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一応、お姫様なんだけど。  作者: フルーツサンド
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開き直って友達を作ろう!

私は陛下との会話で凄い秘密を聞いたり、変な夢などを見たりして疲れた。

陛下の秘密は秘密で黙っておけば良い。変な夢はあくまで夢。私が色々と憶測すればするほど疲れる。

それに、私1人がアレコレ考えたってどうにもならない。

「これは全て異世界の出来事」と片付けて考えたほうが私にとっては納得できるし精神面でも安定が保てる。

今までは今まで。と割り切るほうがずっと楽なことに気が付いたわ。

それに、ここは異世界。誰彼が全て経験できるもんじゃない。

「私は選ばれた者」と思ったほうが良いのではないのか?

折角、お金持ちで可愛くて家柄良しの女の子に憑依したんだから、ここは楽しむべきでしょう。

幸いに私は記憶喪失なんだし。「これからの事はこれから」「成るようになる」と考えていたほうが気楽っていうもの。

それに、ここはサンダーラ国。それも後宮。私も一応は后候補、后にさえならなかったら良いんじゃない。

もしも、私が后にでも選ばれたりしたら思い切ってこの国から出て行けば良い。

出て行く方法なんかは後から良い知恵も出るってもんよ。

初めからそう考えたら、こんなに悩む必要がなかったわ。馬鹿みたいに考えすぎる事もなかったのよね。

この国の陛下の后が決まるまで私は異世界っていうのを満喫できる。

そう考えると、異世界生活っていうのも悪くはないのではないか。

これからの事を考えるだけでもワクワクするわ。

でもね~、この世界の楽しみって何なんだろう?一番手短だと「女子会」だよね。

女子会って言っても、他の姫さん達とは出会った事がない。みんな、何をしているんだろう?

他の姫さん達のいる棟も知らないし。こんなことなら、あの顔合わせでもっと姫さん達と話しをしておくんだったわ。

今からでも遅くはない!私から散策と称して姫さんが行きそうな所を行けばいいんだ。

そう思ったら膳は急げ!


私はアンの部屋のドアを叩いた。


「アン。入っても宜しいかしら。」


「お嬢様!どうぞ。」


「アン、ちょっと話しっていうか相談があるのよ。」


「ハイ!なんなりと。」


「アンは他の姫様方と会ったことはありますか?」


「他の姫様方ですか...そうですね。わたくしも聞いた話しですが、南側の庭園でサロンがあるそうなんです。そこで、皆様が集まっておられるらしいですわ。でも、何故お嬢様がそのような事をお聞きなさるのですか?」


「...いえ、わたくしもお姫様方と何かお話しでもしようかなぁ~と思いまして。」


「まぁ~!お嬢様!それは良いことですわ!やはり、色々な国から来られているお姫様方とのお付き合いも大切だと思っておりましたの。」


「そうよね!アン。では今から南庭園に行きましょう!」


「ハイ!お供いたします。」


私はアンを誘って友達作りに南庭園に行くことになった。

南庭園までの通路を歩いているんだけど「南」って言うだけで壁の色も違う。

それに通路の感じも東とは違う。通路のガラス窓から見える景色なんて花、花で今までに見た事ない花だらけ。

東は緑の多い木々ばっかりだけど、こっちには華やいだ雰囲気もある。東は東で良いんだけどね。

じゃあ、「西」と「北」はどんな所だろうと思ってしまうわよね。

私は初めて東棟を出たんだけどアンは何回か東棟から出ているようで南庭園まで迷うことなく着いた。

やっぱり、アンも女の子。私に付きあわせて部屋に閉じこもっているのは苦痛だったみたい。

こんな立派な後宮だもん。色々見て回りたいし興味もあるわよね。


「お嬢様。ここが南庭園ですわ。」


初めて見る南庭園。やっぱり、この庭園に来るまでに通った通路から見えた景色と一緒。

それ以上のパノラマ。この景色は素晴らしいの一言に過ぎる。

私は綺麗な庭園を歩き回りたくなったけど、アンは私を誘導するようにサロンまで連れて行ってくれた。

東庭園と違って綺麗なイスとテーブルが置かれている。

東庭園は一枚板のベンチだった。それぞれに南と東の庭園がバランス良く仕上がっている。

まだ、サロンには誰も来ていない。私はそのテーブルに置かれている幾つかのイスの真ん中に座った。

座って回りを見渡したら向こうから侍女を連れた1人のお姫様がこっちに来る。

そのお姫様は私を見て一瞬、驚いた顔をしたけど「あなた様は....」と言って私を見てニッコリ微笑んでいる。彼女は私が誰か分かっているような感じ。でも、私もどこかで見たような顔。どこで見たっけ?


「初めまして。わたくしコット・ランダー国から参りましたフローレンスで御座います。あなた様は?」


「まぁ~!フローレンス様。わたくしはユラルギナ国から参りましたマリアで御座います。」


「あの、マリア様。何故、わたくしの名前をご存知なのですか?」


「まぁ!ホホホホ・・・あなた様ったら、あのお茶会の時に国王様のお傍に行かれませんでしたでしょう。それに、あの方。カルロッティナ様にも恐れられませんでしたわよね。だからですの。わたくし、一度あなた様とお話しをしたいと思っておりましたのよ。嬉しいですわ!」


「...そうでしたの。わたくしは田舎者ですから、あのお茶会では皆様方のお傍には行くことができませんでしたの。」


「何を仰るのかと思えば。そのようなことは御座いませんわよ。わたくしだって田舎者ですもの。フローレンス様。これからもわたくしと仲良くして下さいませ。」


「ええ。わたくしからもお願い致しますわ。マリア様。」


やったわ!友達を1人、ゲットしました。

マリア...マリアさんって言えば、あの時...そうそう、私が国王に謁見した後にあの鼻持ちならないカル、カルなんとかいう姫さんにいちゃもんをつけられてた子だったじゃない?

確かにそうよ。カルなんとかって言う子が恐ろしくないのですねって言ったものね。

この子がそうか。でも、話しやすい姫さんだし私と仲良くできるかも。

でも、この姫さんは私の事を知らないのに「仲良くしてほしい」ってよく言えるよね。信じられん。

私も友達が欲しかったから、まぁ良いか!


「ところで、フローレンス様は何所の棟にお住まいで御座いますか?わたくしは、この南棟ですのよ。本当に、この南庭園は素敵ですのよ。絶えず花が咲き乱れていて和みになりますの。」


「わたくしは東棟ですわ。そうですわね、東棟の庭園は緑が多くて木々が沢山御座います。そうだわ!マリア様。一度、東庭園にお越し下さいませ。素晴らしい眺めですわよ。それに、落ち着きますわよ。」


「... ...東庭園。そ、そうですわね。ホホホホ・・・・」


何?東庭園って言っただけなのに、なんで言葉に詰まるんだ?


「あら~~!そこに居られるのは誰かと思えば、マリア様でしたの。」


私はその声の方を見たら、初めて見る顔のお姫様。誰なんだ?こんな姫さんっていたっけ?

私と話していたマリアさんは笑顔になって「さあ、エルミナ様。こちらへお座りになって下さいませ。今、フローレンス様もご一緒ですのよ。」


「まぁ、あの方ですの。フローレンス様、初めまして。わたくし、マチ国から参りましたエルミナと申しますの。」


「...わたくし、コット・ランダー国から参りましたフローレンスで御座いますわ。エルミナ様。よろしくお願い致します。ところで、エルミナ様。あの方とはわたくしのことですわよね。」


「ええ。そうで御座いますわ。だって、あの時、国王様のお傍に行かれなかったのはフローレンス様だけですもの。あなた様は目だっておられましたからあなた様の事は覚えております。それに、あのカルロッティナ様の口答えされましたでしょう。だから皆様で噂をしていましたの。」


「そうですか。...あの、エルミナ様。お聞きしても宜しいですか?」


「ええ。何なりと。」


「その、わたくしの噂とはどのような事なのでしょうか?」


「まぁ~!ホホホホ・・・言っても宜しいですの?」


「ええ。是非、お願い致します。」


「マリア様。宜しいかしら?」


マリアさんはエルミナさんにコクコクと首を振っています。


「フローレンス様。あなた様に付いたお名前が御座いまして、あなた様の事を『怪異姫』と仰っておられます。これは『不思議な方で何事も恐れぬ』と言う意味で御座います。そして、わたくし達はあなた様とお話しをしたいと常々、思っておりましたのよ。でも、あなた様のお姿をあのお茶会からお見かけしなくなって。でも、嬉しいですわ!」


「...ホホホホ・・・」

私のあだ名が怪異姫ねえ~~。怪異って...もしかして、化け物って言う意味にも取れる。

まさか、私がカル何とか言う姫さんに口答えしたからそんなあだ名が付いたの?

みんな、私の事を「怪異姫」って言ってるのか。なんかショック!私も乙女なのに。

確かに私は異世界から来たけど、今は姫さんなのに。まぁ、これも仕方がないわ。

今は「友達の輪」のためにガマン!


「フローレンス様。わたくしもあなた様と仲良くして頂きたいですわ。」


「ええ。喜んで。わたくしのほうこそマリア様とエルミナ様と仲良くして頂きたいですわ。」


また、1人の友達をゲットしました。

エルミナさんも話しやすい。今日は友達を2人もできたわ!嬉しい~。

女子会も目の前だ!もう少し2人の姫さんと仲良くなんなきゃ!

だけど...この姫さんもだ。私の事などよく知らないのに、よくまぁ「仲良く」って言えるもんよね。

異世界っていうのは、話したら「仲良し友達」になれるのか?


「ところで、フローレンス様はどこの棟にお住まいですの?わたくしは、マリア様と同じ南棟ですのよ。」


「わたくしは東棟ですわ。東棟のは東庭園があって、南庭園と違い緑の木々が一杯ですわ。それに、東庭園に置いてあるベンチなど素敵ですのよ。エルミナ様、マリア様とご一緒に遊びに来て下さいませ。」


「... ...東棟で御座いますか。...東庭園と言えば...ホホホホ・・・またの機会にでも。」


おかしい。何故、この2人は東庭園と聞いただけで言葉に詰まる?

何かある!絶対に何かがある!




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