水餅のすすめ
餅は好きだ。
飽きるという声があるが、あれこれと味変すればいいじゃないか。
砂糖、塩、醤油、味噌、海苔、黄粉、小豆、カレー…何でも来い!
とはいえ、食べやすいタイミングは割と短時間で、そこはネックかも。
最近は余り知られぬかもしれぬ。
水餅は料理名でも、料理方法でもない。餅の一保存法の名だ。
餅はある程度置くと、青カビをはじめ、カビが生えやすい。
今は保存袋に入れて空気を抜き、冷凍庫や、短期間であれば冷蔵庫に入れて置けば良いが、昔はそんなものなどなかった。
水を張った容器に餅を放り込む。これだけで餅に生えるカビを軽減できる。
青カビなどは好気性、つまり酸素のある状態で活動する菌類であるが、空気中より水中の方が含有酸素が少ないので、その活動が制限されるわけだ。そのためカビが生えにくくなる。
日々新鮮な空気の少ない水に取り換えることで、ある程度保存がきくわけだ。
昔の人は酸素云々という理屈も知らずに見つけたわけだが、その時どんなドラマがあったんだろう?
水餅の利点欠点は、表面の含水率の上がることだろうか。
表面を水洗い後、水気を拭き取ってから使用する。
水気が多い分、軟らかくなりやすいが、反面だれたりこびりついたりしやすくなる。
焼き餅にするとムラに焦げたり、網にくっついたりもする。
電子レンジで温めれば、搗き立てのように柔らかくもなるが、うっかりすると溶けちゃうぞ。
何といっても、あの焦げ感がなくなるのが案外残念だと気付く。
焼いた餅を、薄く塩で味付けした湯に浸し、パリパリの焼き目を割りながらかぶりつく。餅は柔らかく香ばしく、湯にも香ばしい香りが移り、上品なスープのようだ。
大好きな一品だが、電子レンジで柔らかくなっただけでは味わえない。焼いてこそのものなのだ。
よく溶けるので、溶かしてトロミとして利用するのもありだ。
雑煮の餅を、溶けにくいように焼く方法もあるが、その逆を行く。
良く溶かせば、おかゆのような離乳食にもなる。
ちょっとずつ含ませて、ちゃんと飲み込みを確認しつつ与える。
カレーに混ぜるととろみの強いカレーになるぞ。さらにライスを餅に変えれば、餅消費量もさらにアップだ!
まあ、水餅にしなければならんほど残さねば良い話ではあるが。
ちょっとした勘違いで、家人が多めに発注したらしい。加えて、栃餅草餅もラインナップにどうしても欲しくて。
そんなわけで、正月明けから当分、家での食事は餅になった。
飽きないうちに消費できたのは僥倖であるが…一寸体重計が怖い。
でも夏場に敢えて食べようという気にはならない。フシギ。




