未知との交流
「あそこに、おっきな建物が見えるでしょ?あれはショッピングモールで、生活に必要なものとか装備品とか色々買えるよ!ここでの数少ない娯楽施設ってやつだね。んで、ここを真っ直ぐ行くと、ボクらの通う学園!戦闘用訓練所とか寮とかもあって、めっちゃ広く作られてるんだー!はじめのうちは迷子にならないように気をつけて。それでそれで、」
「あ、あー……あの、湖礼、くん?」
「ん?なに?」
「説明してくれるのは有り難いんだけど、その、俺まだ覚醒したて?らしくて、何が何だか、よくわからないんだけど…」
数時間前にいきなり護送された俊輔は当然何も知らなかった。自分がこれから何処で何をされるのかも。色々説明してくれている少年の言葉も、うまく飲み込めない。装備品だの戦闘訓練所だの、今まで耳にしたことがない言葉が飛び交う。
「そっか!ごめん、ごめん!じゃあ学園に向かいつつ、一つずつ確認していこ」
「ありがとう、そうしてもらえると助かる。えっとまずは……俺はその学園に通うってことであってる?」
「うん、合ってる。覚醒した子どもはみんなあの学園の生徒になって勉学に励みつつ、能力を磨くんだよ」
「……能力を磨く?何で?」
「機械兵と互角に戦うために!」
「機械兵って…何?」
「君たちが暮らしているエリアを監視し、支配しているのが機械兵だよ」
「そんなの見たことない……。その機械兵と、何で戦うんだ?」
「そんなの決まってるよ!地球を取り戻すためでしょ、機械の支配から」
屈託のない笑みを浮かべて、湖礼少年は言う。
俊輔は目を閉じた。出来るだけ冷静に、今聞いたことを頭の中で整理した。まったく未知で、知らないことばかりだ。そんなこと誰も何も言っていなかった。見たこともないし。少年の言葉が真実なのかは不明だが、縋れるものがない今、俊輔は信じるしかなかった。
(───つまり、俺のように覚醒した子どもは速やかに「第三の地球」に送られ、そこで能力を磨く訓練をし、いずれ地球にて機械と戦闘をする、ということか?)
「大まかにはそんな感じだよ、理解はやーい!ちなみに何の能力が発現したの?」
「あ、アビ…?またわかんない単語が…」
「覚醒したんでしょ?」
「…えーと、授業中に、いきなり体が放電した。それだけ」
「なるほどねえ……それなら、多分「雷」系かな。まあこの後の精密検査で正しくわかるから安心して☆もし「雷」だったら、レアな能力だよ、すごい!」
「…………」
「どったの、シュンスケ」
「俺は……人間、なんだよな…?」
俊輔の今にも消えそうな問いに、前を歩いていた湖礼少年の足が止まる。彼はくるりと振り返り真剣な眼差しで、でもどこか嬉しそうに、残酷なことを言った。
「そうだ、今日から君は人間じゃない。改めて、第三の地球へようこそ、新たな同胞よ。地球を取り戻すために共に奮闘しようじゃないか」




