六欠片目『狐の生贄』
絡繰入道との激闘から二日後、現在は食料を求め村を探していた。
「うげぇ、また村かよ今度は生きてるよな蒼龍?」
「どうかなぁ、俺が分かるのはせいぜい三メートル圏内だから」
季節は夏真っ只中。肝試しには丁度いい時期だ。
とは言え、先日の天寿村の一件がよほど堪えたのか、ノアは村と聞くだけで肩を震わしていた。
そうこうしていると村が見えてきた。同時にノアは肩を落とし猫背になって嫌さを表明していた。
村に着くとやる気のなさそうな態度の村人が出迎えて来た。
「旅の方ですかな?」
「えぇ、そう——」
「おぉ!!それは良かった」
(あからさまに被せてきたな…)
村人のわざとらしい返事に違和感を覚えた。が、そんな事お構いなしと村人がたたみかける。
「今日はこの村の祭りでして、ぜひ楽しんでいってください!!」
「そうなんで…」
「えぇ!!では私は祭りの準備がありますのでこれで」
「なんか忙しいやつだな。なぁ、蒼龍!?」
表情こそは笑顔だが、握っている拳にはバチバチと小さく電気が流れていた。
「そ、蒼龍、アイツは生きてんのか?」
「ん?あぁ、今回は生者みたいだよ」
その言葉にノアは胸を抑え、安堵したように息を吐いた。
「それにしても彼は絶対、仕事ができない人間だね。誘導もまともにできないんだから」
「誘導?」
「さっきの会話、明らかに用意していたものだったからね。アドリブもできない者に案内をさせるなんて…」
蒼龍の不穏な一言に悪寒が走る。
「ま、まさか…」
「この村は妖怪にでも支配されているみたいだね」
その一言にノアは膝から崩れ落ちる。
「またかよぉぉぉぉ!!!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
取り敢えず腹を満たすため、二人は屋台の焼き鳥を頬張っていた。
「でもよ、蒼龍。アイツもしかしたら助けて欲しくて、わざとしたのかもよ?」
「いや、それは無いね」
バッサリと切り捨てる蒼龍に首を傾げる。
「恐らくこの村は旅人を供物として捧げている、自分達が食われないために」
「それ関係あんのか?」
「もちろん。仮に旅人が気付いたとして実力がなければ逃げ出して終わり。そうしたら次に食われるのは自分達だからね」
「なーほーねー」
ノアの興味のない様な返事に蒼龍は少し拍子抜けした。てっきりノアは村人を助けたがると思っていた。
「因果応報。人にしたら返ってきてとうぜんだ」
「ん?」
ノアの一言に思わず声を漏らす。
「ノア、そんな難しい言葉、知ってたんだね」
「昔デストがとっておいたリンゴ食べたら、おれのおやつのトカゲ食べられてよ。そのときに言われた」
理由を聞き「なるほど」と蒼龍は苦笑を浮かべる。
「それに、つかむ気がないやつにさしだす手なんて無いぞ」
「え」
その一言で蒼龍は、自分がノアを誤解していたことに気づく。純粋で世間を知らない子供だから困っている者を見過ごせない——そう思っていた。
だが、違った。
あの言葉は、選り好みできる余裕がある者の発言だった。
(もしも…今までの緊張感のない行動が、子供特有の無知ではなく。強さから来る余裕だったとしたら…)
戦闘後に倒れるのも、前に石があればと嘆いていたのも、弱体化による能力の制約であれば辻褄が合う。
蒼龍の中で、散らばっていた情報が一つの結論へと収束していく。だが、その思考は唐突に遮られた。
「お、お酒などいかがですか」
村人の一人が、不自然なほど貼り付けた笑顔で酒を勧めてきた。
「チッ」
(あと少しで……。 十中八九、罠だな)
訝しむ…というより睨みつける蒼龍の視線を無視し、村人は勧め続ける。剛胆なのか後がないのか、恐らく後者だろう。
「こ、この村…では、十八になる前でも祭りの時は飲むんですよ」
村人の目には、今にも零れそうな涙が浮かんでいた。捧げられなければ、次に喰われるのは自分——そんな恐怖が透けて見えた。
「はぁ……そうなんですね。ですが、ノアはまだ子供なので私だけ頂きます。こう見えて二十歳ですので」
「え、飲んじゃだめだったのか?」
勢いよく振り返る蒼龍。だが、時すでに遅く。ノアは徳利一本分を飲み終えていた。
慌てる蒼龍をよそに、当の本人はあっけらかんと焼き鳥を頬張っている。
身振り手振りと慌てる蒼龍に、空気が読めないのか若い女がお酌しようとする。
女の容姿は、ただの村人とは思えぬ程の美貌。まさに、人か疑わしい程であった。
だが、蒼龍の関心はそこにはない。(頭が悪いのか、それとも目が悪いのか。この状況で酒をつぐとは…)と不興を買っていた。
見惚れるどころか、振り向きもしないなんて、と信じられない様子で女は目を丸くする。
蒼龍の態度が余程気に食わないのだろう、無理矢理頬にお猪口を押し付けてくる。
それでも無視し続ける蒼龍に自棄になったのか足元をはだけさせる。
だが、尚も一瞥すらも向けない蒼龍に女は思わず「ほんとに男か?」と溢してしまう。
女は悔しさのあまり爪をかみ始める。すると、ノアが同情する様な視線を向けていることに気づく。
顔を真っ赤にしながら蒼龍の耳元へと顔を寄せ、耳にそっと耳打ちし始める。
そこでようやく蒼龍と目が合う、だが決して微笑むような視線ではなく。汚物に向けるよう嫌悪な視線であった。
蒼龍は女から猪口を奪い取り一口で飲み干すと再びノアの方へと振り返る。
ようやく振り返ってくれた事が嬉しかったのか上機嫌にお酌しようとする。
「ささ、もう一杯」
「いい加減その猫撫で声を辞めてくれるかい? 不快で堪らない」
「え?」
唐突に告げられた蒼龍の言葉に、女は徳利を注ごうとしたまま動きを止める。
「俺は今、君に構ってる暇はないんだ……玉藻前」
「クフフ、そうかい初めから気付いてたのかい。通りでアチキに振り向かない訳だねぇ」
蒼龍の一言に女改め玉藻前は、自身に魅力が無かったわけではないと安堵の息を漏らす。
だが、その直後——
「君は魅力的じゃないからね」
蒼龍の一言は、容赦なく彼女の心を抉った。
「糞餓鬼……喰うしかなくなったよ」
「初めからその予定だったろ」
「いんや、気に入ればもう少し太らせてから喰っていたよ」
先程までとは打って変わり、捕食者としての本性をあらわにする。
「良かった、今回は本当みたいだね。同情せずに済むよ」
次の瞬間、蒼龍の足に電気が迸る。その様子に玉藻前は予想外といった表情を浮かべる。
「この雷…坊や霹靂神の血筋だね」
「よくわかったね」
「初めから隠す気なんて無いんだろぉ?この地で雷を扱うなんて他にいないからねぇ」
不敵な笑みを浮かべる蒼龍に対して、玉藻前はうっとりとした表情で舌鼓を打つ。
「クフフ、霹靂神の血筋ともなれば、そこらの人間とは比べ物にならんほど美味いだろうねぇ」
「そうだね。味は保証するよ、食べられる気はないけどね」
そんな強者風の会話を繰り広げていると村人がざわめき出す。
「霹靂神じゃと、あの子は“護神家”の者じゃったのか!?」
「不味いですよ村長、流石に霹靂神家の方が死んだとなったら、我々もただではすみません。」
「いや、これは好機じゃ。霹靂神家の者がやられたとなれば討伐隊が来るはずじゃ。」
どこまでも利己的な考えに呆れを通り越し笑えてくる。
「期待しているところ申し訳無いが、俺は追放されているから家が動くことは無いよ」
落胆する村人達に向けて追い討ちをかけるように玉藻前が告げる。
「本当に馬鹿だねぇ。安心しな。この子を喰った後は、アンタ達の番さね」
玉藻前から煙が噴き出す。
次の瞬間——
煙の中から現れたのは、着物を纏い人のように二足で立つ、尾が九つに裂けた狐の姿であった。
「おぉ、でっけぇキツネ」
「坊や…その反応は少し味気ないねぇ……」
屍童子の変化を見ていたノアには、玉藻前の変化は驚くには足りず。期待していた反応は得られなかった。
「そんな事は置いておいて、さっさと始めようか」
「おう!そうだな蒼龍!!」
あまりの雑な扱いに玉藻前は思わず耳が垂れる。
「まったく、女相手に二人がかりなんてねぇ」
「卑怯かい?」
「いんや、アチキも増やすとするさね」
瞬間、空気がジメジメと湿気を帯び始め、白い霧が流れ周囲を囲む。妖気が満ちた。
『霊園・狐の嫁入り』
何もない空間から炎が現れ、周囲からはベベンと三味線のような音が響く。
「それじゃあ、始めようかね」
次の瞬間、三味線の音とともに炎が輪郭を帯びていく。ベベンと音が一つ響く度にその姿が明瞭となり、あっと言う間に三体の狐火が生まれた。
「おぉ、かわいいな。もふもふして…」
「クァーン!!」
『十字星!!』
一体の狐火がノアに向けて一直線に飛び掛かるが、一切の躊躇なく一撃で四分割にする。
「坊や、今かわいいって言ってなかったかい?」
「おう!でも、殺しにきたから」
その言葉にただ一言。
「乾いてんだねぇ…」
「ブハッ」
蒼龍が思わず吹き出す。
四分割された狐火が復活し始め、再び警戒を強める。
直後、狐火が蒼龍に向けて飛び掛かる。次の瞬間。
『十雷殺』
足を振り下ろし、勢いのまま流れるように横に蹴り切る。その姿はまるで――
「十字星だ!!」
「真似してみたよ」
再び四分割された狐火は、文字通りの烈火の如く燃え上がり、赤から妖しく紫を帯びた紅の炎へと変わる。
「クァァン!!」
「クフフ、狐火は攻撃されるほど、憎悪を糧に燃え盛るのさね」
「なるほど。これで五分の勝負が出来るというわけだ」
「クフフ、蹂躙の間違いだろぉ?」
狐と狸の化かし合い。両者一歩も引かない睨み合い。
「いや、五分さ。二対四のね」
「いんや、一方的さね。三対一と一対一のねぇ」
直後、三体の狐火がノアを連れ去ろうと飛び掛かる。……が、勢いあまり体当たりになった。
「おわぁああ」と叫びながらノアはまるで車輪のように後ろに転がっていった。
「………計画通りかい?」
「……概ね…そうさね」
気まずい空気と共に一拍ほど間が空き、そして——
『雷鳴撃』
黄色い閃光を撒き散らしながら、玉藻前に向けて蹴り下ろす。落雷の様な音が響き渡る。
だが、軽やかに足を運び難なく避ける。先程まで立っていた地面は黒い焦げ跡を残し抉れている。
「クフフ、眩しいねぇ。チカチカするさね」
「なら、閉じるといいよ。お経くらいは唱えてやれる」
「自分への供養とは殊勝な事だねぇ。お前さんの最後は見届けるから、安心するさね!!」
蒼龍に向け勢いよく腕を振り下ろす。地面が砕け、直後に火柱が噴き上がる。
『打狐』
火が消えると地面には焦げ跡だけが残り蒼龍の影はどこにも無かった。
「おやまぁ、火力が高すぎたかねぇ?」
「温いよ『雷迅脚』」
死角から現れた蒼龍の蹴りを受け止める。間髪入れず、玉藻前は再び炎柱を上げた。
『打狐!!』
だが、炎柱が上がると同時に、蒼龍は玉藻前の背後へと回り込み耳打ちする。
「火葬するには足りないよ」
「ちょこまかと、素早しっこいねぇ」
「君は鈍臭いね。それに獣臭い」
蒼龍の一言に怒髪天を衝く勢いで毛を逆立てる。怒りに任せ腕を振り乱し襲いかかる。
だが、蒼龍は全て往なし、躱しきる。掌の上と言わんばかりの表情で微笑み、玉藻前に向けて宣言する。
「ここからは俺の番だよ。せいぜい重たい尻尾を担いで逃げ惑ってくれ」
「糞餓鬼が!!アチキは玉藻前だよ、餓鬼の攻撃くらい避けるまでもない、全て往なしてやるさね!!」
(この手のやつはプライドが高いから、少し刺激するだけで動きが単調になる。扱いやすくて助かるよ)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「うぅ…目が回ったぞ」
「ゥ゙グル゙ルル」
狐火はノアに対し、酷く警戒していた。
ノアに四分割にされた際、自身の身体に違和感を覚えていた。
本来、狐火は肉体が鬼火であり、妖怪同様に神気でなければダメージを与えられない。
狐火には『讐尾』と呼ばれる攻撃される度に火力が上がるという特徴があり、一撃で仕留めなければどこまでも火力が上がり続ける。
だが、ノアは違った。
ノアの攻撃は火力が上がるどころか、炎に断面ができ、結合を阻む。そのため切断部位を鎮火させる事で結合させていた。
異質——それが、狐火がノアに対して感じたものであった。
「ヴゥ゙……ヴァッウ!!」
「クァン?」
「クァッン!!」
「なんか喋ってっけど、なんも分かんねぇ。 お前らだけでお喋りすんなよ!!」
「聞いてんのか!?」と喚くノアを警戒しつつも無視し、狐火達は作戦を練っていた。
そして「クゥォォン」と遠吠えを合図に狐火が三手に分かれる。
次の瞬間、ノアを囲むように周囲を走り始める。
瞬きする間に視界を炎渦の中へと変えた。
「アッッッツ!! アセがでてく——ぎゃぁぁ!! 目に入った!! しみるぅぅう!!」
のたうち回るノアを見ながら狐火達は一つの確信を得る。
——ノアには炎が効かない。
ノアと蒼龍を分断する際、玉藻前には狐火が勢いあまって体当たりになったように見えていた。
だが、それは違った。
狐火は初めからノアを火達磨にする気で突っ込んでいた。だが、ノアは火達磨どころか火傷一つ負わなかった。
現に今も、炎に触れていないとはいえ中央に立っている状態。通常であれば熱気で水分を奪われ、酸欠で倒れているはず。だがノアは、窯風呂にでも入っているかのように汗を流し、少し息苦しそうにするだけだった。
そして、現状を鑑みるに遅かれ早かれノアに負ける。そこで、狐火達は自分達にできる最大火力による一撃に賭けることにした。
意味が無いのは分かっている。だが、使わず消えるのと使って消えるのでは雲泥の差がある。
覚悟を決め最後の咆哮をあげる。
『『『クォオン』』』
次の瞬間、三匹は赤黒い一体の狐火へと変わる。そして、間髪入れずノアへと襲いかか——
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ほらほら、どうしたんだい? さっきまでの威勢がなくなっているよぉ!!」
「獅子は兎を狩るのにも全力を尽くすと言うが、あいにく俺は龍なのでね。狐狩りの様な雑務に、いちいち本気は出さないよ」
皮肉混じりに煽り返す蒼龍。だが戦況は防戦一方であり、玉藻前は隙を与えず火柱を上げ続けとうとう蒼龍の体勢が崩れる。
「これで終わりさね」
勝利を確信し声色が上る。
だが、次の瞬間、玉藻前は生まれて初めて恐怖する事になる。
『紫電』
刹那、蒼龍が消え地面の草が燃える。
否。
現れた。
全身の産毛に至るまで逆立つ感覚、玉藻前の本能が告げる、これが“死”だと。
全神経を集中させる。間一髪、頬を掠めるだけで避けきれた。
「避けたね」
全て往なすと豪語していた玉藻前にとっては本能的とはいえ——いや、だからこそ避けたという事実は屈辱以外の何物でもなかった。
だが、同時に気づく。頬を掠めたにもかかわらず傷一つ負っていない。それはつまり、魔力による攻撃である事を示していた。
「坊や神気が使えないんじゃないかい?」
先程とは違い返答しない蒼龍。それを肯定と受け取り、玉藻前は不気味にほほ笑む。
「クフフ、アチキを殺す術は無いというわけさね。ならたっぷりと嬲ってやるさね!!」
嬉々とした様子で有頂天となる玉藻前。余裕が出来たからか、ふと思い出したようにノアの方の戦況を確認し始める
「そういえば、坊やの方はどうなってるかねぇ?あの子達にやられて虫の息かねぇ?」
確認しようと狐火に思念を送るが、返事はない。疑問がよぎり振り返ると。
「な、なんだいアレは…」
玉藻前の視線の先に映ったのは——
『『『クォオン』』』
鬼気迫る勢いでノアに襲いかかる猛狐となった狐火の姿——
ではなく、拳を白く発光させるノアの姿であった。
『原始星!!』
振るわれたノアの拳が狐火に触れると同時に白光が広がり、直後に轟音と共に爆風が吹き荒れる。
その場に狐火の姿は無く、あるのは倒れるノアの姿だけであった。
「猛狐が一撃で……。なんなんだい、アレは…。一体、なんなんだい!!」
「さぁ、俺もノアについては詳しく知らないからね。 それに死に逝く者が気にすることかい?」
「キッ、だったら先に地獄で待つんだねぇ!!」
玉藻前が振り被った次の瞬間。
『紫電・雷迅脚』
玉藻前の腕を肩ごと切り飛ばす。その一撃には神気が帯びていた。
「ッ!謀ったな゙ぁ゙ぁぁ゙ぁあ」
「嘘はついてないよ、答えなかっただけさ」
傷口を抑えながら蒼龍を睨みつける。
「アチキは玉藻前、妖狐の頂点に立つ者。そのアチキにこんな事をして…タダで済むと思うな゙ぁ!!」
「フフ、妖狐の頂点?九尾になり損ねた君がかい?」
蒼龍の一言は、今までの皮肉とは違い明確な侮蔑であった。その発言に玉藻前は目を血走らせ、自らを燃やし尽くす勢いで炎を纏う。文字通り、烈火の如き怒りを表していた。
倒れていたノアが起き上がると同時に蒼龍を見て一言。
「あー!!蒼龍の電気いつもと違うムラサキだ!!」
蒼龍の紫電に遅ればせながら気づくノア。
この空気の読めなさは、強者の余裕以前の問題である。
「死ね゙ぇ゙『打狐』!!」
「遅いよ『雷迅脚』」
玉藻前の手が地面に触れるよりも速く、蒼龍が手首を切り飛ばす。
そのまま地面に崩れる。もはや玉藻前に為す術は残されていない。だが、それでも——
「アチキは玉藻前なんだよ!!」
もはや崩れ去るだけのプライドを盾に必死に蒼龍へ噛み付く。
「そうだね、君は玉藻前だ。人を騙し喰らい、そのつけを今、払わされる哀れな狐だ」
蒼龍は淡々と、そして突き放す様に言い放つ。
「こ、小僧……嘘だよ。アチキは玉藻前さね。こんな、こんな風に終わるわけ……」
「終わりだよ『雷鳴撃』」
ご覧いただきありがとうございます!
『神世界のエスカトロジー』第六話、楽しんでいただけたでしょうか?
玉藻前は最後までプライドを手放せませんでしたが、皆様はどうでしょう? 時にはプライドを捨ててでも、命乞いをするのも悪くないかもしれませんよ?
では、また次回。お会いしましょう。シースー!!




