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8月1日 勇者アネモスと四天王シラスドン編

8月1日



──目覚めなさい。


──勇者アネモスよ。


──寝ていてはいけません。



 「ね、姉さん……?」とアネモスはうっすらお目々を開いた。


 目の前で何か赤いものがヒラヒラと漂っている。


 それは段々と近づいてきて……



 ブォーン! ブォオーン!!



 アネモスの目の前で赤フンドシが揺れて風が送られる。


 「そうだ。もっと勢いよく、セクシーにやれ」と私はシラスドンに命じる。


 「ヒィィ!」「ヒィィ!」と、シラスドンの触手の先のドワーフ戦士(♂)が情けない声を出した。


 何かと言えば、アネモスの顔に“風”を送って気付けをしている。


 団扇とかなかったんで、ちょうどシラスドンが持っていたドワーフ戦士(♂)を振り下ろし、赤フンで風を起こしているというわけだ。


 ドワーフ戦士(♂)はM字開脚のまま、あられもない姿を勇者にガン見されて頬を赤らめている。


 陰嚢と肛門の間のことを“蟻の門渡り”と言うが、あまりの風圧でフンドシがブレにブレてるから、きっとそこも丸見えだろう。


 

 ブォーン! ブォオーン!!



 アネモスが逃げようとしたので、シラスドンの配下(あのノリ●ケみたいなヤツら)に両手両足を押さえつけさせる。


 「まだBLに目覚めていない」と私は容認しない。シラスドンが「こ、これは何を?」と聞いてきたんで、頭の悪いヤツに私は説明する。


 BL文化は出来た当初、ほそぼそとした活動だった。


 マイナージャンルというより、人によっては顔をしかめ、もしくは否定こそしないでも、腫れ物に触れるような奇異な存在として扱われ、親からは「そんな変なモノやってないで勉強なさい」と言われたことだろう。


 腐女子という名もまだ存在せず、理解を求めるのも難しい時代だったのだ。


 そんな中にあって、憧れの男子キャラを使った二次創作などを内々に披露していた。


 好きが高じて有志の者たちによりサークル活動、雑誌の読者投稿などを通じて交流を増し、同人誌活動、即売会などを通し、徐々に発展していった。


 それでも多くの人々に理解されるまでは、小汚い古本屋の片隅に薄い本(一冊100円程度)が並ぶといった苦渋の月日を過ごすことになる。


 そして、現在。偉大なる先達たちの働きにより、いまやBLは陽の目を見るようになり、本屋に行けば一角がBLジャンルで占められ、映画や演劇、駅の看板に至るまでBLによって占められている。


 まさに一般大衆にBLが認識されたわけだ。


 「は?」とシラスドンが言うたので、「続きは明日だ」と答えた。

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