8月2日 女勇者が語るBL完全理論編
8月2日
BLが世界のスタンダードとなり、老若男女に受け入れるまでの話はした。
だが、完全無欠と思われたBLにも欠点がある。
それは世の中にはBLに出てくるほどのイケメソはいないということだ。
町に出て電車に乗れば判る。
ヨレヨレのスーツを着たくたびれた頭髪の寂しいリーマンは、シャツから太鼓腹をのぞかせ、イビキをかいて眠りこけている。
挙動不審でニヤニヤ笑ってるニキビ面の学生は、スマフォで美少女動画を観ている。
満席の優先席を見て、ブツブツなんか呟いてる白いタンクトップの老人の耳からも剛毛が生え出ている。
ああ、どこにもイケメソなんていやしないじゃないか。
爽やかさ、清潔感、紳士……彼らはそれらを子宮に置いて生まれて来てしまったに違いない。
たまーに、ちょっと顔がいい奴がいるかと思えば、「へい! オネーちゃん!」と声をかけてくるナンパ野郎。
自分はイケてると思い込んでる、“勘違い野郎”ばかりだ。
本当のイケメソなら、洗面所の鏡の前で長時間、髪をいじくり回して、カラになったワックス容器や、使い捨てコンタクトのケースをその場に遺棄したりはしない。
駅構内で酔っ払って、「マジで!? ●●子とセクロスしたのぉ!? ギャハハ!」とかやってるのは、リア充でもなんでもない。
それに飯をクッチャクッチャ音を立てて食べるのは、豪快でもなんでもない。
BLのイケメソは、自分のイケメソを鼻に掛けない。だから、イケメソなんだ。
BLのイケメソは、チャラ男でもやる時にはやるし、礼儀を守る時は守る、筋の通ったイケメソなのだ。
“イケメソのふり”をしたイケメソなんて、女子からすれば噴飯ものだ。ザマァされて欲しい連中だということを肝に銘じてほしい。顔がいいだけじゃ免罪符にはならない。
イケメソというのは仕事もバリバリ頑張って稼ぎ、家事や雑事もそつなくこなし、小綺麗でも自分のイケメソ具合を鼻にかけず、「カッコいいね」と持て囃されても、「いや、別に」と少し頬を赤らめ、疲れた女子にさりげなく甘い物をくれたり、サプライズ的プレゼントをしてくれたり、夜はちょっと悪いオオカミになっちゃう存在だ。
そして、BLのイケメソ同士が結びつくのは、そんなあり得ない理想の存在が2人も合わさるからこそ、“尊い”のである。
話を聞いていたシラスドンが「はぁ」とか言うてるので、「よし、続きは明日だな」と言ったら、「これってまだ続くんですか!?」と口答えしたんでビンタした。




