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異世界に咲く花  作者: 勇崎りりは
二章 正義VS悪意 編
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11話  疑問

「クリス様、申し訳ありません。この中に私の望む答えはないようです。もう少し、考えさせてください。」


「そう、わかったわ。しばらく無所属ということにしましょう。スミレ、あとはお願いね。」


眼帯のメイド、スミレは主人の命令に綺麗な礼をして言う。

「お任せくださいませ、主様。」


その返事にクリスティーアはニコリと笑って答える。

その後、この部屋からつながっている4つの長い廊下のうち、一番奥の廊下を歩いていく。



スミレはそれを見送ると、こちらに振り返った。




「ルカ、あなたには部屋の案内と食事の用意をします。……主様の命令ですから……。」



「じゃあ、僕も部屋に戻ろうかな。またね、スミレさん、ルカちゃん。」


「はい、また明日、です。」

「主様に迷惑を掛けないのならば、また明日よろしくお願いします。」


スミレの返しにトーヤは苦笑いして、一番手前の廊下をまっすぐ進んでいった。


「それでは、行きましょう」


スミレはそう言うと部屋の隅に向かった。


「ルカは能力が不完全だと聞きました。」


スミレは手袋を取り、そこの床に手を置くと床のふちを指でなぞった。

真ん中あたりで手が止まった。



少し出っ張ってる部分に指をかけ、開く。


人が一人通れるくらいの隙間があった。


「ここを下りて、真っ直ぐ降りると広い空間があります。能力の訓練ならそこで。くれぐれも庭や外ではやらない様に。」


「外では、何でダメなんですか?」


「この建物は、金持ちのお嬢様が実家が嫌になり飛び出して、隠れ家にしているという設定です。そんな家の庭で能力の訓練何て誰もしません。それに能力はとても珍しいのです。あんたの力なら100%、狙われますよ。」



最後にはあんた呼びだ。

薄々気づいていたがこのメイド、クリスティーア以外敬う気がないらしい。クリスティーアがいなくなった瞬間から明らかに力が抜けている。



そんなスミレの忠告にルカは無言で頷いた。


「それでいいです。次行きますよ。」






ーーーーーー



「はあ、疲れた。」


ルカはベッドに倒れこんだ。

あの後、スミレから食堂の場所、トイレの場所、風呂の場所を教えてもらった。


この世界に風呂まであるとは思わなかったが、思った以上に快適だった。

ベッドもふかふかだし、ご飯もおいしかった。


この世界、想像以上に過ごしやすいのかもしれない。



ルカは寝返りをうって考える。



例えば、能力を暴走させてた少年。


スミレは言った。能力の珍しいと。

アーロンやクリスティーアは言った。能力を発現させるには強い意志がいると。


ルカの目から見て、あの少年にそんなものはなかった。

そして、ルカ自身にもなかった。



例えば、正義科(ルドベキア)幹部のトーヤ。


スミレと彼の白髪の違いを比べてみた。


スミレの髪は艶があり、しっとりしていた。

トーヤの髪は艶がなく、ぱさぱさしていた。



トーヤの眉毛やまつ毛は黒だった。

スミレは白だった。



トーヤの髪は、まるで染めているようだった。








そこまで考えると、ルカはそのまま眠りについた。


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