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魔装機マナリリアン  作者: ロア
   WORLD of END 6章
54/120

6章 平和な世界 44話-飢えた国

〈44-1 耳を疑う〉


▶︎ローズストーン国


 俺はレインオラクル国に向かう為

 アランと別れを告げた



ネル

『頑張れよアラン、いや違うな

 ローズストーン国を楽しめ、世界を知るんじゃなく

 世界を楽しんでくれ』


アラン

『お前も頑張れよ、マナリリアンが動くようになったら

 今度こそ決着をつけよう』



 そうだな

 俺とお前は1対1の引き分けだったな

 俺はアランと約束した

 マナリリアンが直った時その時は決着をつけようと


 今度は絶対に負けない

 そう俺は心で思い

 アランの目を強く見ていた


 リオンとも別れの挨拶して

 お互いに励まし合った


 魔装機が無い俺は

 他の手段で

 レインオラクル国まで行こうと考えていたが


 ココが俺に言って来た



ココ

『レインオラクル国に行くなら

 私が連れて行ってあげる』


ネル

『え?でも...』


ココ

『丁度レインオラクル国に

 物資のコンテナを運ぶついでなの』



 なんだ、そう言う事か

 俺はココにお願いする事にした

 レインオラクル国まで連れて行ってもらう事を


 それを聞いていたショコラは不安だと思い

 部下のウェルチにこう言っていた



ショコラ

『ココ隊長だけじゃ不安です、

 ウェルチさん、

 貴方も同行してくださいませんか?』


ウェルチ

『わかりましたショコラ副隊長

 ココ隊長の事は私に任せてください』



 そう言う事で

 俺とココとウェルチの3人は

 レインオラクル国まで

 魔装機に乗り移動する事になった


 ココは自分の魔装機

 4女帝、女帝機と呼ばれる

 マリーアントワネットに乗り

 ウェルチはソーダストに乗り

 コンテナを背負い歩いていた


 俺もココと一緒に

 マリーアントワネットに乗っていた



ネル

『コレがマリーアントワネットの中か!!

 初めて乗ったけど、こんな風になっていたんだな』


ココ

『触ってみる、私がマナを送ってるから

 ネルが後ろから動かして見て』



 いいのか!?そう思った俺は

 マリーアントワネットを動かして見た


 ココがマナを送っていたから

 マリーアントワネットを動かせる事が出来たが

 後ろからの操縦なので

 思ったように上手く動かす事ができない

「ネル、乱暴」

「しょうがないだろ、初めてなんだから」

「あ!!」

「うお!!危ねぇ

 でも慣れて来たぞ」

「ん、上手くなって来た 流石ネル」

「よし!!飛ばすぞ!!」


 ウェルチの魔装機に

 ネルとココの

 そのような声が回線越しに聞こえて来た


 ウェルチは顔を赤らめ

 2人に「魔装機から降りてください」っと言った


 何がなんだかわからないネルとココは

 魔装機から降り

 ウェルチの元に向かった



ウェルチ

『不潔です!!いやらしいです!!

 2人で魔装機の中で何してるんですか!!』


ネル

『え?普通に

 マリーアントワネットを動かしてただけだけど』


ココ

『ネル凄く上手かった』


ウェルチ

『ココ隊長は黙ってください!!』



 何がなんだか分からんが

 何か勘違いをさせてしまったらしい


 ココは「ネル、ウェルチ怖い」と言って

 俺にくっ付いて来た


 それを見たウェルチはまた怒り始めた



ウェルチ

『最初に会った時も

 そんな事をしてましたよね隊長!!

 隊長とネルさんが一緒に居たら、

 私良く無い事が起こると思うんです!!』


ココ

『良く無い事って?』


ウェルチ

『ネルさんだって男の人なんですよ!!

 もし一歩間違えば、ネルさんだって.....』


ココ

『だって何?』


ウェルチ

『・・・その、あの・・

 獣になると言うか、なんと言うか』



 恥ずかしそうにそう言うウェルチ

 なるほど

 俺とココが一緒に居たらマズイと思ったのだろう


 でも安心して欲しい

 俺は子供のような見た目の女性に発情しない

 それだけは信じて欲しい


 っと言える訳も無いので

 俺はこう言う提案をした



ネル

『なら俺がウェルチさんの魔装機に

 一緒に乗るのなら問題無いですよね?』


ウェルチ

『・・・それなら問題ありませんね』



 なんとか丸く収まりそうだ


 それを聞いたココは

「浮気するの?」っと言ってきたので

 俺は「違う!!」と声を荒げた


 そもそも俺はココと付き合っても無い

 どうして付き合ってる前提になっているんだ


 こう言う時は

 迷惑だから辞めてと言うべきなのだろうか?

 でもそんな事を言って

 ココを傷つけてしまったら?


 俺は知らぬ間に雁字搦めになっていた


 とにかく

 俺はウェルチのソーダストに一緒に乗り

 ココは1人でマリーアントワネットに乗った


 ソーダストに乗って機内を見渡すと

 マリーアントワネットより

 シンプルな作りになっていた


 ココは1人で

 あの複雑な魔装機を動かしているんだな

 そう思い、感心していた

 流石は隊長をやってるだけはある



ネル

『ソーダストはこのような機内なんですね?』


ウェルチ

『そうですね、女帝機よりは簡単な作りになってます

 ここのボタンを押せば

 救難信号の弾を放つ事ができます』



 へぇー!!なるほどと思い

 俺はソーダストの中を隅々まで見渡した

「ちょっと!!余り動かないでください!!」

「ここはどうなっているんですか」

「そこは、ダメ!!」

「あ!!なんか出た!!」

「どこ触ってるんですか!!」


 ネルとウェルチの

 そんな会話を回線越しに聞いていたココは

「浮気?」っとネルとウェルチに聞いた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-2 見覚えのある村〉


 ローズストーン国を出て

 どれぐらい経ったのだろうか

 俺達はひたすら

 レインオラクル国に向かって移動を続けていた


 日が暮れ始めたので

 ココは近くの村に1泊し、

 次の日移動を再開しようと言った


 ウェルチも俺もそれに賛成し

 近くにある村に向かった


 なんだか見覚えのある村に着いたが

 村の中は土産屋など観光地のような有様で

 最初ここがどこの村か分からなかったが

 とある物を見て、ここが何処なのか分かった


 村の中央に魔装機に似た石像が

 写真スポットと書かれた立札とともに

 デコレーションされて佇んでいた


 そう、ここは前に俺が来た

 魔装機を神と呼んでいた村だ


 魔装機マンと書かれた饅頭の出店や

 古代の魔装機の

 ブロマイドやぬいぐるみが土産屋が並んでいた

 前とは変わり果てた村を見て

 俺は唖然としていると


 村の村長が俺達の前にやって来た



村長

『ようこそローズストーンの機士様、

 おや?そちらはいつぞやの?』


ネル

『村長!?どう言う事なんだよコレは!?』



 スッカリオシャレをした村長を見て

 更に俺は驚かされた


 村長が言うには

 魔物の脅威が去った事で人々は楽な生活ができ

 魔装機と呼ぶ恐怖の道具が

 恐怖じゃないと気づかされたらしい

 今は古代の魔装機を村の名産にして

 観光客を呼び込み一儲けしているのだと言う

 呆れた人達だ、そう俺は思っていた


 村長は俺達にゆっくりして行ってくださいと言い

 何処かに行ってしまった


 ウェルチは宿を取ってきますと言い

 何処かに歩いて行く


 残された俺とココは

 する事が無いので出店を見て歩いていた


 古代の魔装機の形の氷を砕き カキ氷にした

 古代魔装機カキ氷なる物を俺達は買った

 魔装機形の氷を砕いたら

 それはタダの氷なのでは?

 そう俺は頭の中でツッコミながら

 カキ氷を食べていた



ココ

『ネル、あ〜ん』


ネル

『恥ずかしいから辞めて』



 あ〜ん、を断ると

 ココは少し不満そうに俺を見ていた


 なんだコレ?デートかな?

 生まれて初めてのデートが

 こんなちっさい子となんて

 そう俺は思い、少し傷ついた


 宿を確保したウェルチは

 俺達を見つけそばに近寄って来た

 俺とココがカキ氷を食べてるのを見て

 ウェルチは「夕食が食べれなくなりますよ」

 っと少し怒っていた


 デートするなら

 二十歳を超えた大人としたいもんだと思い

 ウェルチを見ていた



ウェルチ

『なんですか?人の事をジロジロ見て?』


ネル

『いや、なんでも無いです』



 色んな出店や屋台を見終わった俺達は

 休息のため宿に向かう事にした

 前にデルク達と旅した事が

 昔の事のように思い出していた



▶︎夜の森の中



野盗の魔女A

『あそこが古代の魔装機がある村だよ』


野盗の魔女B

『それを盗めば、私達お金に困らなくなるね!!』



 悪事を企む野盗の2人は

 夜が更けるのを今か今かと待った


 この村に

 良く無い事が起こりそうな予感を感じさせていた

 そんな事を知らないネルは

 宿のベットでグッスリと眠っていた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-3 野盗の2人〉


▶︎宿


 ネルは1人部屋に泊まり

 ウェルチとココは2人部屋に泊まっていた


 夜遅く、ココは目を覚ました

 さっき食べたカキ氷で

 お腹を冷やしていたのだ


 ココは寝ているウェルチを摩り、起こした


 ウェルチは重たい目蓋をこすりながら

 あくびをしながら返事をした



ウェルチ

『なんですかココ隊長、こんな夜遅くに?』


ココ

『トイレ行きたい、一緒に来て』



 なんで私がそんな事 そう思いながら

 ウェルチはココを宿のトイレに案内した


 1人でトイレに行けないなんて

 本当に子供じゃないですか


 トイレの前でココが出てくるのを待っていると

 外でガサゴソと物音が聞こえて来た

 こんな時間に物音?なんだろうと思い

 ウェルチは地面に耳を当てた


 微かに地面の揺れを感じ

 もしかして魔装機!?と感じたウェルチは

 その場から動いた



▶︎宿の外



野盗の魔女A

『こら!!静かに動かしな!!』


野盗の魔女B

『そんな事言ったて、

 魔装機を動かすのは慣れてないんだ』



 野盗が乗る魔装機は

 静かに古代の魔装機を運ぼうとした


 すると



ウェルチ

『貴方達、何をしてるんですか!!』



 ソーダストに乗ったウェルチが

 その場にやって来て、

 野盗が乗る魔装機にそう言った


 ヤバイと感じた野盗達は

 古代の魔装機を盗むのを止め 逃げる事にした


「待ちなさい!!」と叫ぶウェルチ

 ソーダストを走らせ逃げる魔装機を追った


 相手の魔装機は

 レインオラクル製のファスレーンが2機

 スピード特化の少し前のモデルの魔装機


 ウェルチは頭の中で敵の魔装機の分析していた

 だが

 ソーダストではファスレーンに追いつけず

 夜の平原で見失ってしまった



ウェルチ

『そんな、見失うなんて』



 闇雲に探すのは無理だと判断したウェルチは

 その場から去ろうとしたら

 後ろから何かの気配を感じウェルチは振り返ると

 逃げられたと思ったファスレーンの2機が

 ソーダストの前に現れていた


 どうして?と思い

 ウェルチは2機のファスレーンに回線を繋ぐ



ウェルチ

『逃げたと思ったけど、

 まさか正面から戻ってくるなんて』


野盗の魔女A

『さっきの話、本当なんだろうね?』


野盗の魔女B

『確かそうだったハズだよ!!

 アイツの魔装機はソーダスト、

 ファスレーンと同じ時期ぐらいに作られた魔装機

 性能は互角のハズだよ』



 なんの話だ?とウェルチは思い

 ソーダストは剣を構え

 貴方達が誰なのかを聞いた



野盗の魔女A

『回線が繋がってる?向こうの敵の声か』


ウェルチ

『魔装機に慣れてない?貴方達は誰!?』


野盗の魔女A

『誰とかそんなの関係ない、アンタを倒し

 その魔装機も奪ってやる!!やるよ!!』


野盗の魔女B

『う、うん!!』



 ファスレーンはダガーを構え

 敵のソーダストの動きを見ていた


 もしかして、魔装機を奪った山賊達なんじゃ?

 そう考えたウェルチは

 身長にソーダストを動かし、

 敵を停止させようと攻撃をした



野盗の魔女B

『うわぁあ!!いきなり攻めて来たよ!!』


野盗の魔女A

『落ち着きな!!スピードはこっちの方が上なんだ

 スピードで撹乱するんだよ!!』



 ちょこまか動くファスレーンに

 ウェルチは翻弄させられてしまう



ウェルチ

『逃げてばっかり、戦う気はないの?』


野盗の魔女A

『こっちは2機なんだ!!

 初めての魔装機戦だろうが、

 慌てなければ正気はある!!』



 初めて?やっぱりこの人達は


 ウェルチは1機のファスレーンに気を取られ

 後ろから来るもう1機に気づかなかった



野盗の魔女B

『うわぁぁあ!!』


ウェルチ

『しまった!!』



 1機のファスレーンが

 ウェルチが乗るソーダストの足を攻撃した


 ソーダストは地面に倒れ

 操縦が効かなくなった



ウェルチ

『辺りどころが悪かった!?』


野盗の魔女B

『やった!!やったよ私!!』


野盗の魔女A

『何やってんだい!!

 商品傷つけたら売れなくなるだろ!!』



 言い合いをする2人の魔女

 ウェルチはハッチを開き

 火の魔法を使いダメ元で攻撃をした



野盗の魔女A

『あの子!!魔法で攻撃して来たよ!!』


野盗の魔女B

『大丈夫、魔装機は人間の魔法程度じゃ

 ビクともしない作りになってるから』


野盗の魔女A

『それを先に言いなって!!

 ビックリしたじゃないか』



 やっぱり無理かとウェルチは落ち込み

 動かなくなったソーダストを見た


 野盗の魔女は

 ソーダストを差し出せば見逃してあげると言い

 ウェルチをソーダストから下そうとした


 ウェルチは

 このままじゃ殺されるかも知れないと思ったが

 機士として見っともない姿を晒した事で

 殺されても構わないと思い

 ソーダストにもう一度乗り必死に動かそうとした



野盗の魔女B

『あの子、諦めるつもりは無い見たいだよ

 どうすんの?』


野盗の魔女A

『どうするもこうするも....う〜ん』



 2人の魔女が悩んでいると

 向こうから

 もう1機の魔装機が近づいて来るのが見えた



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-4 とてつもない恐怖〉


 2人の魔女が悩んでいると

 向こうから

 もう1機の魔装機が近づいて来るのが見えた



野盗の魔女B

『なんか来るよ!!』


野盗の魔女A

『見たら分かるよ!!』



 慌てる魔女

 ウェルチはやって来る魔装機を見て

 アレはと思い、少し涙ぐんでいた



ココ

『ウェルチ、大丈夫?

 貴方達は誰?レインオラクルの魔装機?』


野盗の魔女A

『仕方ない、アイツもやるよ!!

 アイツの魔装機の情報は!?』


野盗の魔女B

『なんだろアレ?見た事ない魔装機

 でも大した事ないと思う、武器も無いし』


ココ

『この子はマリーアントワネット、私の魔装機』


野盗の魔女A

『マリー...なんだって?

 まあいい、武器が無いならこっちの勝ちさ!!』



 マリーアントワネットは

 背中に背負っていた銃 シャスポーガンと

 綺麗に磨かれた剣 クルセイダーを構えた



野盗の魔女A

『武器あんじゃないか!!』


野盗の魔女B

『あれれ?なんだろあの武器?知らない』



 このままじゃヤバイと感じた魔女Aは

 ウェルチが乗るソーダストにダガーを向け

 マリーアントワネットに挑発する様に言う



野盗の魔女A

『武器を捨てて降伏しな!!

 じゃないとお仲間が酷い目に合うよ!!』


野盗の魔女B

『人殺しは流石に...』


野盗の魔女A

『黙ってなよ!!こうするしかないんだよ!!』


ウェルチ

『すいませんココ隊長、

 私の不手際で、

 私を見捨てて攻撃してください!!』


野盗の魔女A

『な!!馬鹿!!命は大切にしなさいよ!!』



 騒ぐ3人の声を聞き

 ココはヤレヤレとさせながら

 剣と銃を地面に捨てた


 魔女の2人は「え!?」っとビックリして

 そうだ、それでいいんだ そうココに言った



野盗の魔女A

『武器をそのままにして

 ゆっくりコッチに近づきな』


ココ

『分かった』



 ココは言われる通り 武器をそのままにして

 2機のファスレーンに近づいた


 なんだか凄く物分かりの良い子だな

 と思った魔女Aは

 そこで止まりなと叫び

 2機のファスレーンはダガーを構え

 マリーアントワネットに恐る恐る近づいた


 念の為だと思い、魔女Aは

 ココに聞いてみた



野盗の魔女A

『本当に武器を持ってないんだろうね?』


ココ

『武器は持って無い』


野盗の魔女B

『嘘だったら容赦しないよ!!』


ココ

『本当なのに』


野盗の魔女A

『とりあえずぐるっと回ってジャンプしてみな?』



 ココは

 マリーアントワネットを1回転させ

 3回軽くジャンプさせた


 そんな事で

 本当に武器を隠し持ってるか持ってないか

 分かるはずもなかったが

 とりあえず武器が無いと確信した魔女達は

 一安心して

 好戦的な態度になり、ココを威圧した



野盗の魔女A

『それじゃあ魔装機から降り

 その魔装機を私達によこしな!!』


野盗の魔女B

『やったね!!

 今日で2機の魔装機を手に入れたんだよ!!』


野盗の魔女A

『喜ぶのはまだ早い、って言いたいけど

 もう喜んでもいいか!!』



 2人の魔女は

 勝ち誇ったかの様高笑いをしていると

 ココは「私はこのまま戦う」っと2人に言った


 え?っと思い

 聞き間違いかも知れないと魔女Aはココに質問した



野盗の魔女A

『えっと、聞き間違いだよな?

 もしかしてこのまま戦うって言ったのかい?』


ココ

『そう』


野盗の魔女B

『武器も無いのに戦う!?

 そんな無茶な事しない方が』


野盗の魔女A

『そうだよ!!アンタ達は負けてんだ

 大人しく降参しなって!!』


野盗の魔女B

『どう見てもその魔装機は拳で戦う機体じゃない!!

 負けが見えてるのに何故!?』


ココ

『魔法で戦う』



 へ?っと魔女達はなり

 少し間があり

 魔女達は笑いながらココに言った



野盗の魔女A

『魔法って、

 アンタ魔法で魔装機に攻撃するつもりかい?』


野盗の魔女B

『機士なのに知らない奴ばかりなんだね、

 人の魔法程度の攻撃じゃ

 魔装機は倒せないんだよ?』



 嘲笑う魔女達

 さっきと同じ奴見たいに

 魔装機から降り魔法で戦うつもりなのかと思い

 笑うしかなかったが


 マリーアントワネットは土の魔法を使い

 ファスレーン2機の身動きを封じた



野盗の魔女A

『なんだ!!地面が泥濘になって身動きが!!

 こんな魔法見た事ないよ!!』


野盗の魔女B

『まさか魔装機で魔法を使っている!?

 そんな事が!!』



 ココは光の魔法を使い

 魔女Bのファスレーンに攻撃しようとした

「待って待って!!」と叫ぶが

 マリーアントワネットから放たれた

 光の刃はファスレーンに突き刺さり機能を停止した


 それを見ていた魔女Aは

 マジでヤバイと焦り

 ダガー以外の武器が無いのか手当たり次第に探した


 適当なボタンを押すと

 自爆装置起動と言うアナウンスが流れ

 10秒のカウントダウンが始まった



野盗の魔女A

『なんだコレ!!何が起きてんだ!!』


野盗の魔女B

『自爆装置を押したんだ!!

 早く逃げて!!』


野盗の魔女A

『ダメだ間に合わない!!

 死にたく無い!!うわぁぁあ!!』



 もうダメだと思い 叫ぶ魔女A

 ココは一か八かと 雷の魔法を使い、

 ファスレーンの回路を完全に破壊しようと攻撃した


 残りカウントダウンが1秒のところで

 ファスレーンは機能を停止し

 魔女Aは自爆する事なく助かった



野盗の魔女A

『いっ生きてる、生きてるよ私!!』



 魔女達は魔装機から降り喜び

 泣きながら抱き合った

 その様子を見ていたココとウェルチは

 魔装機から降り2人に近づいた



野盗の魔女A

『助かったよ!!アンタのおかげだよ!!』


野盗の魔女B

『ありがと、ありがと』



 ココは土の魔法を使い

 ムチの様な攻撃をして2人を叩いた



野盗の魔女A

『イタ!!イタ!!、何すんだい!?』


ココ

『もう悪さしちゃダメ、分かった?』


野盗の魔女B

『なんで攻撃すんのさ、私達は降伏してんのに』


ココ

『返事』



 ココはもう一度攻撃する



野盗の魔女A

『分かった!!悪かった!!

 もうしないからその魔法を辞めてくれ!!』



 2人の野盗の魔女は

 改心し、お縄についた


 ウェルチは流石ココ隊長

 そう感心すると同時に

 自分の不甲斐無さに落ち込んだ


 私がもっとしっかりしてたら

 こんな事には  そう思って仕方なかった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-5 食べさせる〉


 翌朝、俺が眠っている間に

 村に泥棒がやって来てたらしく


 泥棒の女2人は

 ココに捕まり村の真ん中で縄で縛られていた


 レインオラクル製の魔装機ファスレーン2機に

 足が負傷して動かなくなっていたソーダスト

 多分、夜中に

 魔装機の戦闘が繰り広げられたのだろう

 何もできない俺が少し嫌だった


 村の人達は、古代の魔装機を

 盗もうとした2人に物凄く怒っていた

 2人の泥棒も反省していたのか

 すんなりと村の人に謝罪していた



ウェルチ

『それで、貴方達は何処の誰なんですか?

 この魔装機は盗んだ魔装機ですか?』


野盗の魔女A

『違うよ!!

 コレは盗んだんじゃなく買ったんだ!!』


野盗の魔女B

『私達はレインオラクルの辺鄙な村で育って

 魔物を狩それを食べ生きていたんだ』


野盗の魔女A

『何処かの誰かが魔物をこの世から消し去り

 私達は食うものが無くなっちまったんだよ』


野盗の魔女B

『だから魔装機を買い

 それで悪さをしようと...ごめんなさい』



 なるほど、そう言う事だったんだな

 魔物がいなくなって

 世界は平和になったと思ったけど

 それを食べ生きていた人達からすれば

 いい迷惑になっていたんだな



ネル

『魔装機を買ったって?

 レインオラクル国の人達から?

 魔装機を売るなんてそんな事してくれるのかな?』


野盗の魔女B

『私達は闇の商人と名乗る人から買ったんだ』


野盗の魔女A

『そうさ!!安くするから買って欲しいと言われて

 だから魔装機を2機....』


ウェルチ

『闇の商人?聞いた事ありませんね

 本当なんですかそれ?』


野盗の魔女A

『嘘じゃ無い!!本当に本当なんだよ!!』


野盗の魔女B

『フードを被っていて顔は分からなかったけど

 だいぶ歳終えた叔父さんだったよ』



 年寄りの叔父さん

 その人が闇の商人と呼ばれる人なのか


 安く魔装機を売って

 そいつに何のメリットがあるんだ?

 ますます分からなくなった俺達は

 取り敢えず、

 ローズストーン国の機士が来るのを待った

 ウェルチが通信機を使い

 ローズストーン国に連絡を入れたので

 しばらくすると来てくれるらしい



ココ

『応援が来るまで待たないといけないね、

 じゃあ私は少し寝てるから

 あとはよろしくねウェルチ』



 そう言い残し

 ココは宿に戻って行った


 泥棒の女達を村人達はしっかりと見張っていた

 泥棒達は逃げる様子も見せず 大人していた

 ココにやられて

 スッカリ牙を抜かれたのだろうか?


 ウェルチは壊れたソーダストを

 1人で修理をしていた


 俺は出来ることは無いが

 ウェルチの側により話をかけた



ネル

『直りそうなんですか?』


ウェルチ

『脚部の回路が破壊されてます、

 私でも直すことができませんが

 ある程度の事ならできます』


ネル

『無理しないでね?ウェルチさんも

 昨日は頑張ったんだから少し休んだ方が』


ウェルチ

『ありがとうございます、ですけど私は』



 頑張るウェルチを見て

 俺は村人達から村を救ったお礼と言われ渡された

 古代の魔装機マンを見た


 手が塞がってるウェルチの口に

 古代の魔装機マンを俺は手で口に運び食べさせた



ウェルチ

『優しいんですねネルさんは』


ネル

『俺役立たずだから』



 2人で笑っていると

 寝ていると思ったココが

 俺とウェルチを見ていた


 ウェルチは「ココ隊長!?」っとビックリしていて

 俺はココにも古代の魔装機マンを手渡そうとした


 ココは受け取る事はせず

 俺の目を見てこう言った



ココ

『ん、私にもあ〜んさせるべき』



 あっそう言う事か

 俺はココにも古代の魔装機マンをあ〜んさせた


 いつも無表情なココだったが

 その時は何処となく嬉しそうにも見えた


 しばらくすると

 ローズストーン国の機士がやって来て

 泥棒達を連行して

 壊れたソーダストの代わりに

 新しいソーダストをウェルチに渡した



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-6 レインオラクル国の現状〉


 俺達は村を出て

 レインオラクル国に向かう事にした


 レインオラクル国には

 ロニーのトパーズ隊がいるらしい

 壊れた街を修復する作業を手伝っているのだとか


 道中何事も無く

 レインオラクル国に俺達は到着した



▶︎レインオラクル国


 街の中はトパーズ隊の機士達や

 少数だがレインオラクルの機士達が

 街の人達に食料を渡していた


 物資を届けに来た魔装機に気がついた

 トパーズ隊の副隊長リニア•フランベルは

 俺達がいる場所に近づいて来た



リニア

『ココ隊長、ウェルチ、それにネルさんも?

 物資を届けに来てくれたんですね』


ココ

『リニア久しぶり、ロニーは?』


リニア

『ロニー隊長はナイン団長と一緒に塔の中に居ます』



 ナイン団長?ナインは団長になったのか?

 リニアが言うには

 レインオラクル国の機士を

 まとめていたドルズが居なくなったので

 代わりにナインが団を率いる事になったのだとか


 あの女も立派にやっているんだな

 俺は感心した


 そう言えば

 この世界に来て初めて戦ったのはナインだったな

 昔の事を思い出し、俺はビットが生きていたら

 今の世界をどう思うのか考えていた



リニア

『食料を持って来てもらい感謝します

 レインオラクルは

 作物や果物が余り育たない地形になっていて

 食料問題で困っていたのです』


ウェルチ

『そうだったんですか、ん?アレは?』



 街の中に子供がぬいぐるみを抱え涙ぐんでいた

 機士が食料を渡そうとするが

 彼女は受け取らず下を向いていた



リニア

『あの子、この前の戦いで母親を亡くしたの

 親は機士だったらしく、

 オドマンによって強化魔女にされて...それで...』



 俺とウェルチは下を向いた

 レインオラクル国は

 ディナガード国やローズストーン国より

 深刻な状態になっていた


 ココはウェルチに言う



ココ

『私達も手伝う、行くよウェルチ』


ウェルチ

『はっハイ隊長!!』



 ココとウェルチは

 機士達の手伝いをしに行った

 俺も何かを手伝おうと思い少し歩くと


 街の奥から誰かが怒っている声が聞こえて来た



豪華そうな服を着た男

『だから言ってるだろ!!金なら出す

 だから私に多く食べ物を渡せ!!』


トパーズ隊の機士

『ごめんなさい数が決められているんです

 いっぱい食べて欲しいけど、

 皆んなの分もあるから』


豪華そうな服を着た男

『話の分からん奴だ!!貴様、金が要らんのか!!

 数が足りないのなら、誤魔化せば良いだろ!!』


トパーズ隊の機士

『でも〜』



 イライラしていた男は

 トパーズ隊の機士の胸ぐらを掴んだ

 ヤバイと思った俺は

 直ぐに助けようと動いたが


 俺より先に

 誰かがトパーズ隊の機士を助けていた



ロニー

『それ以上は流石に見過ごせないね?』


豪華そうな服を着た男

『貴様!!』


トパーズ隊の機士

『ロニー隊長〜』



 トパーズ隊の隊長ロニー•アバンタイトは

 仲間の機士を助け 男の顔を見ていた



豪華そうな服を着た男

『その事は悪かった、なら貴様に頼む

 金を払うので、食べ物を多く分けてくれ

 良いだろ?金を払うのだから』


ロニー

『悪いけどそれは出来ないね

 食べ物には数に限りがある、皆平等じゃ無いとね

 そのお金でローズストーン国に行き

 食料を買って来たらどうかな?

 それでこの国の皆にも分け与えれば

 貴方も褒められる人間になるんじゃ無いかな?』



 グヌヌとした男は「クソ!」っとボヤキ

 何処かに歩いて行った


 俺はロニーに挨拶をして

 大丈夫か?っと聞いた



ロニー

『ネル君、来ていたのか

 恥ずかしいところを見られたね』


ネル

『大丈夫でしたかロニーさん?』


ロニー

『私なら大丈夫さ、

 でもこの国の現状はああいう事さ』



 食料に苦しむレインオラクル国の人達

 ディナガードやローズストーンしか

 知らなかった俺だったが

 こんな状況のレインオラクルを見て

 俺は少し悲しい気持ちになった



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-7 噂〉


▶︎レインオラクル国


 街を見て気付いた

 街の至る所に鉄の様な棒がいくつも置かれていた

 アレはなんです?っと俺はロニーに聞いてみた



ロニー

『アレは避雷針と呼ばれる物らしい、

 レインオラクルは雨の多く降る地形になっていて

 雷がよく落ちるらしい

 それを使い雷のエネルギーを街中に運び

 電気を作っているらしい

 ディナガードやローズストーンでは

 魔石の力で電気を作っていたが

 まさかこんな作り方をしてるなんてね』


ネル

『へぇ〜、凄いですね』



 夜になると

 街の光がとても美しいのだとか

 それは是非見たい物だ


 ロニーと一緒に街を歩いていると

 宙に浮くスクーターのような乗り物や

 ゲームセンターに似た建物も存在した


 レインオラクル国はこんなに発展してたのか

 そう思い正直驚いた

 食料問題以外はこの国は豊かなのかも知れない

 そう言えば

 パウエルがレインオラクル国から

 ゲームを買っていたと言ってたな?

 そりゃ買える訳だと実感した


 俺はロニーに連れられ

 レインオラクル国の塔に案内された

 レインオラクル国の城は

 この間の戦闘で跡形もなく崩れ去ったらしい

 今は残ったこの塔に

 リューネ姫やお偉方が集まっているらしい


 SF見たいな自動ドアが開くと

 中から機嫌が悪そうな男が俺にぶつかってきた



機嫌の悪い男

『おい!!前を見て歩け!!このクソガキが』



 は!?なんだコイツ、態度悪すぎるだろ

 男はそれだけを言って 外に出て行った


 俺はムカついていると

 奥からアイツがやって来た



ナイン

『ネル、来てたのか』


ネル

『ナインさん、お久しぶりです』


ナイン

『さん付けはよせ、私とお前の仲だろ』



 どんな仲だよ!!、そう心でツッコム俺

 俺とロニーは

 ナインに案内され近くの部屋に入った


 椅子に腰を掛けた俺達は

 レインオラクル国について話を始めた



ロニー

『ローズストーン国から

 食料や木材 その他の物資が届いたよ

 コレで少しは皆楽が出来ると思う』


ナイン

『そうか、

 ローズストーン国の人達には世話をかけっぱなしだ

 私から礼を言わせてくれ』


ロニー

『それと、魔装機を使った犯罪の件なのだが』


ナイン

『またか、増える一方だな』



 魔装機を使った犯罪?

 俺はどう言う事かナインに聞いた


 ナインは言った

 レインオラクル地方は各地に

 色んな魔装機工場があるらしく

 村や町に住む

 機士に所属していないマナを持つ魔女が

 魔装機を奪い犯罪に手を出すのだとか


 更に、共和同盟を結んだ事を知った

 レインオラクル国の一部の機士が

 ローズストーン国を襲ったりと

 今までやって来た事で何か罰せられると恐れ

 レインオラクル国から逃亡した者も

 何人かいたと言う



ナイン

『ドルズ派だった幹部会の一部の博士も、

 逃亡したり自ら命を絶つ者もいた』


ロニー

『魔装機を作ってる工場に居た者達は

 全て撤収させ、今は全て工場が廃墟とかしてるよ

 もちろん、魔装機をこれ以上奪われないように

 全ての使われてない魔装機を

 レインオラクル国まで運び分解した』



 そんな事が、この国は今本当に大変なんだな


 俺は泥棒の魔女達を思い出し

 そうだとナインにあの事を聞いてみた



ネル

『ナインは闇の商人と呼ばれる人物を知ってるか?

 昨日ローズストーン領の村に

 レインオラクル製の魔装機に乗った奴らが

 闇の商人から魔装機を安く買ったと言ってたんだ』


ナイン

『闇の商人?知らないな』


ロニー

『そんな奴もいるのか、

 色んな事件が立て続けに起きていて

 情報が混在していてね、大変なんだ』


ネル

『どう言う事ですか?』



 俺はロニーの言う事件について聞いてみた

 ロニーとナインが言うには


 プルネンに頼まれ

 極秘裏に魔装機を作ってた博士がいるらしく

 その魔装機が3機奪われたらしい

 何者かはまだ分かっていないらしい


 もう一つは

 近くの町に、巨大な龍のような化け物が

 町を破壊し回ったらしい

 町に居た人達は

 レインオラクル国まで避難させたらしいが

 その化け物は町の人以外目撃してないらしい



ロニー

『噂によれば、魔業教団が魔界から

 魔物を呼び出したんじゃ無いかと言われてるよ』



 魔業教団、

 魔王復活を企む悪趣味な奴らの事だったよな

 魔業教団は

 しばらく姿を見せなかったと言われてたが

 どうして今になってその名が?

 本当に奴らは実在するのか?



ナイン

『息を潜めていた魔族が

 人々を懲らしめてると言う噂も広がってる

 もう、どれが真実か分からない状態だ』



 龍の化け物に魔業教団 それに魔族だ?

 本当に何がなんだかわからないな


 それに俺が聞いた情報では

 闇の商人と呼ばれる魔装機売りに

 機士を倒せるレベルの山賊


 この世界に一体何が起きようとしてるんだ?



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-8 メスガキ〉


▶︎レインオラクル国 塔


 俺達が情報を交換している最中に

 扉が開きレインオラクル国の機士が入ってきた



レインオラクル国の機士

『ナイン団長、今日の食料配達終わりました

 次は何をしましょう?』



 ヘラヘラとした 身だしなみが汚い機士が

 ナインにそう言った


 レインオラクル国の機士団長ナインは

 その者の服装を注意した



ナイン

『シャキャ、服はキッチリ着ろと言ってるだろ!!

 市民の人達に示しがつかない』


シャキャ

『ファッションすよファッション!!

 少し乱した方が、カッコイイじゃないっすか』


ナイン

『ファッションでもパッションでも関係ない』


シャキャ

『団長はキチンと着こなしてないと

 可愛い部下の私の事嫌いになっちゃいます?』


ナイン

『愚問だ』


シャキャ

『団長の意地悪〜』



 両手の人差し指でナインをツンツンとするシャキャ

 変な機士だなと思いながら俺はそいつを見ていた


 俺に気付いたシャキャは目を細め睨んだ



シャキャ

『何見てんだよガキ』


ネル

『いや、ナインの事が好きなんだなって』


シャキャ

『は?当たり前でしょ

 私を見捨てなかった団長なんだから、

 それにナイン団長な!!呼び捨てにすんなガキ』


ネル

『ガキじゃなくて、俺はネルって名前だ!』


シャキャ

『ガキはガキだろ、年上に命令すんな!!』



 なんだこのメスガキ見たいな奴は!!

 分からせてやらないとな

 っと俺は思ってたが、こんな子供見たいな奴に

 なにムキになってんだ、っと少し冷静になった


 シャキャはナインにベタベタとしていたら

 ロニーを見て言った

「トパーズ隊の隊長さんだかなんだか知らないけど

 ナイン団長に恥かかせたら容赦しねぇからな」


 ロニーはアハハと引きつった顔で笑っていた

 コイツはナイン以外興味ないのだろう



ナイン

『ネルは英雄と呼ばれる世界を救った者なんだぞ、

 シャキャ、ネルとは仲良くしろ』


シャキャ

『英雄とか勇者とかどうでもいいし、

 そんな人が私達を助けてくれるんですか?』


ナイン

『コイツは....仕方ない、

 今日はネルにこの国を案内してやれ

 それが今日のお前の仕事だ』


シャキャ

『えぇ〜』



 えぇ〜、はコッチの台詞だよ!!

 なんで俺がこんな奴と


 そう思っていたが

 ナインの命令は彼女には絶対だったらしく

 俺はこの女に

 レインオラクル国を案内される事になった



▶︎レインオラクル国 街の中


 無言で嫌そうなシャキャの後ろを

 俺はテクテクとついて行った


 コレじゃあ案内じゃなく犬の散歩だ

 俺は勝手に周りを見渡すと



シャキャ

『あんまりウロウロすんな、

 迷子になったら私が怒られるんだからな』


ネル

『迷子になんてならないよ、子供じゃないし』


シャキャ

『チ◯コが小さそうな奴は皆んなガキなんだよ

 分かったら私の言う事聞いとけ』



 女がチ◯コとか軽々しく言うなよ


 ゲームセンターの近くに着くと

 バイクのようなレースゲームが目に映った

 それを見ていた事に気づいたシャキャは

 ニヤッとした顔で俺に言った



シャキャ

『あのゲームで勝負したいの?

 言っとくけど、アレ私得意だから』


ネル

『別にやりたい訳じゃ』


シャキャ

『逃げんの?男の癖に見っともない

 本当は女の子なんじゃないの?』



 言わせておけば


 俺は上等だとやる気を出し

 シャキャとレースゲームで勝負する事にした


「おら!!くらえ!!」

「ぶつかってくるなんて卑怯だろ!!」

「ルールなんてねーよこのゲームに

 あ、ちょ!!ショートカットなんてずるいだろが」

「ルールなんて無いんだろ?」


 俺はシャキャとワイワイゲームを楽しんだ

 なんだか懐かしい気分だ、

 昔友達と本気でゲームをしていた時を思い出す


 俺達は汗だくになるまでゲームをやっていた

 勝負は俺の圧勝だった



シャキャ

『ハァーッハァーッ、やるじゃん ガキ』


ネル

『ハァーッハァーッ、ガキじゃない ネルだ』



 勝負が終わると

 俺はシャキャと少し仲良くなっていた


 俺のわからせは完了したのかも知れない



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-9 ゲーム〉


 俺はシャキャと仲良くなり

 シャキャは俺に飲み物を買ってくれた



シャキャ

『シュワシュワな奴だけど飲む?』



 俺は飲み物を貰うと

 ゲームで疲れていたのか それを一気に飲み干した


 いい飲みぷりだと思ったシャキャは

 自分も飲もうとやってみると

 喉に引っ掛かりむせていた


 それを見て、俺は笑った



シャキャ

『笑うな!!』


ネル

『ごめんごめん、まさかあんな風に吐き出すなんて』



 シャキャは少し顔を赤らめ

 何かを考え俺に質問してきた



シャキャ

『ネルは、ナイン団長と戦った事があるんだろ?

 ナイン団長ってやっぱ強い?』



 どうした急に

 なんでそんな質問をするんだよ

 まぁ答えてやるか


┏━━━━━━━━━━━━┓

┃  強かった ┃

┃  普通だった ┃

┃▶︎ 弱すぎ ┃

┗━━━━━━━━━━━━┛


 俺の頭の中に

 ゲームのようなコマンドが現れた気分になった

 俺はシャキャを怒らせないようにと

 ▶︎強かったを選んだ



ネル

『強かったよ、機士としての素質は凄まじいと思う』


シャキャ

『何番目ぐらい?』



 え?何番目?

 そんなのわかんねぇと思いながら

 もう一度頭の中で考えた


┏━━━━━━━━━━━━┓

┃  そりゃ最強よ‼︎ ┃

┃  5本の指に入るぐらい ┃

┃  わからんけど強い ┃

┃▶︎ ナインだから9番目‼︎ ┃

┗━━━━━━━━━━━━┛


 なんだこの選択肢は?

 俺の頭の中はふざけてんのか?


 俺は必死にシャキャが喜びそうな選択肢を考えた



ネル

『5本の指に入るぐらいには...』


シャキャ

『流石ナイン団長だ!!やっぱ強いんだ!!

 世界を救ったネルが言うんだから間違いない!!』



 シャキャは少し考え

 俺の目を見て真剣に聞いてきた



シャキャ

『ネルって好きな奴いんの?

 ナイン団長の事狙ってたりする?』



 は!?なんでいきなりそんな事!!

 俺はどう答えるか悩んでいると

 またゲーム見たいな選択肢が現れた


┏━━━━━━━━━━━━━━━┓

┃  そりゃ好きよ ┃

┃  許嫁がいるんだ ┃

┃  ハーレムを作るのが俺の夢だ ┃

┃▶︎ お前が好きだ‼︎ ┃

┗━━━━━━━━━━━━━━━┛


 なんだこの選択肢は!?

 まるで恋愛ゲームみたいになってるじゃねぇか!!


 俺は頭の中のゲーム脳を消し

 シャキャにどうしてそんな事を聞くのか聞いた



ネル

『ってなんでそんな質問すんだよ!!』


シャキャ

『ちょっと揶揄って見ただけだろ

 顔赤らめて馬鹿みたいだなお前』



 爆笑するシャキャ

 俺は腹が立ち顔を真っ赤にさせていた


 俺達が馬鹿な事をしていると

 トパーズ隊の機士がやってきて

 シャキャに話をかけた



トパーズ隊の機士

『シャキャさん、ここに居たんですね

 お仕事終わったんですか?』



 あれ?この人は確か

 さっき食料を売ってくれとたかられてた機士の人



シャキャ

『ピニャラかよ、なんなんだよ』


ピニャラ

『英雄さんと仲良しさんなんですね

 私もシャキャさんと仲良くなりたいですぅ』



 シャキャは

 は?っとした気だるそうな顔でピニャラを見ていた

 シャキャは持っていた

 シュワシュワの飲み物をピニャラに渡した



シャキャ

『それ飲んだら仲良くしてやるよ』


ピニャラ

『え?本当ですかぁ〜、嬉しいですぅ〜』



 ピニャラは嬉しそうに飲み物の蓋を開けると

 シュワシュワは一気に吹き出し

 ピニャラの顔に目掛け全部吹き出た


 ビショビショに濡れたピニャラは

 エヘヘとした顔をしていた


 シャキャはシュワシュワを振って

 ピニャラに手渡したらしい

 オイオイ、流石に悪さが過ぎるだろ



シャキャ

『ハハハ!!、見ろよネル、コイツの無様な姿を?』


ネル

『流石に酷いだろ!ピニャラさんに謝れよ』



 シャキャはネルの顔を見て

 酷い?どうして?っとした顔で俺を見ていた


 ピニャラの側に近寄り

 シャキャはピニャラの腹を蹴り

 ピニャラを地面に倒れさせた



ネル

『オイ!!何してんだよお前!!』



 流石に度が過ぎる

 俺はシャキャを掴み止めに入る



ピニャラ

『いいんです英雄さん、私が悪いんですから』


シャキャ

『そうだ!!コイツが悪いんだよ!!

 私の姉がコイツらに殺されたんだからよ!!』


ネル

『殺された!?どう言う事なんだよ!!』


シャキャ

『キラ隊長の部隊に所属していた姉は

 ローズストーン国に攻め込む作戦に参加していた

 そん時、突撃部隊の1番槍で突撃した姉は

 ローズストーン国の機士にやられ死んだ

 私の最後の家族だった姉が!!』


ネル

『それだって、そもそも攻め込んだ

 レインオラクル国の人達が悪い訳で

 本当に悪いのはドルズの奴だろ!!

 ピニャラや他の人達は被害者なんだ!!』



 シャキャは倒れたピニャラの髪を掴んでいたが

 俺の言葉を聞き髪を離し俺の顔を見た



シャキャ

『ネルは私達が悪いって思うの?

 家族を殺されても文句を言ったらダメだっての?』


ネル

『俺はそんな事言いたい訳じゃ、

 皆んなが笑顔で暮らせる世界にしたいだけで』


ピニャラ

『いいんです英雄さん、

 私が我慢をすればこの人は救われる

 それだけなんですから』



 俺は堪えた

 いや、堪えられて無かった


 シャキャはピニャラの顔を踏み

「コイツが満足ならそれでいいだろ?」っと言った

 こんなの間違ってる

 俺はピニャラを止めようとすると


 別の誰かがいじめられているピニャラを助けた



ウェルチ

『何してるんですか!!

 大丈夫ですかピニャラ!?』


ピニャラ

『ウェルっちだぁ〜、来てたんだぁ〜』



 ウェルチはシャキャを押し退け

 倒れていたピニャラを立ち上がらせた



シャキャ

『んだ?ローズストーンの奴が私の邪魔すんなよ

 お前もコイツみたいにしてやろうか?』


ウェルチ

『いくらレインオラクル国の機士の方だからと言って

 この様な行為、見過ごせません』


シャキャ

『上等だ、お前 私とゲームで勝負しろよ

 私が勝ったらお前達2人は私に服従しろ』



 ゲーム?なんだ、大きな争い事にならなそうだ

 俺は少し安心した

 機士同士の殺し合いになるのではと思ったが

 そうはならなそうだ



シャキャ

『魔装機同士で戦えなくなるまでやりあう

 そんなゲームをよ?』



 前言撤回、マジでヤバイ事になりそうだぞ

 ウェルチはシャキャに言った

「私が勝ったらもう2度とピニャラに近づかないで」


 シャキャとウェルチの

 魔装機による戦いが始まる



◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉



〈44-10 国の違う機士〉


▶︎レインオラクル国 訓練所


 2機の魔装機が 大きな地下施設にある

 訓練所で向かい合わせに並んでいた


 決闘の事を知り

 隊長のロニーとナインもその場で見合わせていた

 俺はロニーとナインに止めるように言う



ネル

『止めてくださいよ!!

 こんなの間違ってるでしょ!!』


ロニー

『2人が決めた事なら私から言う事はないよ』


ナイン

『個人のイザコザは個人同士で解決するしかない』



 ダメだこの人達

 俺は2人の心配をする事しかできず見守っていた

 俺と一緒に見守っていたピニャラは

「ウェルっちもシャキャさんも頑張れ〜」っと

 呑気に応援していた

 のんびりした性格のこの人を見て

 俺は少し呆れてしまう


 ウェルチはソーダストに乗っていたが

 シャキャが乗っていたのは見た事ない魔装機だった

 俺はその魔装機がなんなのか ナインに尋ねた



ナイン

『アレはレインオラクル製の新型機

 ヘレネビルパリス、

 剣を主体に使うスピード特化の魔装機だ』



 ヘレネビルパリスとソーダストは

 ライトセイバーに似た剣を渡され

 それを手に持った



シャキャ

『コレは訓練用のビーム兵器

 セーフティーが掛かっているから

 生体反応がある場所に攻撃しようとしても

 攻撃出来ない剣になっている

 無機物なら攻撃し放題だけどな』



 ロニーは決闘のルールを説明した

 お互い武器は剣のみ

 頭部を破壊されたら負け

 相手を殺すような行為は違反する


 シャキャとウェルチは

 ルールを承諾し剣を構える



ロニー

『それでは始めるよ、 試合開始!!』



 ロニーが試合開始の宣言をすると

 ソーダストは剣をレイピアのように構え

 ヘレネビルパリスに突き刺すような攻撃をした


 ヘレネビルパリスの動きは早く

 見事な身のこなしで攻撃を交わしていた


 ピニャラは凄い凄いと喜んでいたが


 ロニーとナインと俺は

 無言で2機の戦いを見ていた


 この2人は無駄な動きが多く

 実戦と言うより、訓練で覚えた動きの様に感じた

 俺がそう感じていると言う事は

 ロニーもナインもそう思ってるんだろうな


 俺はロニーとナインの顔を少し見た



シャキャ

『オラオラ!!弱っちいぞローズストーン!!』


ウェルチ

『私はローズストーンと言う名前じゃない!!

 ウェルチ•アシャールだ!!』


シャキャ

『貴族育ちだから名字自慢か!?

 キメェんだよクソ野郎が!!』



 ヘレネビルパリスは

 剣を相手のコックピット目掛け突き刺そうとした


 ウェルチは避けられないと感じ目を閉じてしまう

 訓練用のビーム兵器の剣は生体反応に反応して

 剣先のビームが消えた!!

 ヘレネビルパリスは鞘の部分でソーダストを殴り

 ソーダストを地面に倒れさせた


 ウェルチがしまったと思った時にはもう遅く

 ヘレネビルパリスは

 ソーダストの頭部を破壊していた


 ウェルチは殺されると感じた恐怖の汗と

 勝負に負けた悔しさの涙

 体中から流れる水を流していた



シャキャ

『よっしゃ!!私の勝ちだ!!』



 勝負は付いた

 ウェルチが負け、シャキャが勝った


 ウェルチは恥ずかしさや悔しさのあまり

 ソーダストから降りる事ができず

 シャキャはヘレネビルパリスから降り

 ウェルチを挑発した



ウェルチ

『オラ!!降りて来い!!

 私に服従して土下座しやがれ!!』



 俺はどうする事もできず

 ただ無言で見ていると

 レインオラクル国の機士団長ナインが

 ウェルチの側に近寄った



ウェルチ

『団長!!見ましたか、私の活躍を?』



 パシ!!っとウェルチの頬をナインの手が当たる


 ナインはウェルチにビンタをし

 ウェルチの頬は赤く腫れた



ナイン

『決闘相手に誠意を忘れるな!!

 相手の気持ちを理解出来ない奴が、

 機士を名乗ってはいけない!!』



 ウェルチは下を向き

「すいません」と小声で謝った


 最初から止めてくれよと思った俺は

 2機の魔装機を見ていた


 地面に倒れる魔装機と剣でトドメを刺した魔装機を


                   next▶︎45

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