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第11話 パーティー結成

「本当に、朝食までご馳走してくれてありがとうございます!」

「別にこれぐらいいいわよ。今日から冒険者活動をするのよね?それなら先輩として、色々と教えてあげる」

「私も朝食貰って良いの?」

「……ええ、良いわよ。好きなだけ食べなさい」

(あ、そういえばパルマーさんってお腹空かないの?)

『肉体の方は時が止まっているから空腹感は無いぞ』


冒険者登録をした翌日の朝。ネーヴェちゃんとオラージュちゃんが泊まっている夢見亭で、1000円もする朝食を奢ってくれるオラージュちゃんは本当に良い人だと思う。今日は朝から警備隊の宿舎に行って、市民カードを受け取ってから冒険者ギルドに直行。無事に冒険者として本登録を済ませることが出来た。


「ピアネリが随分と不機嫌だったわね。これから盗賊団討伐じゃあ仕方ないけど、それだけじゃないわよね」

「……なんでこっちを見るの?」

「何となく。さ、行きましょ。4等級冒険者の私がパーティー組んであげるんだから、感謝しなさいよね」


警備隊の宿舎に寄って市民カードを受け取る際に、不機嫌そうな警備隊隊長のピアネリさんが短剣を返してくれた。今の私の武器になるわけだけど、元は盗賊が使っていただけあって、刃はボロボロだしよくこれで相手の剣を折ることが出来たよ。


ネーヴェちゃんとオラージュちゃんは、まだあまり喋ってないはずだけど妙に通じ合っているところがあるから、相性は良いのかな。2人とも魔法を使えるし……私も魔法を使えたらなあ。


『適正的には火属性魔法が一番扱えると思うが……肝心の魔力量は無だな。まあこの世界の半分ぐらいの人間は魔力を欠片も持ってないし、気にするな』

(でも、魔法を使えたら冒険者活動をする上でも討伐依頼を受けやすいし、このままだとお荷物になる気が……)

『お、よく分かったな。この3人でパーティーを組んだら、確実にフレイはお荷物だし、今から荷物持ちやっとけ』

(……お金貯めたら、まずは剣を買おう。それまではこの短剣で我慢だね)


4等級冒険者のオラージュちゃんと、10等級冒険者の私とネーヴェちゃんが組むから、パーティー内平均等級は8等級。だから依頼は8等級の1つ上になる、7等級まで選べる。


(あれ、割り算が出来るようになっているけどこれって凄いことなのでは?)

『……フレイの村で四則演算ができる人の割合は何人だ?』

(ネーヴェちゃん含めて10人ぐらいだった)

『よくそれで村が成り立っていたな。率にして1割ぐらいか。

……村の仕事する時でも、割り算ぐらいは使わねえか?』


とりあえず依頼が貼ってある掲示板まで3人で来て、依頼を選ぶ。恒常的にあるものから、緊急依頼まで様々だけど、目に着いた7等級の依頼だとレイナールイノシシの肩肉と背肉と心臓を3匹分持って来るもの。これなら今日中に終わりそうだし、報酬も6万円と悪くない。


『野生のイノシシを3匹狩って6万かあ』

(十分でしょ!?報酬は高い方じゃない?村に来た商人とか、イノシシ丸々1頭で1万円とかだったよ)

『100g200円で売っているのを見かけたんだが。イノシシ一頭から30キロは肉が取れるだろ?中抜きやべえな』

(う、そう考えると1頭6万円で売れるのか……でも今受けるとしたら、この依頼が一番良さそう)

「2人とも、このレイナールイノシシ肉の調達にしない?」

「うん?レイナールイノシシ肉の調達?

少なくとも、初心者向きではないわね。というか7等級だと一番難しいわよそれ?ネーヴェは大丈夫でも、フレイが……ネーヴェは戦えるの?」

「私は水属性魔法が使えて、レッドイーグルを狩ったこともある」

「……まあ、フレイの戦闘力も見たいしそれで良いわよ。何かあったら私が倒してあげるわ」


レイナールイノシシと聞いて、オラージュちゃんは難色を示したけど、ネーヴェちゃんは前向きだったし、パルマーさんも渋々納得していたからこの依頼に決まった。そういえば、ネーヴェちゃんはパルマーさんを見えるようになったのかな?気になったので、小声で聞いてみる。


「ネーヴェちゃんは、パルマーさんが見えるようになったの?」

「うん。朝方直接頭の中に声が聞こえてきて、自己紹介されたよ。

基本的にフレイちゃんが聞こえる声は、私やオラージュちゃんも聞こえるみたいだよ。何か選択して念波を伝えられるみたい」

「その頭の中で会話って、便利だよね。牢屋の中でパル教の人ともその念波?で会話してたし……何を話しているのか気になっちゃう」


すると今日の朝になって見えるようになったとのことで、別にこのことを言いふらしたりはしないよと言われる。それにホッとしたところで、臨時パーティーの登録と依頼の受注確認をオラージュちゃんがして来てくれた。


「それじゃあ行くわよ。言っておくけど、倒すレイナールイノシシは体重が最低でも20キロ以上の奴ね。それ以下だと依頼の条件を満たさないから」

「あ、じゃあ子供のイノシシだと駄目なんだ」

「当たり前よ。といっても、子供のイノシシの方が美味しいから買い取っては貰えるけどね」


この依頼を達成すれば、6万円に加えて肩肉と背肉と心臓以外の肉は自由に扱えるから、イノシシ肉のパーティーも出来る。期限は明後日までだけど、出来れば今日中に達成したいね。

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