↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/127

7月9日 聖浄降臨「破ァ!」救済者ブータロウ復活編

7月9日


 倒れている裏界隈のおじいちゃん。


 気まずそうに私からお目々をそらすワニンゴ、アナルゴ、フグリ田。


 カレキがワニンゴに「ごめんなさいしよ」と言い、ロリコがアナルゴに「私と勇者様に謝ってください! 師匠!」とか言い、不愉快なファミリーがフグリ田に「情けないよ!」とか言うてる。


 ブータロウは私を見て、「なんと憐れな。赦します」とか言うてる。


 どいつもこいつも……


 そうしたら、ワニンゴが「そうだ。勇者はまだ勇者じゃねぇ! ヤるしかない! ヤられる前に! マンマー!!」とかバブりながらお目々をギョロギョロさせてた。


 アナルゴが「賢者の宿命だ。ヤツを倒す他ないんだ」とか、フグリ田が「武子。愛するファミリーたち。先にあの悪魔を倒さないとならない」とか言い出し、ネクタイを外し始めた。


 どうやら私とやる気らしい。


 確かに今の私は正統派ヒロインだ。攻撃はできない。暴力は振るえない。それが正統派ヒロインってもんだからだ。


 蚊たちが「え? 我々は?」みたいな顔をしてるんで、「害虫駆除は、正統派ヒロインの正当防衛範囲内だ」と言うた。


 でも、コイツらは大きな勘違いしている。


 私はスマフォを取り出し電話する。


 もちろん、例の場所にだ。


 1コール、2コール、3コール、4コール、5コー……ガチャ!


 『こちらダーマス御殿です。ご新規ですか? ご転職ですか? ご新規なら1番……』、「私だ」と伝えたら、受話器の向こうで慌ただしい音がして、『お待たせして申し訳ございません!』と向こうで土下座している気配がした。


 「私が電話したら3コール以内に出るはずだったよな?」と言ったら、『も、申し訳ございません!!』と額をデスクに打ち付けている音が聞こえた。


 「まあいい、転職だ。勇者に戻る。すぐにやれ」、『は? あの、ええと、でも、規則上、レベル20にならないと転職は不可でして』とか言うてるので、「今の私はレベル9999だ」と伝えたら、向こうで息を呑む気配がした。

 

 電話を切って、「これで私は勇者に戻った」と言ったら、ワニンゴ、アナルゴ、フグリ田が鼻水を垂らして、ブータロウを縋るように見やっていた。 


 ブータロウは「あなたの邪悪を赦します」とか言うてきたんで、思いっきりビンタしたら、横回転しつつぶっ飛び、向こう三軒両隣を壊して、大きな池の中に落ちるのが見えた。


 コイツらは大きな勘違いをしてるんだ。


 勇者だから、善とか正義なんじゃない。


 私が(・・)善で正義だからこそ、勇者なんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。