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おばいけとリヴァイアサン

クジラを食べる事には、子供の頃に食べてたので、特に好悪の感覚はないが。

流石に経験値が少なすぎて、調理法には悩む。

あれ、魚じゃないんだよな…

 スーパーで珍しい、というか久しぶりのものを見つけた。

 おばいけ。

 クジラ肉の一種だと思ってくれたまえ。正確には肉じゃないけど。

 尻尾の皮の下というか、脂肪層というか。

 一番美味しいという噂の部位だ。

 商業捕鯨が再開されて、ようやくクジラが手の届く付近まで流通を広げてきたな、と感慨深い。

 最初にクジラ肉を食べたのは何時だったか。

 多分小学校の給食じゃないかな。

 クジラ肉のノルウェー風、とあったが、実態は玉ねぎとクジラ肉のトマトケチャップ煮。

 …ノルウェー関係ないじゃん! と気づいたのは実は最近の話w

 あの頃は、クラスの強い子が肉をとって、我々には玉ねぎしか回ってこなかった。

 教師もそれを放置した…あれ? その教師も実はろくでなしじゃないか?

 まあ何十年も前の話だから今更だ。


 最後に食べたのはおばいけだったかもしれない。

 ちょっと特別なごちそうを、こどもたちもちょっとお相伴にあずかった。

 流石に味など覚えちゃあいない。


 ということで、一寸奮発して一パックお買い求め。

 卓上の皿を見て、母がこんな話をしてくれた。


 まだ母が若い時分。

 時々おばいけを買うことがあったという。

 というのも母はクリスチャンで、当時は「金曜日は肉を食べてはならない」というきまりがあった。

(諸事情により近年緩和されたが)

 今ほどあれこれ簡単に手に入らない時分。肉がダメならと金曜日におばいけを供していたという。

 と、ある日。

 母は気づいたのだ。

「おばいけって、クジラじゃない? クジラって、魚じゃなくてケモノよね?」

 以降、金曜日のおばいけは消え、魚料理に。


 その話に、私は言ったわけです。

「大丈夫。聖書の時代、ヤツラは魚。レビアタンとか」

(レビアタンとかリヴァイアサンとか)


 そう。

 当時、水中の生き物は基本サカナ、海は悪魔の領域、という認識であったのですな。

(一部の地域、民族、宗教による)


 すると兄が、

「新約(聖書)と旧約(聖書)と時代ずれるけど?」


 金曜肉食不可は、新約聖書の「キリストが亡くなったのは金曜日」という解釈によるもの。

 対して、海の怪物は旧約聖書に記載。

 年代的にはざっくりと、新約はキリストの降誕以降、旧約はそれ以前に当たるわけで。

 確かに、時代は離れる。が。


「問題ない。まだダーウィンは出てこない」

 古来クジラは魚認識。多分進化論以降でないと哺乳動物にしてもらえなかったはず。


 そんなこんな、宗教学なんだか歴史学なんだか雑学なんだかわからんことをくっちゃべりながら。

 ともあれ、久方のクジラ、久方のおばいけに預かったわけだ。


 で。

 酢味噌で頂いたわけだが。

 あれはおばいけの味というより、食感を楽しむものなのかな、と。

 大人になってから、しみじみ思うのでありましたとさ。

おうちに留まり、感染拡大に努めよう。

と、思うから大変なんだ。

この機会に、屋内でできること、やってなかったこと見つけちゃおうぜ。

料理をしてみてもいいし、裁縫に挑戦してもいい。

なかなか手にしない大作を読んでみてもいいだろう。

大デュマのダルタニャン氏物語とか、吉川英治氏の三国志演義とか。野田昌宏氏の銀河乞食軍団とか、アシモフ氏のファウンデーションとか。

面倒臭いなら漫画でもよろしいが、ここは折角だから、な。

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