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第4話 疑惑

「あ、朝だ……」

『結局ほとんど寝てなかったな。というか眠れないなら城壁の近くまで行っとけよ』


翌朝になって、街の城門まで歩いて行くと警備隊の人を見つける。すぐにルイジ村とテレンス村が盗賊団に占拠されたことを伝えると、警備隊の宿舎まで案内された。とにかくこれで、一安心だ。


『もし今まで何をしていたのか聞かれたら、盗賊団に捕まって輪姦されて売り払われそうになってたと言え』

(嫌だよ!?というか私処女だよ!?そんな嘘ダメに決まってるじゃん)


しばらくすると、ちょっとカッコいい男の人が来て私の目の前に座る。うわ、高そうな鎧を着ているしたぶん偉い人だ。


「初めまして。この街の警備隊の隊長を務めているピアネリだ。君はルイジ村のフレイで間違いないね?」

「はい!ルイジ村のフレイです!」

「ふむ。報告では3日前の休日に1人、脱走した農奴の生死が不明だったな。それが君か」

「あ、はい。たぶんそうだと思います……」


脱走扱いになっているけど、これは仕事の日までに戻れなかった私が悪いし認めるしかない。私がピアネリさんの言葉に肯定すると、途端にピアネリさんの表情が険しくなる。


「では聞くが、今まで何をしていたんだ?」

『輪姦されてたと言え』

(嫌だよ‼)

「ええっと、休日に山に登って寝ていたら、いつの間にか翌朝になっていて……降りたら盗賊がいたから、テレンス村に報告しに行こうとしたらテレンス村も燃えていたからディスモアまで来ました」

「ふむ……歯切れが悪いな?盗賊が居たならまずは自分の村に伝達するべきではないか?」

「いえ、あの、降りたらもう盗賊団が村を占拠していて……」

「3日前の休日に山へと昇り、その翌日の朝に降りてきたら盗賊が居たから逆方向のテレンス村へ、か。

ルイジ村が襲われたのは2日前の夜だぞ。これは複数人のルイジ村の村人が証言している事実だ」


徐々に私は、この部屋の雰囲気が悪くなっていっているのを感じた。私の後ろで、静かに武器を構える警備隊の人もいる。


「ルイジ村には、盗賊の類が来たら音が鳴る罠もあったが、全て作動しなかったようだ。このことから、手引きした者がいるのではないかと疑われていたが……どうやら君のようだな?」

「待って!違います!山で寝て、起きたら2日経っていたんです!だから降りて盗賊が居たのは1日前の朝のことです!」

『余計に怪しいわ。アホ』

「こいつは一旦牢へ連れて行け。他の村民からももう一度話を聞こう」

「まっ!?!?」

『お前はもう喋るな。これ以上ボロを出すな。それにこの国の牢屋に入りたいから案内して貰え』

(私が牢に入りそうなの全部パルマーさんのせいなんだけど!?え、本当に私、牢に入れられるの?)


私が盗賊の手引きを疑われてからは、動きが早かった。抗議しようとしたら、パルマーさんに口元を抑えられて抗議をするなと言われる。すぐに後ろにいた警備隊の人にも押さえつけられ、短剣を取り上げられ、手枷を付けられて地下にある牢に連れられた。


『おー、割と綺麗だな。鉄格子は』

(う、臭いしジメジメしてる)

「ジッとしておけ。無実なら明日には解放されるだろう」

『お、紳士。犯されなくて良かったな』

(どれだけ野蛮な思想をしてるの!昔の人ってみんなそうなの!?)

『いやいつの時代でも男の3割はそういう存在だぞ』


あはは、本当に牢に入れられちゃった。わーい。藁のベッドがあるし、一応水が入った桶もあるね。汚いし、何日放置されていたか分からない水だけど。


……何でよ!


『何でも何も、疑われないと思っていた思考がお花畑過ぎるわ。素直に犯されたとか暴行されてたとか嘘を言えば特に疑われもしなかったのに』

(そんな嘘は言いたくないよ。……でももうちょっと、考えておくべきだったかも。

あ、それより牢に入りたかったって何で?)

『犯罪者とのコネが出来るから』

(そんなコネ要らないんだけど!?)


周囲を見渡すと、同じように牢に入れられた人が何人かいるけど、みんな横になって寝転がっている。……何人かは、死んでいるかのように眠っているけど、死んでないよね?


『右の奴は死んでるな。中々犯罪者に厳しい国のようだ』

(いやあああ!早く出してええ!)

『飯ぐらいは与えられるだろ。ほら来た』

「朝食だ。食え」


朝食として貰えたのは、小さな硬いパンが一個。それだけだけど、昨日食べた薬草よりかは美味しかったし、お腹も膨れた。……ここから出られるのは、何時になるのかな。


『お、新しい人が来たぞ』

(え、もう?)

『犯罪者が捕まえられる時間帯は、夜明けから朝方が一番多いぞ。特に早朝とか警備隊が巡回してそうだし』

(へえ。あ、連れられて来たのはお爺さんだ。どんな悪い事をしたんだろう)


朝食用のパンを食べ終わったら、警備隊の人が老人を右隣りの牢屋へ蹴り入れる。酷い。幾ら悪い人とはいえ、お年寄りに暴力なんて……。


『コネチャンス来たな。おい、さっさと隣の老人にどんな悪いことをしたのか聞け。牢屋トークだ』

(うう、従いたくないけど暇だし確かにお話をするのが一番だよね。よし、聞こう)

「あ、あの、私の名前はフレイって言います。お爺さんは、何でここに?」

「お嬢さん、あなたは処女だね?良ければ服を脱いで貰えないかな?」

「……失礼しました」


前言撤回。この人蹴られるぐらいならされても良い人だったよ。というかこんな人が隣の牢とか貞操の危機だよ!牢屋が個室で良かったけど、早くここから出して!


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― 新着の感想 ―
[一言] パルマー節に慣れてるとこの主人公ヘイト溜まりますね。
[良い点] パルマー氏は生存競争から抜けて落ち着いたようで何より。 稀に見るピュア農奴少女との対比も良いです。 [一言] ・口答えをする。 ・純粋に平和を願う。 ・嘘はつけない。 …今までいなかったタ…
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