよ! 情報ならバー!」とか言うてる。
「お前は婆じゃなく、爺だろうが」と答えたら、「ハハ、ワロスw」とか舐めた態度をとったんでビンタした。




