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大根きんぴら

もったいないは世界語になったらしい。

飽食日本とか、格好悪いぞ。


 とある事情で、大根をよく使う。

 皮を剝く。

 この皮が勿体ない。

 古くてカビっぽかったり、傷だらけで黒ずんだり、という時は仕様がない。

 だが、白くてぴかぴかして、瑞々しい奴はそのまま捨てるなんて勿体ない。

 きんぴらにしてみた。

 輪切り胴切りにしたものを、かつら剥きの要領で皮を剥く。

 しっかり剥く。少々分厚くてもいい、寧ろ分厚く剥く。皮の下の繊維層はかなりしっかりしている。

 これを、敢えて斜めに切る。繊維を切りながら繊維を残す。あと、少し長めにできるからだ。

 まな板に平たく置いて、千六本のように。

 分厚くても、ここで薄く薄く、1ミリ幅で切れば結果薄切りになるのである。

 歯ごたえが欲しい場合は、薄くなくてよい。小さな拍子木の形であればしっかりした歯ごたえにになる。


 大根だけでは淋しい。

 人参を同じように切る。

 人参の皮で構わない。人参の皮がなければへた付近の硬いところを輪切りにしこれをさらに細切りにする。

 色みが良いので、大根より少なくても十分満足できる。


 味わいも欲しい。

 シイタケの足がお勧めだ。

 敢えて繊維の残る縦切りを選ぶ。大根や人参と同じ形状だ。

 基本、これだけでよい。

 増量するなら板こんにゃくを糸状に切ってもいいし、何だったら糸こんにゃくを少し短めに切って使う。

 長いままだと糸こんにゃく玉になってしまう。

 こいつをきんぴらに炒める。しっかり炒める。中途半端だと大根臭さが強くなる。

 醤油と砂糖、みりん。七味を効かせるのが旨い。


 油揚げの、所謂薄揚げというものを、これも細切りにして一緒に炒めるというのも乙である。

 この場合、含め煮風にするとそれはそれで一品になる。

 生ごみも減り、腹も膨れ、フトコロに優しい。

 貧乏人の浅知恵と侮るなかれ。

雑学的に。世界語化した日本語は案外多いらしい。

世界語化とは、国際語のように使われるようになった言葉、という意味で使っている。

例えば浸水のときに積まれる土嚢(どのう。土の袋の意。最近は土以外もある)も、こっそり世界語化している。

そこには偉大なドラマと、ドラマと呼んではいけない凄まじい現実が同居している。


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