4話 監視者
「最近こういう手口が増えてきてるんだよなぁ。転移者様もいるんだから転生者様もいても、おかしくない!と考えて詐欺の手口として使うやつ。」
腕を組んでため息を吐くこのマサキというポンコツ男には呆れしか出てこない。
もしかしたら、他の転生者達はこいつの所為で信じてもらえなかったんじゃないか。
……大いにあり得そうだ。
そんな事を考えている間もマサキはペラペラとしゃべり続ける。
「……だが、現時点で転生詐欺を裁ける法はない。故に貴様を開放するしかないわけだが、……お前がまた何か犯罪紛いなことをするかもしれないからな。」
マサキは部下のようなもう一人の男を指して言った。
「お前が監視しとけ。」
「はい、了解しましたマサキさん!」
警備隊の職務内容は警察と似ているが、活動方法などは違うらしい。
黄緑の髪に帽子をかぶった男が監視として付けられることになったルカは魂が抜けたような状態で建物を出る。
「しっかりやれよ。」
「お任せください、マサキさん!」
マサキはその一言を聞くと建物の中に戻っていく。
「えっと、ルカさんでしたっけ。一応名乗っておきます、僕はアーロン。」
「は、はい……?」
不機嫌なオーラを隠しもしない男、アーロンはまっすぐと人気のない方向に歩いていく。
もし、自分が逆方向に走れば簡単に振り切れるんじゃないか、とか思いながらアーロンについていく。
わざわざ怪しまれる行動をするほど馬鹿じゃない。
30分ほど無言で歩く。景色もだいぶ変わって、別の町に入った。近くにあった建物の影に入り、アーロンは振り返った。
「ここでいいか。」
光の入らない暗い目と目が合った。
彼は帽子をとると、黄緑の髪が零れ落ちた。ショートヘアだと思っていたが、帽子で隠していたらしい。
アーロンは腰に届くほどの長い髪を、低い位置で雑に束ねた。
「君は嘘をついていない。君は本当に転生者で、あの場で話した言葉はすべて真実だ。そうだな?」




