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攻撃力0の【救済者】〜魔物を殺さず『元の姿』に戻してたら、いつの間にか伝説級メンバーのリーダーになっていた件〜  作者: おとしごと


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020話 飛び込み依頼

□020話


 僕は今、ギルドにいる。もちろん、いつものようにフードを深くかぶり、素性がバレないように注意を払う。これ以上、余計な二つ名を貰わないための予防策だ。


 テーブルを挟んだ向かい側に依頼掲示板が見え、冒険者がやってきては依頼を剥がし、次々と立ち去って行く。そして、我らがチェイスも掲示板の前にいるものの、右へ左へとウロウロするばかり。もうずいぶん時間が経つのだが、依頼をずっと吟味している。


「お前たちには『月姫』がついているんじゃ。ランクB以上の依頼をバッサバッサと処理してくれんかのぉ」


 と言うギルマスのひと言がきっかけで、自分たちの技量より幾分難度の高い依頼を受けねばならなくなり、依頼内容を慎重に判断しているというわけだ。


 隣に座るミーナは「今回はこれ」と言う依頼票を既にテーブルの上に持ってきており、ニーナと僕を含めた三人は時間を持て余して

いた。


「チェイス、遅いねー」


「頭使うのは、あまり得意じゃないハズよ。しかも頑固だから、本人が納得するまで待つしかないわね」


 ――とそこへ、バァンとギルドの扉を蹴り開いたような轟音!


「誰か! 回復魔法を頼めないか!」


 と言う大声が響き渡った。二人がかりで肩を貸し、一人の血だらけの男を連れていた。


 ギルド内の僧侶が駆けつけ、回復魔法をかけ、応急処置をする。


 ギルドの元受付嬢のミーナは、治療が一段落したのを、見計らって、彼らに駆け寄る。


「何かあったの?」


 冒険者は肩を落とし、伏し目がちに語る。


「ロゼッタに向かう街道の途中で、ダンジョンを見つけたんだ。一番乗りでお宝を貰っちまおうと思って挑んだんだが、徘徊する魔物が恐ろしく強くてな。尻尾を巻いて逃げ来たんだ。いやぁ、今回はやっちまった……」


「まずは無事に帰って来れて良かったわ。あなたたちは改めてダンジョンに挑戦するつもり? それともダンジョンの場所をギルドに提供する?」


「ギルドに場所を提供して報酬を貰うことにするよ。あのダンジョンは二度とごめんだ」


 男達は周囲に感謝を述べ、受付に向かって行った。


「面白そうな話じゃないか、キリト」


 掲示板から戻ってきたチェイスは、腕まくりをしながら息巻いていた。


「ダンジョンに行ってお宝を手に入れる!! そして、ダンジョンの魔物を救済する!! 一石二鳥じゃないか」


 その横からニーナが、


「クリアしたダンジョンは消えるから、冒険者の新たな被害を防げるし、一石三鳥じゃない?」


 と言い、更にミーナが、


「ダンジョンが消えれば、街道を行き来する行商人の安全も確保できるから、一石四鳥かもね」


 と続ける。つまり、ダンジョン攻略に皆賛成と言うことだ。ところで……。


「僕だけ話について行けないのですが、ダンジョンって何ですか?」


 ニーナが手を上げ、身を乗り出す。


「はいはい!! ニーナ先輩がキリトに教えてあげます!!」


「じゃあ、お願い」


「ダンジョンはねぇ、時々人里離れた場所に発生するものなのです。洞窟だったり、時々塔の形のものがあったりします。でね、ダンジョンの一番奥には魔素の結晶とレアものの宝物があって、それを回収すると、ダンジョンは消えてしまうのです」


「なるほど。じゃあ――」


 ――とそこへ、眼鏡をキラリと光らせるギルマスの秘書カレン。小声で、


「ギルマスからあなたたちに、ダンジョン攻略の依頼です」


「おぉ、待ってました!!」


「チェイスさん、お静かに。皆さん、依頼内容をご説明致しますので、奥へお越し下さい」


 僕たちはカレンに案内され、受付の奥にある部屋へ案内された。


「今回のダンジョン発生場所ですが、『町から近すぎる』とギルマスは考えておられます。ダンジョン攻略と共に、不自然な何かの兆候があれば、それも調べて来て欲しい。それが、ギルマスからの依頼内容です。ミーナ、分かるわね?」


「えぇ。分かったわ」


「何度かアタックすることになると思います。期限は設けませんが、最初の十日で一度、中間報告をお願い致します」


 チェイスがそこで質問を口にする。


「その間、他の冒険者は立ち入り禁止ってことだな?」


「そうですね。当面はあなたたちに一任致します。しばらく経っても攻略できない場合は、他のパーティにも解放しますが……」


 そこで言葉を止めたカレン。まだ何か言いたいことがあったように見える。ここで、チェイスが僕の顔を覗き込んできた。


「キリト、どうする? お前の考えを聞いておきたい」


 どうやら、チームキリトと言うことで、僕の顔を立ててくれたらしい。


「ダンジョンの外で街道の通行者に被害が出る可能性があるわけですよね。それを防げるなら、直ぐにでも動き始めましょう」


 チェイスが白い歯を見せて微笑む。そして、カレンの方へ向き直り、


「十日を目安に報告に戻るつもりだが、日程が前後するのは勘弁してくれよ」


 と交渉。


「承知しました。では、あなたたちに依頼します。宜しくお願い致します」


 カレンのこの一言の元に、正式に依頼受注が決まったのであった。


 

 

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