6話 能力開花
「キャァーーー!!助けてっ!」
叫び声が聞こえた方向にルカは走る。アーロンの姿はもうない。
だから、叫び声の聞こえた方向に走っているのだ。
おそらくアーロンは叫び声の主を助けに向かったはずだから。
「はあ、はぁ」
息を切らしながらルカが到着した頃には、アーロンはすでに戦闘をしていた。
他の人たちはすでに避難を開始していて、散り散りに逃げている。が、すみで縮こまっていた親子はそのまま動かない。
彼女たちが悲鳴の主だろうか?
それ以上の問題はアーロンの相手だ。人……だろうか?筋肉があり得ないくらい発達していて、その巨体から繰り出される攻撃は一撃で建物を崩せる威力だ。
アーロンは相手の攻撃をかわしながら、手に持っている短剣で反撃の機会をうかがう。
短剣は21世紀の物と言われても納得できるくらい、鋭利なものだった。
どうやらこの世界は
武器などにとても力を入れているらしい。
ルカは端で縮こまっている親子に声を掛ける。
「大丈夫ですか?」
「こわいよぉ」
幼稚園生くらいの小さな女の子が声を出す。
「大丈夫っ、です……。」
お母さんが言う。
お母さんもかなり若かった。20代だろうか?そのくらいの年齢なのに必死で子供を守ろうとしていた。
凄いな、と思いながら、彼女たちをどう非難させようか悩んでいると、ドガン、とすごい音がした。
アーロンの相手をしていた奴が家を殴った結果だ。家があった場所はぺしゃんこにつぶれていた。
そんな中、ルカはその敵が、苦しんでいるように見えた。
アーロンはいつの間にか傷だらけだった。
親子は抱きしめ合って震えてる。
助けたいと思った。
(ああ、もう泣かないで、苦しまないで傷つかないで、どうか……。)
その瞬間、視界が赤に染まった。




