ステーキ!
ヌーボー解禁まであと少し。
そろそろ準備であります。
ワインに見合う料理、それは…
すて~き!
などと言うのは親父ギャグなのは了解している。
しかしそれでも、我々世代にはまだ別格の食べ物なのだ。
ステーキ。
ハンバーグではなく、牛肉。
分厚いのかもう少し薄いのか、そこは好みでよかろう。
我が家はスーパーで買えるあのサイズがスタンダードだ。生状態で1~2㎝前後かな。
まずはどれを買うか。
サーロインは脂が多い。脂の旨味は強いが、そうそう食べられる物じゃない。
若いうちは、歯ごたえとコストパフォーマンスから赤身、モモ肉だろう。
歯が弱い年配者やちびっこにはヒレをお勧めする。
種類以外にも、形状、サシ様など観察する。妙にサシの入ったものではなく、縁に白い脂がそっと被り、しっとり光る肉を持った、形の整ったものを選ぶ。
無理に開いて面積だけ確保したようなものは、値段に見合う質ではない。
内臓の近くだから臭い、という御仁もあるが、ちゃんと処理・保存しているものは気になる程も臭うわけではない。そもそも内臓が臭うというのであれば、ホルモンとか食えたものじゃなかろう。もしも特殊な処理をするからだと言い募れば、どこまでイカガワシイ処理をするのかと逆に心配になるというものだ。
これは、管理に自信のある人でなければお勧めできないが。
チルドやアイスノンなどで上手に保冷すると、1週間ほどすると熟成が進み、旨味が増すのである。
ただ手を抜くと劣化するし、そもそも購入前の状態が悪いと臭うようになるので、要注意だ。
うっかり日にちが過ぎて肉が獣臭を帯び表面の脂が薄茶色になったしまったら…
慌てず、表面を包丁の刃で軽くこすり、浮いた脂を除く。40℃程の湯で(給湯器など)ザっと表面を洗い流す。キッチンペーパー等で軽く水気を拭いて、醤油と酒の調味液に浸すとよい。
臭みが強いときはコーヒーを加えると効果がある。インスタント粉を振っても良い。
さて下ごしらえ。これが一番肝要だ。
肉たたきがないので、包丁で叩く。丹念に叩く。
包丁の背で、縦横更に斜めに1ミリ間隔でバンバン叩く。
裏返してもう一度。
次は包丁の刃で、軽くスライドさせるようにして叩くというより表面に切れ目を入れる感覚で。これも1ミリ間隔縦横無尽を裏表。
更に包丁の先端で、繊維を切るように刺し切る。これも丹念に丹念に行う。
肉の縁や筋の入っているところには更に包丁を入れ、繊維を切っておく。
加熱すると繊維が固く結合してしまうので、寧ろ遠慮なくぶっ叩くべし。
これだけ叩いても、焼けばモモなど平気の平左でしっかり元の形に戻って見せる。
叩いた後は味付けだ。
なに、塩と胡椒だけで充分。余程悪い肉でなければ一番旨い。
両面に塩と胡椒を振る。粗挽き胡椒も少しあるとなおよい。
生醤油を掌に広げ、軽く叩いて肉になじませる。
ニンニクやステーキソースなど、邪道である!
悪くなった肉の臭いを誤魔化すのでなければ、寧ろ邪魔。
肉に調味料がなじむ間に、野菜の準備もしておこう。
人参をソテー用に切っておく。なに、家庭で格好にこだわることはない。それっぽいサイズに切って、軽くゆでておくだけだ。
玉ねぎを7ミリほどにざっと切っておくとか、エリンギとか、その辺りは好みとおなかの余裕だろう。
さあ肉を焼こう。
フランベ用に小さじ程もブランデーを用意する。
フライパンを強火でしっかり加熱すべし。焦げるなんて気にするな、しっかり熱くしないとただの焼き肉に成り下がる。
熱いフライパンに軽く油を敷く。
そこに肉をバンと置く。一瞬あがる湯気、ジュッと高らかに脂が鳴く。
時間を置くな、強火で表面を焼き固める。少し茶色に焦げ目がついたらすぐさま裏返す。
裏面は今までの過熱ですぐ焼けるので、ここで蓋をする。火を弱め、耳を澄まそう。
ジャーッという音がやがて、ふっと鎮まる、一瞬。
今だ!
スピード勝負である。
蓋を取り、強火に戻す。ブランデーをかけ回す。家庭では火が上がらなくてもよい、寧ろやめておけ。
フライパンに流れる肉汁と脂と酒を肉に絡めるようにしながら皿に移す。
今ならレア!
返すフライパンで、残った肉汁と脂に、用意していた野菜を放り込み即座にソテー。
塩と粗挽き胡椒で味を調え、ステーキに添えれば出来上がり。
お供にお好みのワインといっしょにどうぞ。
この時期たまに、〇年前のヌーボー(!?)とか見かけることがあります。お値段はとってもお手頃(笑)に。
とはいえ、リサイクルなルートによっては味に保証がないこともあるので、そこは半ば賭けかもしれません。
残念ワインの時はデキャントすると一寸よくなることも。それでもダメな時は、料理酒に。酒類は消費税10%になるので今のうちに。




