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第12話 討伐依頼

依頼の受注が終わったら、城門を出てから故郷の村とは反対側の山の中へ入る。この山に辿り着くまで2時間ぐらい森の中を進んで、更に1時間ほど、山を登りながらイノシシを探しているけど山の中にイノシシの気配がないし、そもそも気配を感じるということが出来ない。


「どこにもいないねー」

「気配すらない」

「もしかして、ただ単純に足で探す予定だったの?せめて習性とか、好物を調べてからこういう討伐依頼は受けるものよ?」


早くも雲行きが怪しくなるけど、ここでオラージュちゃんが匂い玉というアイテムを取り出す。匂い玉にも色んな種類があるそうだけど、これはイノシシ類が近寄って来る匂いを発する使い切りのアイテムとのこと。


使い切りだし1つ3000円と結構な値段がするけど、効果は大きいようで、オラージュちゃんが地面に叩きつけたら10分もしない内にレイナールイノシシが2匹やって来た。甘くて生臭い匂いがするから、ちょっと気持ち悪くなるね。


「一匹は私が片付けるから、もう片方を頼むわよ」


すぐに大きい方のイノシシに向かって、手足に電気を纏わせて接近するオラージュちゃんは、雷属性魔法の中でも付与魔法が得意のようで、突進してくるイノシシに向かって拳を突き出し、反対側へ吹き飛ばしていた。強い。


そして私の方にも、イノシシが突っ込んでくる。う、怖いけど大丈夫。向こうの方が、私より小さいんだから。


『ちゃんと両手で剣を握ってイノシシの方へ差し出せ。あとイノシシを舐めてると噛み付かれて痛い目に合うぞ。下手したら死ぬ』

(うえええぇえ、そんなに危ないの!?)

『当たり前だろ。あれか、大人たちが簡単に狩っていたから勘違いしたのか。

たぶんそれ、罠に掛かっていたのを仕留めていただけだぞ』


短剣をイノシシに向けるけど、その剣は簡単に弾かれてイノシシの方に傷は入ってない。ヤバイ。ちょっと怖くなってきた。そう思った瞬間、さっきとは比較にならないほどの速さでこちらに突っ込んで来る。ぴぃ。


『跳べ!』

(はい!?)


当たったら痛そうだなと、戦闘中に考えてはいけないようなことを考えていたら、パルマーさんから跳べという指示があって、その指示通りに身体が動いてしまう。上に跳んで、その下をイノシシが通過して……あ、イノシシを踏んじゃう。


『踏みつける瞬間に脚を伸ばせ!

……どうせ戦闘力は低いんだから、靴裏に刃でも仕込ませるか』

「あわわ!?」


そのままイノシシを踏んづけて、脚を取られて私は転ぶけどイノシシの方もこけた。その隙を見逃さず、ネーヴェちゃんが魔法でイノシシの足を凍らせる。これでイノシシの方は、動けなくなったのかな?


『はよトドメ刺せや』

(え、う、うん)


すぐに起き上がった私は、転んだ時に落とした短剣を拾ってイノシシの首筋に深く突き刺す。ぴぃ!暴れ始めた!


『しっかり剣を突き刺してろ。不安なら足で踏んでおけ』

「うう……血がいっぱいかかった……」

「大丈夫。後で洗い流してあげる」

「ありがとうネーヴェちゃん……」


暴れ始めたけど、しばらくすると動かなくなって、死んだことが確認出来る。うん、一匹仕留められたね。イノシシは早く血抜きしないと肉が不味くなるから、まずは頭を切り落として……。


『……人を殺すのは駄目なのに、イノシシの解体は出来るのか』

(動物の解体は村にいる時に仕込まれたし……可哀想だとは思うけど生きるために仕方のないことだよ)


内臓の方は、食べられないところを切り出しておいて、提出部位である心臓は別にしておく。あとはネーヴェちゃんが水魔法で洗い流してくれるから、私がすることはないかな。


「何で解体は手慣れてるのよ。というか、危なっかしい戦い方だったわね。

あ、これ2匹絞めといたから依頼分は終わりよ」

「え、すごい!もう2匹倒しちゃったの?」

「当たり前よ。匂い玉を使って時間をかけ過ぎると、他の動物や魔物も集まって来るから囲まれるの。だからさっさと移動するわよ。首筋だけ切って、後は移動しながら血抜きするわ。これを使ってね」


私達が1匹倒す間に、オラージュちゃんが2匹倒したみたいで、イノシシからは雷属性魔法を使ったのかお肉が焼けたような匂いがする。これ合計3匹持って帰るって、結構大変そうだと思っていたら、オラージュちゃんが鞄から台車を取り出す。え、どうやったの今。


「台車の魔導具よ。普段は小さくしておけるの。

言っとくけど、三輪台車の魔道具って結構高いんだからね?」

「へぇ、すごーい!村で見かけた台車は、小さくなんてならなかったのに」

「村にある普通の台車の、10倍以上はするよこれ」

「ネーヴェは知ってたのね。とりあえずさっさとこれに積んで、川まで行くわよ」


持ち主のオラージュちゃんに聞くと、大きさを変えられる魔導具とのことで、とても高価なものらしい。ネーヴェちゃんが普通の台車の10倍以上って言ってたから……『普通の台車なら3万だとよ』30万円ぐらい!?オラージュちゃん4等級冒険者になるまで、幾ら稼いだんだろう。


イノシシを3匹積むと、結構台車がいっぱいになったけどそれでもまだ余裕があるから大きい台車だ。それを引っ張ると、意外と軽い。オラージュちゃんが得意そうな顔をしているから、軽くなる魔導具でもあるのかな。やっぱり冒険者として活躍していくなら、こういう道具も揃えていかないといけないのかな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! >イノシシを舐めてると(中略)死ぬ この世界と言えど、充分強力な特性持ちでない人間(我々の世界と大差無い人間)がある程度大きい野生動物に襲われるとあっさり…
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