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第27話 交渉

メイさんから渡された契約書を見てうんうん唸っていたら隣でオラージュちゃんとメイさんが情報の売り買いをしていた。なんか話を聞くに、オラージュちゃんは元々商人志望だったのかな?


「オラージュ様がフレイ様について知っている情報の対価は、幾らでしょうか?」

「最低でも50万。それ以下では売る気はないわ」

『どうせ金持っているんだろうし、もう一桁ぐらい上げとけや』

「ん、今パルマー本人から500万に上げろって言われたからやっぱり500万で」

「……そこに、いるのですか?パルマー本人が?」


……オラージュが500万円と言うと、ポンと500万円を払ってくれるメイさん。私とオラージュちゃん、2人に対して500万円ずつ放り投げたんだけど、幾ら持っているんだろう?なんかこの場にいるだけで身体が震えて来たよ!?2人合わせて1000万円になるのに、それをポンと出すとか金銭感覚がおかしいよ。


『貰っとけ貰っとけ。500万円なんて400人分の兵糧、1ヵ月分にもならねえしな』

(え、500万だよ!?

あ、そっか。1人1か月分で1万円以上は兵糧代がかかるから、400人いると500万円でも1ヵ月分にしかならないんだ……)

『ポンとその量の兵糧を渡してくれたレイナール王国軍は、財力はあるということだな』

(たしかに。

……5万人分の兵糧って、幾らかかるんだろう?)


でもこの金額のお金でも、義勇軍が1ヵ月活動すると無くなってしまいそう。……メイさんは、私にこれだけのお金を費やしても元が取れるって思ってるのかな?メイさんはこのお金で、何を買いたいんだろう?


『それが契約書に書いてあるから読めって言ってるんだが?

メイの対応はこっちがやるから、フレイはその間に契約書を読み込め』

(うー、だって色々書いてあって読むのに凄く時間が……)

『そこは気にするな。1つ1つ噛み砕いて理解しろ。フレイが馬鹿のままだと俺が苦労するんだよ』


パルマーさんに言われて、契約書をちゃんと読む。うん、義勇軍の規模に応じた兵糧を定期的に貰えるみたいだけど、場所は王都で固定されてるね。ということは、王都圏内から離れる時は兵糧が貰えないのかな?


「それで、オラージュ様がフレイ様を見出した理由はなんですの?」

「フレイにパルマーが憑いていたから、それだけよ。1000年以上前の、災厄の魔王。それだけでフレイに期待するのに十分な理由じゃないかしら?」

「……本当のことを言っているのかが怪しいですね。何か証拠は?」

「……あれ?パルマーって、物理的に干渉出来るわよね……?ちょっと物とか浮かせられない?」

『それが証拠で良いのかよ。別に姿現しても良いんだけど、それだと護衛の目が面倒だな。じゃあ、ちょっと触るか』

「ひっ!?いやぁ!?」


あ、遠征する時のことも書いてある。3ヵ月分までなら纏めて受け取れるし、武器や防具も半額に近い値段で買えるのは凄いや。黒衣賊に対して戦果を挙げる毎に、規模に応じてお金を貰えるみたいだし、至れり尽くせり?


『久しぶりに10代の太もも触ったわ。瑞々しいな』

「いきなり触るのは流石に可哀想よ……やろうと思えば、胸も触れるのね?」

『まあ胸も揉めるし揉めたな。思わねーけど』

「何で?」

『性欲は割と静まっているんだよなあ。というかナチュラルに会話するなら俺の声をメイに伝えるけど』

「あの、何を話しているのですか?」

『お前の無駄にある胸について』

「!?」

『姿は見せないけど、声だけは届けてやるわ。

自称住所不定無職のパルマーだ。フレイに憑りついている生霊という認識で良いぞ』


で、ここからが向こうの要求。活動拠点のすぐ近くに商会のための土地を用意すること。武器防具の取引はメリエス商会を利用すること。土地持ちの領主になった時、メリエス商会に対する関所の関料や場所代は0にすること。……ようするにこれ、私が土地持ちの領主にならないとデメリットは発生しないんじゃ……?


『数百人規模の義勇軍を率いているんだぞ。しかも数人はかなりの手練れ。活躍すればすぐに男爵になる話は来る。黒衣賊による被害が増えていけば、メリエス商会の宣伝が上手ければ、あっという間にディスモア義勇軍の人員は1000人を超えるだろうな』

(そこまで先のことを考えて、判断する……うん、受けよう。メイさん、悪い人では無さそうだし)

『この契約書をものの3分で書き上げた商人を信用するのはフレイぐらいだろうな。まあ貰えるものだけ貰って逃げても良いし、現状の財政難を考えると契約するしかない』


パルマーさんに、契約を受けることを伝えると良いんじゃないかという返答を貰った。うん、この条件で引き受けない方が損だし、今後の活動を考えるなら一択だったね。


(あれ?さっきまでパルマーさんは何か話してた?)

『メイの胸が年の割にはやたらとあるなって話をしてた』

(……大きいの、好きなの?)

『いや別に。大陸中の美女を集めていた時期があるし、お前らガキの身体はわりとどうでも良い』

(むー!久しぶりにパルマーさんが魔王だったことを思い出したよ!)


改まって、メイさんに契約することを伝えると、メイさんはちょっと改まった顔をして私とオラージュの間に視線を向けた。あ、やっぱりメイさんはパルマーさんが見えないんだ。パルマーさん、今私の後ろにいるから視線はそっちじゃないよ。


「……そこに、いるのですね?

災厄の魔王、パルマーに尋ねます。2人に1000万も払ったんですから、答えてもらいます。

古代において1000万人の命を一瞬で奪ったという殺戮兵器は、実在したのですか?それを、パルマーが使用したというのは本当ですか?そしてそれは今現在、生産可能ですか?」


そしてメイさんはパルマーさんに質問をするけど、古代の殺戮兵器って何だろう?昔の本は誇張表現が多いって村に居た時にネーヴェちゃんが言ってたような気がするけど、パルマーさんが使った云々ってことは、1000年以上前?そんな遥か昔のものを、今作れるかどうか聞くの?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! >自称住所不定無職のパルマー そしてセクハラ大魔王である!……あれ? [気になる点] >パルマー節 まあ、それに慣れ親しむ俺らの方が、平和ボケした日本の…
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