7月10日 BL好きの泉の女神
7月10日
ブータロウの落ちた大きな池を見に行くと、そこから女神っぽいのが出てきていた。両脇にはブータロウが抱えられている。
「あなたが落としたのは、この“金色に光る神々しいブータロウ”と、“妻と娘に裏切られブチギレる小汚いブータロウ”のどちらですか?」と聞いてきたんで、「どっちもよこせ」と言ったら、「空気読めや、小娘」と舌打ちされた。
「量産化は希望していない。カレキにとっては唯一無二の存在なんだ」と言ったら、カレキは強く頷く。
「うーん。女神的にも、BL展開的にも、大変美しくないのでテコ入れします」とか言うて、女神は池の中に戻り、なんかシュッとしてモ●ミチみたいになった、もはやブータロウじゃないブータロウを抱えて出てくる。
「さあ、これを連れて行きなさい。正直者よ。本当はこういうのがお好きなんでしょ?」とか言ってくる。
そしてカレキを指差して、「そこのジイサンもこの池に落としなさい。そうしたら超絶イケメソ……つまり、亀●風にして、美しい物語に改変して差し上げましょう」とか好き勝手に言ってくれた。
「なんでありのままじゃダメなんだ? 歌でもあるだろ?」と聞いたら、女神は「耽美系こそがBLの真骨頂だからです。これはNGです。この小説にも読者がつきませんよ」とか言うた。どうやら、この女神は頭ん中がお花畑らしい。
私は憔悴しているワニンゴに「見せてやれ」と指示を出す。「なにを?」と聞いてきたんで、「真実をだ。BL普及に貢献したら、お前の罪は不問にしてやる」と伝えたら、砂漠でオアシスを発見した旅人みたいな顔をした。
ワニンゴは「うおりゃぁ!」と下履きを脱ぎ捨て、自身の両太腿の裏側を掴み、若干仰向けにM字開脚する。御開帳というやつだ。
男性免疫がない女神は「きゃあ!」と言ってお目々を覆ったが、指の間からちゃんと凝視している(もちろん抱えていたイケメソのブータロウは沈んでいった)。
そして、女神は「あ!」と叫び、「ない!? や、やおい穴が……ない!?」と喚く。
そして女神はワニンゴの両尻を掴み、ワニンゴは「あッ♡」なんて気持ち悪い声を上げるが、陰嚢の下から、蟻の門渡り、肛門の周辺の“茂み”を漁るが、やおい穴など出てくるわけがない。
女神は「……き、汚い」と池で手を洗った。
ロリコは「失望しました。ワニンゴさん」と言う。
私は「人間、こうはなりたくないものだ」と言ったら、ワニンゴは「マンマー!」と叫んで泣いた。




