068 裏話~タマキ考察~
須藤とも離れ、帰宅し腕組みをして考え込む。
今回ばかりは凛と透が頼りだ。いくら気を揉んだところで自分が役に立てる事は少ない。
できることと言えば、毎日マメに夢の世界に行き、他の三人に何かあった時にすぐ駆け付けられるように待機しておく事だろう。
現実ではおそらく大丈夫なはずだ。
作戦に穴が無いか振り返る。
タマキは事件を消せるほどの力を持っている恐ろしい人物という印象が強い。
だが現実で殺しに来るかと言うと、確率はかなり低いはずだ。
それができるなら、集合的無意識の層に行くリスクを負う必要が無い。
あの世界での死が、現実での死に繋がるのは向こうだって同じだ。
ならば、相馬や西岡のような戦闘向きな能力が使える者がいる世界は、リスクが大きすぎる。
いつ自分を上回る力を持つ者が現れるかも知れない。
完璧に捕まらない自信があるなら、現実で殺した方が安全なのだ。
現実で手を出してしまうと、タマキでも揉み消せないのだろう。
そして恐らく、タマキは単独で動いている。
協力者がいるとしても、組織的ではない。
現実に自分の手足となるような人間がいるなら、西岡のオフィスで仲間を集める意味が無い。
この読みが当たっているなら、タマキは現実ではそこまで脅威ではない。
(頼むから、この読みだけは外れるなよ・・・!)
この考察は、作戦と一緒に仲間達にも伝えてある。
もし違っていたらと思うと、心臓を鷲掴みにされるような思いだ。
(責任は自分にある。なんて言ったらあいつら全員に怒られそうだな)




