9月10日 絶望! 最後の四天王と仲間たちの過去編
9月10日
私たちは例の背徳の町を後にして旅に戻った。
つまり大総統は辞任したってことだ。
ボイジャー・舞子は、なんか“蟻王(復活させた)”と恋に落ち、“蟻王”がボイジャー・舞子から教わったオセロにハマって、「余にオセロに勝ったら人間を解放してもいい」とか言い出したんで、いま何とか協会の会長(復活させた)とオセロで人類の命運を白黒ハッキリさせている(オセロなだけに)。
つまり、何が言いたいかというと、ボイジャー・舞子は置いてきたということだ。
これは決して今後の展開で、「霊能力者とかRPGにゃ微妙じゃね?」と思ったから置いてきたわけではなく、本人が希望して残ったということを明言しておく。
ワニンゴは「おれは しょうきに もどった」と言うんで車輪の刑は解除した。
何回目だっけこれ? まあ、トリートメント変えたら枝毛が減ったんで、その恩赦というやつだ。
「大変なことになったぜ。風の噂じゃ、どこかの誰かが、つい最近に“濃いめの溜まり醤油”を魔王に献上しちまったもんで、ついにパゥワーアップして“大魔王”になっちまったらしい。クソッ! 俺が“車輪”にさえなってなけりゃあよぉ!」と、ワニンゴ。
「マジか。どこの馬鹿がそんな余計なことをしでかしたんだ。迷惑な話だな」と答えた。
はー、まったく下々の連中はろくなことしない。本当に勇者の仕事を増やさないでほしい。
「では、目指すのはついに魔王城ですか?」と真剣な顔のカレキ。
「我々の準備は万端ですよ」と真剣な顔のブータロウ。
「行きましょう。勇者さん」と真剣な顔のロリコ。
思えば長い旅路だった。
悲しいこと、辛いこと、もうダメだと思った日も何回もあった。
その度に仲間たちの力を借り、勇気と友情と勝利で苦難を乗り越えて来たんだっけ。
全員でハイタッチし、団結力の高まりを感じる。
唯一不快なのは、動く度に“血が飛び散る点”だなぁ。
「そうだな。みんながいれば……なんとかなる」と私が言ったら、みんな血塗れのままで涙ぐんでいた。
ん? なんかコイツら、額の継ぎ目から黒糸がポロンと出ているなぁ。
あ。ワニンゴの“皿”がズレて、脳味噌が見える。
しかし、本当にコイツの頭ん中はスカスカだな。クルミぐらいの大きさしかないんじゃね?
縫合が雑だったなぁ、それに糸は肌色にしたほうが目立たなかったし。
あと、お目々の焦点も合ってないけど、ちょっと脳みそ弄くりすぎたかしら?
まあいいや。
とりあえず、目指すは魔王城だ。




