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7月21日 心を燃やした全集中、力の呼吸

7月21日


 解決策はもはや1つしかない。


 馬車の前でブータロウを2体横並びに立たせ、私は正面で向かい合う。


 カレキとロリコ、ワニンゴが「何が始まるんです?」みたいな顔をしている。


 私は首を左右に回し、指をプラプラさせる。突き指でもしたら大変だ。バレーボールの授業で突き指したが、あれは痛かった。そんなのは御免だから、これでもかってほどに念入りに準備体操をした。


 「さて、始めるか」と、Gブータロウの左肩を、Aブータロウの右肩を掴む。


 私は大きく息を吸い込んだ。


 今までの経験からか、何かを感じだったらしいワニンゴが「ま、まさか!」と狼狽してた。


 私は少しずつ力を入れる。


 「え!? ちょっと!」、「痛い! 痛いって!」と叫ぶWブータロウ。


 でも、関係ない。指先に全集中で力を込める。力の呼吸だ。心を燃やせ。


 とんでもない絶叫と共に、ブータロウ同士の肩がめり込む。


 Wブータロウは逃げようとするが、私のパワーから逃げられるはずもない。


 やがて、メチメチともブチブチとも言えない変な音がする。だんだん、ブータロウが私の手で1つになっていく。

 

 カレキとロリコが「やめてぇ!」と泣き喚き、ワニンゴがすすり泣いて、ヒーローアカンデミアの奴らが「あばばば!」とかテンパって言っているが関係ない。


 「ぬんりゃぁッ!」と、北●の長兄の放つ天●奔烈のポーズで、Wブータロウを塊に整えていく。


 イメージしろ。


 丸く丸く丸くなーれ。


 美味しくはならなくてもいい。


 ……いや、BL的に美味しくなればそれはそれでいい。


 心を込めて、頑張って丸めていく。


 こんなに頑張ったのは幼稚園以来かもしれない。


 「ふう。こんなもんかな」と、バスケットボールのサイズになったブータロウを地面に擦り付けて、ぶち撒けられた血液を吸わせる。これもブータロウだったものだ。一滴も無駄にら……


 あ。犬のウ●コみたいなのも混ざっちゃった。


 ……まあ、外側から押しまくって、内側にねじ込めば分からないだろう。ドンマイだ。


 「よし。これで蘇生させれば元の1体に戻るだろう」と言ったら、全員が「悪魔的発想!」とか言うてきた。


 失礼な。私は勇者だろうが。


 「某有名マンガでも言ってただろう。勇者とは勇気あるもの。真の勇気とは打算なきもの。出したり引っ込めたりするもんじゃないって。だから、私は“丸めた”んだ。文句があるなら勇気を持って私に挑んでこい」と言ったら全員黙ってしまった。


 さすが、熱い少年漫画の名言は違うなぁ。

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