12話 鳥使い
心地よい光で目が覚める。
今までは目覚まし時計の、けたたましい音でたたき起こされていた今までと違って、優しい朝のように感じた。
実際、音で起きるより光で起きる方が体にいいらしい。
しかし、現代の日本ではド田舎でもない限りは外に常に光がある。
それにドローンなどで盗撮される恐れもあるので、カーテンを開けたまま眠れないから、体にいいと知っていても実行できなかった。
その効果を今体感している。
朝はなんだかんだ二度寝してしまうルカが起き上がっているくらいだ。
ルカは部屋を見渡す。
地味ではあるが、とても実用的で十分に暮らせる。
(まだ時間は早い。スミレさんが言っていた地下室に行こうかな。)
実はルカは≪能力≫にとても興味を持っていた。
強い力というのは怖いけど、少し、挑戦してみようと思った。
それに、やっぱり、すごい力を操れる勇者は、カッコいい!
最近は勇者すらもジェンダーレスな作品も多い。勇者=男、というイメージもあるが、女勇者が存在する物語も少なくない。
そんな存在になってみたいという感情のもと、スミレに能力の使用を許可された地下室に向かった。
広い空間だが、朝早いと人はいない。
スミレのやったように床を指でなぞると、少し指を掛けられる部分があった。
それを持ち上げると、思ったより簡単に開いた。
螺旋状の階段を下りると、明るい空間に出た。
想像より人くて、天井が高い。
そして、何羽かの鳥が飛んでいた。
更に……、
「……人!?」
「えっと」
人もいた。
部屋の中にはすでに先客がいた。
世間一般的に童顔で低身長の男性だった。
こげ茶色の髪の髪を揺らし、目を丸くして驚き、硬直した見知らぬ人間にルカは困惑する。
先に冷静さを取り戻したルカが、自己紹介と簡単な事情の説明をする。
「え、と。ルカと言います。組織の方ですよね?昨日クリス様に許可を頂き、組織のメンバーに入らせていただきました。無所属です。」
「……反逆科の方ではなく?」
「はい、違います。」
彼は緊張が解けたように、ふう、とため息を吐いた。
「ぇ~……リオンです。正義科の末端、です。」
気まずそうな顔で距離を少し縮めたリオンに一つ質問をしてみる。
「リオンさんも能力の訓練ですか?」
「いえ、僕には能力なんてないので……。」
「え?」
口笛で鳥を集めると一羽を手の上に乗せる。
「僕、森の中で住んでいたんです。それで、誰かの役に立ちたくてこの組織に入りました。能力はなかったけど、僕はトーヤ様に認められたんです。鳥たちに力を貸してもらってるんです。」
カラスほどの大きさの鳥はリオンにくちばしを擦り付ける。
「彼らのおかげで、僕はここにいられる。」




