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第24話 ダンジョン

ネーヴェちゃんの足は、村の中では遅かったと思う。畑の仕事もあまりしていなかったから、体力も低い方じゃないかな?でも魔法が使えて、特に氷魔法は相手を足止めするのにとても有効だし、ネーヴェちゃんが逃げ切れること自体に違和感はない。


……でももし、ネーヴェちゃんが黒衣賊を倒しながら村を脱出していたなら、脱出出来た村の人の数が少なすぎる。足の速さで逃げ切れるとは思えないから、よく考えたら、おかしいんだ。


(そ、そうだ。ネーヴェちゃんは脅されて仕方なく黒衣賊に協力を)

『ルイジ村には盗賊用の罠が全て作動してなかった以上、手引きした者がいるのは疑われていただろうが。現実を見ろ』

(……じゃあ、操られてた?)

『性善説を信仰するのもそこまでにしておけ。そもそも村から脱出して、お金に余裕がないはずなのに街で一番高いレベルの宿屋に泊まっていたんだ。おかしいことぐらいすぐに気付け』


ちなみに、オラージュちゃんはネーヴェちゃんが黒衣賊関係者であることを相当前にパルマーさんから伝えられていたみたい。なんか私とオラージュちゃんで、扱いが違うような気がするんだけど!?


結局、オラージュちゃんとパルマーさんと今後の方針について話し合った結果、ダンジョンに向かうことになり南東方向へ行軍。王都の東側でも黒衣賊の噂は聞くみたいだし、クラウスから西の街道を進むことになった王国軍からは兵糧も分けて貰えた。やった!これだけあれば、400人規模でも一月は持つよ。


『やっぱりあの王国軍のトップは、公爵の息子だったか。それにしても、麦と干し肉だけとはいえ実質タダでもらえるとはな』

「あの人は、良い人なんじゃない?いっぱい食糧を分けて貰えたし、頑張ってくれって言ってたし」

『そんなわけねーだろ。そもそもこれだけの兵糧を分けてなお余る量を運んでいる時点で国側には余力がある状態だ。なのに黒衣賊が増え続けていることを考えると、金の流れが止まっている』

「冒険者をやっていると、あまり景気の良し悪しは感じにくいけど……フレイってあんた1日幾ら貰ってたのよ?確か最初会った時、残金3桁だったじゃない」

「えっと、1日1500円で、借家代とご飯代が合わせて1000円」

「……フレイの村、よく反乱を起こさなかったわね。」


中級農奴の扱いは村によっても変わるけど、私が居たルイジ村はそこまで酷くはなかったと思っていた。むしろ自分の土地じゃない畑を耕して、農作物の出来の良し悪しに関わらずある程度のお金が入るから悪いとは思ってなかった。……収穫量が極端に落ちると罰金を払わされるし、下級農奴に落ちる可能性も高くなるけど。


『下級農奴はどういう扱いだったんだそれ』

「下級農奴は一日働いて50円。その報酬も何らかの罰則とか規定で取り上げられるし、全員同じ建物内で管理されるから凄く辛そうだった」

「……流石に人の扱いじゃないわね。テレンス村の方もそんな感じだったの?」

「テレンス村はもうちょっと余裕がありそうだったけど、大差なかったよ」

『何でオラージュはそこら辺のことを知らないんだ』

「知ろうとも思わないわよ。市民は農奴とは住んでいる世界が違うわけだし」


義勇軍の先頭で歩きながら、オラージュちゃんやパルマーさんと話しながら歩いていると爆発音が聞こえる。何だろう?


『黒衣賊の襲撃か』

「アイル!何が見える?」

「んー……結構大規模な商隊が襲われているっすね。

黒衣賊が50人規模、商隊が30人規模ってところっす」


誰かが街道に出て来た魔物と戦っているのかなと思っていたら、オラージュさんの連れて来た5等級冒険者のアイルさんというバンダナを付けた赤髪の男の人が詳細を教えてくれるけど、黒衣賊の襲撃だった。嘘!?ここクラウスと王都を繋ぐ主要街道だよ!?


『チャンスだな。幸い、後続の義勇軍の面々は正面の戦闘に気付いていない。商隊の壊滅を待ってから』

「みんなー!黒衣賊が商隊を襲っているから助けるよー!突撃ー!」

「ちょ、待ちなさいよ!オラージュ班、左方の茂みの伏兵に警戒しながら攻撃!」


当然、商隊を助けるために義勇軍に伝えて準備が出来た人から攻撃を仕掛ける。黒衣賊と戦うために結成して、兵糧を受け取った。ここで戦わなかったら、何のために義勇軍を立ち上げたのか分からないよ!


「黒衣賊を討伐するための義勇軍の隊長のフレイです!加勢しに来ました!」


商隊の人に加勢することを伝えると、最初は警戒されたけど黒衣賊に次々と攻撃を仕掛けていくと次第に共闘できるようになって、黒衣賊は数で負けていると判断したからあっさりと逃げるけど、数人は捕らえることが出来た。やった、初戦果だ!


『あーあ、せめて商隊の方に報酬を要求してから加勢しろよ。

無駄働きになるぞ』

「そんなことないよ!商隊の方も、助かったって、凄く感謝してたし」


その後は商隊の護衛部隊の方と話し合って、私達義勇軍が黒衣賊の人を王都へ連れて行くことを伝えていると、一番大きな馬車から女の人が欠伸をしながら降りて来る。あれ?爆発音とか悲鳴とか結構聞こえていたと思うんだけど、髪がボサボサだし、今起きたのかな?

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― 新着の感想 ―
[一言] 報酬は名声でも収支は+になるから良いと思うけどねー 住民の好感度が高ければパトロン得られる可能性高くなるし 兵士のモラルも高い状態で維持出来るし
[良い点] 今話もありがとうございます! [気になる点] >『あーあ、せめて商隊の方に報酬を要求してから加勢しろよ。無駄働きになるぞ』 >「そんなことないよ!商隊の方も、助かったって、凄く感謝してたし…
[一言] 恋姫の劉備かこいつは・・・
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