10話 枠にとらわれない花
「ついていらっしゃい。」
クリスティーアは立ち上がり、優雅に歩く。
白く、繊細な指で扉に触れると、少し押す。
ギギギともキィーとも言えない音を立てて、扉が開く。
「ごめんなさいね、ここの扉、少し古いのよ。だれも使わないから。」
「いえ!問題ありません。」
ルカは慌てて立ち上がり、クリスティーアの後ろを歩く。
建物の中をそっと覗き込むと、西洋風の華やかな景色が目に入った。
外から見ると、少し豪華で特殊な建物、と言って感じだが、内側は真逆だった。
全体的に暖色がよくつかわれていて、あらゆる所に花瓶がおいてある。
飾られている花は様々で、バラ、ユリなどの有名なものから、見たこともないようなものあった。
確かに美しいが、必要以上に飾らない。それがこの建物の印象だった。
「主様」
「わっ」
白髪眼帯の幽霊メイド、スミレが急に現れた。
クリスティーアはルカのように驚いたりせず、堂々としていた。
「スミレ、あの二人は大丈夫かしら?」
「問題ありません。反逆科幹部トーマは部屋に戻りました。正義科幹部トーヤは……」
斜め後ろを指してスミレは言う。
「そちらに。」
「クリスティーア様、弟が迷惑をかけて、申し訳ございません。」
端の方に立っていた男がこちらを向いて、歩きだす。
目の前まで来ると頭を深く下げ、クリスティーアに向き合う。
クリスティーアは答える
「兄弟喧嘩は、ほどほどにね。」
「……はい」
話の流れからして、彼がトーヤだろう。
トーヤは落ち着いた成人男性、と言った印象だった。
彼も白髪だ。
しかし、透明感のある白髪のスミレの隣に立つと、なにか違和感がある。
トーヤの髪はのっぺりした印象があった。
そのことにルカが頭をひねってると、トーヤがルカに気づく。
ただでさえ低身長なルカは、背の高いクリスティーアの影に隠れて見えなかったのだろう。
「クリスティーア様、彼女は?」
「名前はルカ。新しいメンバーよ。」
「えっと、ルカです。よろしくお願いします。」
トーヤはニコリと笑って言う。
「ああ、君がアーロンの言ってた……、。初めまして、正義科幹部、トーヤです。よろしくね。」
「主様、ルカはどこに所属するのですか?彼女の能力は強力です。もし……」
「スミレ、口を閉じなさい。」
クリスティーアは有無を言わせぬ強い口調で言う。
「それは彼女自身が決めることです。わたしたちが口を挟む事ではありません。」
「申し訳ありません、主様。」
「ルカ。貴女の意志はなぁに?」
「意志……。」
能力と呼ばれる、圧倒的な力。
自分ではない何か。
きっと私は、それを望んで手に入れたのだろう。
その時、私は何を願ったのだろうか?
守りたいと思った。震えてる小さな女の子を。
力になりたい、助けたい。
優しくなりたい。
なら、正義科か?
いや、違う。
善悪なんてどうでもいい。
それすら超えた、真っ直ぐな優しさが欲しい。
じゃあ、変化科か?
いや、違う。
私自身を変える必要はない。
誰かの為になるのに、自分と向き合う必要はない。
きっと、この中に答えはない。
昨日投稿できなくてすみません!
仕事で時間ギリギリになって、捻挫して、布団の中で休んでたら寝てました……。




