研究授業②
雄ちゃんの研究授業まであと10日。
「雄輔ー!ちょっと来い!」
中野先生の声が職員室に響いた。
「指導案、出来たかー?」
「はい!書きました。」
「出してみ。」
「これです。」
雄ちゃんは中野先生に指導案を見てもらっていた。
中野先生は雄ちゃんのお父さんくらい。
とってもかわいがられていて
何かと世話を焼いてくれる。
行事の度に雄ちゃんの足りないとこをうまく指摘。
「○○は出来てるかぁー。」
「まだです。」
「今からするぞ。ついてこい!」
「はい!」
雄ちゃんは、中野先生には頭が上がらない。
バリバリ体育会系の二人はベストコンビだった。
今日は指導案の検討ですか・・・
「教室へ行くぞ。」
中野先生に連れられて、雄ちゃんは教室へ。
指導書に教科書に指導案を持って
雄ちゃんは中野先生についていく。
1時間たっても帰ってこないので
あたしはコーヒーを入れて教室へ様子を見に行った。
雄ちゃんは黒板の前で板書していた。
「それじゃ、時間がかかりすぎるだろ。
もう一回そこんとこ考えろ!」
中野先生が言った。
「お疲れさまー。お茶持ってきましたー!」
あたしが入っていくと
「ありがとうございます。」
って、中野先生が丁寧に言った。
「サンキュー」
雄ちゃんが言うと、中野先生から
鋭いつっこみ。
「わざわざ持ってきてくれたのに
もっと丁寧に礼いわんかい!
彼女に言うみたいに言うな!」
あたし達は顔見合わせてドキッ。
雄ちゃんは、中野先生に言われて
細案作成をすることに。
先生の発問と子どもの反応を予想して
授業をどう流すかといった、
分かり易く言うと授業の台本が細案。
「今から書くと時間かかりますよ。」
雄ちゃんが中野先生に言う。
「かまへん。つきおうたるから心配するな。
お前がみっともない授業するのはかわいそうやからな。」
中野先生は決して意地悪をしてるんじゃないんだけど
それどころかめちゃめちゃ雄ちゃんのために
時間さいて協力してくれてるんだけど
あたしにとっては、ありがた迷惑・・・
「あ、そうや、教頭先生に戸締まりするから
先帰ってもいいっていっといてくれますか。」
中野先生があたしに言った。
いつまでやる気ですか・・・
「伝えておきます。」
そう言って職員室に帰った。
教頭先生に伝えると
「中野先生は10時くらいまではおるつもりやな・・・」
と言っていた。
研究熱心ですこと・・・
ということは・・・・
雄ちゃんはそれまで解放してもらえないって事ですねぇ・・・
お疲れさん。
あたしは寂しく一人で帰った。
そして、同じような日が研究授業まで
延々と続くのだった・・・(T▽T;)




