55/81
054 裏話〜悪夢の後〜
夢を見ている。久々の夢だ。
あの世界ではない。自分だけの夢。
なぜそう思ったのかは分からないが、自分がそう感じているからには、そうなのだろう。
体は自由に動かせない。
すぐに動かそうという気にもなれず、流れに身を任せている。
夢の中は平穏だった。
起きて朝食を摂る。
身支度を整え、家を出る。
会社に到着し、外回りに出る。
適当なところで昼食を摂り、また仕事へ。
そして日が沈むころ会社へ戻る。
何も考えずに車を走らせる。
平穏そのものだ。
これで良かったのだろうか。
自分に問いかける。
何に対して言ったのだろうか。
分からない。
ただ心当たりのない罪悪感と喪失感が、ずっと胸に引っかかっている。
平和なのに、平和なはずなのに。
結局自分は何がしたかったのだろうか、何をしているのだろうか。
何も分からないが、とにかく今は起きなければいけないと思った。
瞼を開いて目を覚ますことにした。




