エピソード4 「生存率24%」
「どうした、水蜜?」
レオが不思議そうに僕の顔を覗き込む。
まずい。完全に顔に出てた。
「い、いや……なんでも」
「なんでもって顔じゃねぇだろ」
レオは眉をひそめる。
でも、説明できるわけなかった。お前、三年以内に死ぬらしいよ――なんて言えなかった。
「……」
視界の端では、まだ黒い文字が浮かんでいる。
【レオ・グラン】
【将来生存率:24%】
消えない。まるで、“現実”だと突きつけるみたいに。
「……生存率ってなんだよ」
「ん?」
「あ、いや独り言」
僕は慌てて立ち上がった。頭が混乱している。
観測者権限。適性偽装。そして未来予測みたいな表示。
完全にチート能力っぽいのに、内容が不穏すぎる。
「帰るのか?」
「……ちょっと考え事」
「そっか」
レオは少しだけ寂しそうに笑った。
「まぁ、なんかあったら言えよ。俺、お前のこと結構好きだし」
「っ……」
不意打ちだった。そういうことを、こいつは自然に言う。前世の僕なら、絶対に信じられなかったタイプの人間だ。
「……ありがと」
「おう!」
レオは笑いながら丘を下っていった。
その背中を見送る。
するとまた、文字が浮かぶ。
【対象への感情変化を確認】
【第一観測対象に設定しますか?】
【YES/NO】
「第一観測対象……?」
なんだそれ。
ゲームのシステムみたいだ。
でも。もし設定したら、もっと詳しくレオの未来が見えるのかもしれない。
「……」
少し悩んで。
僕は空中へ手を伸ばした。
「YES」
その瞬間。
黒い文字が弾ける。
【設定完了】
【第一観測対象:《レオ・グラン》】
【追加情報を開示します】
次の瞬間だった。
頭に、映像が流れ込んできた。
炎。悲鳴。崩れる家。血。
剣を握ったレオ。
そして――。
巨大な“黒い何か”。
「――っ!?」
頭痛が走る。
膝をついた。
「はぁっ……はぁっ……」
今の、なんだ。
未来?記憶?
それともただの幻覚?でも、妙にリアルだった。特に最後。
黒い霧みたいな何かに飲み込まれるレオの顔。
あれだけは、焼き付いて離れない。
【未来断片の観測に成功】
【権限レベル1へ上昇】
【新機能を解放】
【危険因子の可視化】
「危険因子……?」
すると。
世界が変わった。
村のあちこちに、“黒い靄”みたいなものが見え始める。
井戸。森の入口。
そして――。
「……村長の家?」
一番濃い黒が、村長の家を覆っていた。
嫌な汗が流れる。
あれは絶対、見ちゃいけない類の色だ。
その時、カラン、と音がした。
振り向くが誰もいない。
でも、森の奥。木々の隙間から、“誰か”がこっちを見ていた。
黒いローブ。顔は見えない。
なのに、目だけが合った気がした。ぞわり、と鳥肌が立つ。
次の瞬間。
【警告】
【観測者への視線を確認】
【“外側”からの干渉が発生しています】
「……は?」
その瞬間。
ローブの人物が、ゆっくり笑った気がした。
やぁやぁちょんだよ!エピソード4まで来たよ!やったね!!まだまだ先を作れそうだ!頑張ります!!!




