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第7話 納税

さて、一時的に下級市民になれたわけだけどどうしよう。今年の12月までに10万円の納税が出来ないと、自動的に中級農奴に逆戻りするけど、それまではかなり自由な身。と言ってもお金はほとんど持ってないから、その日暮らしも苦労するような状況だけど。


『んん……?下級市民の下は上級農奴じゃないのか?』

(上級農奴は農奴ではあるけど村の特権階級みたいな感じだから、下級市民より裕福な人も多いよ?)

『ほへー。じゃあ貴族が貴族じゃなくなったら上級市民じゃなくて中級市民になるのか?』

(上級貴族や下級貴族って言葉はないけど、公爵が上級貴族、伯爵が中級貴族、男爵が下級貴族なのかな。男爵が爵位を剥奪されたら……上級市民か中級市民のどっちになるかは分からないや)

『はー。階級が細分化してるなあ。縦社会の方が都合が良い時は良いんだろうけど……』


今はとりあえず、ネーヴェちゃんが泊まっている宿屋まで移動しているけど、ネーヴェちゃんも持ち出せたお金は少ないようなので私の面倒までは見れないって言って来た。うう、世知辛い。


『フレイの財布の中には幾ら入っているんだよ』

(683円!)

『……さっき見たボロの宿屋の一泊の値段が素泊まりで1000円だったな。無理じゃねえか』

「さっきから、何処を見て話してるの?」

「え、あ、ごめんごめん、ちょっと死にかけたら、幽霊さんが見えるようになったの」

「……ふーん。半分嘘って感じ」


パルマーさんと頭の中で会話しつつ、ネーヴェちゃんの話に相槌を打っていたら何処を見てるのと怒られた。咄嗟に誤魔化してみたけど、すぐにバレたし、私ってそんなに嘘が下手なのかな。


「あ、屋台で木の実ジュース売ってる!

……んー、おいしー」

「はや!?

……あれ、フレイさんお金無いって言ってなかった?」

「うん。これで633円になった」

『ジュース買ってんじゃねーよハゲ』

(禿げてないよ!?)


この3日間、僅かな水と硬いパンと薬草しか食べてなかったから、甘くて美味しい液体が身に染みていく。あと633円しかないけど、この内500円を使って冒険者ギルドで冒険者登録をしないといけないから実質的にはあと133円だね。


ネーヴェちゃんのいる宿屋に着くと、一泊3000円の文字が。1か月滞在で5万円とのことだけど、話を聞いているとそれをポンと払えた辺り、ネーヴェちゃん実は結構お金あるのでは?


『年下に金をせびるな。冒険者になって金を稼ぐんだろ?』

(うん。でも一時的にでもお金を貸してくれたら路上で寝る必要もなくなるのに……)

『返せる当てのない人間に金を貸すお人好しはそんなにいないぞ』


ネーヴェちゃんも冒険者登録をするようなので、今度は2人一緒に冒険者ギルドへ。この街、ディスモアには何回か来た事があるけど、冒険者ギルドに行ったことは無かったかな。


『懐かしいなー、冒険者ギルド』

(パルマーさんの時代も冒険者ギルドってあったの?)

『いや、冒険者ギルドは俺が作ったから。国営の大手総合派遣会社冒険者ギルドって都合良かったんだよ。存在が』

(ほへー。パルマーさんが作ったんだ。……作ったの!?)


この後で冒険者ギルドに冒険者として登録する予定だとパルマーさんに伝えると、冒険者ギルドを作ったのはパルマーさんという衝撃の事実を伝えられる。そういえば誰がどの時代に冒険者ギルドを作ったのかは不明だったけど、パルマーさんだったんだ。


『信じるのかよ。純真過ぎるだろ。まあ、国民から依頼を受けて金銭を受け取り、それを冒険者に流して、中抜きをする。

冒険者から魔物や動物を安くで買い叩き、国民には安定供給を理由に高値で提供し、中抜きをする。実に効率の良い機関だったよ』

(う、そう言われると急に冒険者になりたくなくなってきたよ)

『いや、誰でも派遣社員になれると考えたら結構便利な存在だぞ?しかし登録料徴収とかせこいこと始めたなあ』

(はけんしゃいん……?

というか流石にパルマーさんの時代と変わってなかったらそれはそれでおかしいんじゃ……?)

「……また上の空になってる。やっぱりいなくなっていた3日間で、絶対に何かおかしくなったよ」

「あははー、おかしくなったのは否定しようがないなー。

そういえばネーヴェちゃんは災厄の魔王の名前って知ってる?」

「知らない。勇者の名前がピエールってことは知ってるけど、魔王の名前なんて………………。

………………災厄の魔王の幽霊にでも会ったの?」

「ぴぃ」


パルマーさんと話しながら、ネーヴェちゃんと話していたら、核心部を突っ込まれたのでたじろいでしまう。それだけでネーヴェちゃんはある程度察してしまったようなので、やっぱりネーヴェちゃん相手に隠しごとは難しいな。


『13歳児のアホを見ているとネーヴェは賢そうに見えるわ』

(なにおう。5年前までは私がネーヴェちゃんの面倒を見ていたんだからね)

『今は?』

(私がネーヴェちゃんに面倒見られてます……って、着いた。ここが冒険者ギルドかー)


冒険者ギルドに着いたけど、国の建物だからかとても大きい。扉も凄く大きい。私のような子供でも、とりあえず登録料さえ払えば冒険者にはなれる。あとは年会費とか必要になってくるけど、ちゃんと依頼をこなせばお金は入るはずだし、これからはここで頑張っていこう。

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