7月28日 勇者アネモスと四天王シラスドン編
7月28日
ようやく、私の日記にクソみたいな落書きをしたヤツを見つけた。
崖の上で、十字架につけられていて、「騙されたぁ! 助けてぇー! マンマァー!!」と泣き叫んでいる。
さすがのカレキもロリコも口にこそ出さなかったが、「もう助けないんでいいんとちゃいます?」と顔に書いてあった。
助けないのは別にいいんだが、ブータロウの住む実家はこの先だから、前に出るとワニンゴに気づかれることになる。本当に困ったもんだな。
ヤツを始末して先に進むか悩んでると、「彼は君の仲間かい?」と後ろから声を掛けられた。
振り返ると、それはイケメソだった。黒髪センター分けの歯を光らせて笑うタイプのイケメソだ。剣士っぽい。
後ろにはエルフっぽい女魔法使い。清楚系の女僧侶。ドワーフの粗野っぽい男戦士のパーティだ。
「勇者アネモスだ」と握手をしようとしてきたんで、「まるでファンタジーから出てきたみたいなヤツらだな」と言ったら、「え? 君たちも同じじゃ?」と返されたんで、「まあ、老舗旅館連続殺人事件編とか、名誉店長の最強経営術編とか、賢者アナルゴと正統派ヒロイン修行編とか、ワニンゴの復讐計画編とか、フグリ田の不愉快な家族編とか、聖浄降臨『破ァ!』救済者ブータロウ復活編とか、夢を叶えるチポポカニえもん編とか、畜生たちのヒーロアカンデミア編とか、超宇宙戦争勃発! チポポデターVSエイリアソ編とか、色々あったんでな」と言ったら、「???」という顔をしていた。
きっと、スライムくらいしか倒したことないんだろう。可哀想に。
「私も女勇者だ」と名乗ったら、アネモスは「名前は?」と聞いてきたんで、「女勇者だ」と答えたら、また「???」という顔をしていた。
「とにかく、そこで磔になっているのは仲間なんだろう?」と聞いてきたんで、「ナカマ? ……あー、生価間(生半可な価値のないことばっかやる間抜けの略)か。そうだな」と言ったら、「なら、助けるのに協力しよう」と歯を光らせやがった。
女エルフが「アネモスならそう言うと思った」とか言い出したんで、なぜかちょっとイラッとする。
「助ける必要はまったくない。あれは供物だ」と説明したが、「なんだって!? 仲間なんだろ!! 仲間なら見捨てるなよ!! どんな危険があっても僕は彼を助ける!!」とか、松岡●造ばりに面倒くさく熱くなっていた。
ロリコが「ゆ、勇者ですぅ」とか感動してるんで、私は「ロリコならそう言うと思った」と答えた。




