未知の解析②
もう一つある、ちから?
───目を閉じて、深く深く、息を吐いた。
自分の中に、さっきとは違う何かがある、ということは、わかる。けれど、何も湧き上がってこない。ただ、その何かが訴えている。足りない、まだ、条件が足りないと。
さっぱりどうしたら良いかのかわからない。目を見開いて手をぎゅっと握る。その顔と手には、汗が滲んでいた。
「焦らないで……ゆっくりでいいから。それは、何かしら?何を求めているのかしら?きっと形があるはず。イメージしてみて」
白衣の保健医が、そっと優しく俊輔の手を握り耳元で囁く。俊輔は目を閉じた。不思議と、体の力が抜けたような気がした。
(形を、イメージする…………ああ、そうか。さっきの『雷』はきっと、俺の放出したいという思いが形として現れた力。じゃあ、この力は)
目を開けて、保健医の手を恭しく離した。
彼はおもむろにシーツを掴む。シーツの上には、さきほど『雷』を出した時に巻き添えを受けて焦げ煤けた布団がある。その布団の煤と焦げがある部分に、さっと右手をかざす。すると、それらはみるみるうちに粒の細かい砂へと変わっていった。そして、かざした右手を表に返し、丸めるように握る。
布団の上には、小さく一つに丸められた砂があった。
「───視認確認、これは『砂』の能力ね。…なんだけど、物質を砂に変えることができる能力かしら?それとも焦げと煤から砂を錬成した…から、操作系?能力を使った時、どんな感覚だった?!」
「え、え?!えっと、頭の中で、この能力を使うにはとにかく、砂を作らないといけない、砂を操る条件が足りない…って思いました」
「ふむふむ、続けて!」
「それで、さっき『雷』を使った?時にできた焦げと煤から、砂?を作って?ました…変なことを言いますが、自分の意思じゃない気がします…そうすることが自然のような…よくわかりません…」
「大丈夫よ、教えてくれてありがとう。一旦休憩にしましょうか」
保健医は納得したような表情を浮かべると、その場を離れた。が、ものの数分も経たないうちに戻ってきた。その手には可愛いらしい花柄模様のカップが二つ。もしかして、また何か入ってるのでは…と反射的に疑った俊輔を見て保健医は笑いながら、
「安心して、これはただの水」
と言った。それを聞いて安心して受け取った。
「あの、ありがとうございます」
「どうぞどうぞ。ごめんなさいね、疲れたでしょう」
「そうですね」
「未知の世界だし、本当に意味がわからないわよね。わかる、ワタシも初めはそうだった」
「……」
「さて、これを飲んだら説明しなくちゃいけないことがまだあるの……ってなわけでハイ!休憩終わり!!」
「早っっ!!」




