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まとめ♯3

第11話


 ある霊界の大浴場。


 ラフマニノフは風呂についてる蛇口から水をひねり出し、勢いよく飲みだした。


ラフマニノフ「ガボボボボボ!!!」


ショパン「風呂上がりにいつもコーヒー牛乳飲むんだから、あまり水道水なんて飲まないほうがいいんじゃない?喉を渇ききってから飲むから美味しいって以前、言っていたくせに」


ラフマノニフ「お前は分かってないんだよ。ここの銭湯の水道水はめちゃくちゃ美味いことをな。お前もほら、飲んでみろ!ほら!」


ショパン「ちょっと⋯ガボボボボボ」


ショパンは半ば強引にラフマニノフに頭を抑えつけられ、蛇口から出る水を飲まされた。


ショパン「ラフマ!強引すぎるよ。それに僕はこれから美味しいココナッツミルクを飲むんだから、水で腹満たしたくないよ!味もいまいち違いが分からないし」


ラフマニノフ「アームストロングも飲んでみろ!」


アームストロング「なんか、喉が気持ちいいですね。ミントみたいな爽快感というか。スースーしますね」


ショパン「ミントなんて味しなかったけど」


ラフマニノフ「お前は分かってないんだよ。ここの水道水は美味いと思い込めば美味い水が、まずいと思えはまずい水が、普通の水と思えば普通の水が出るようになっているんだ。つまりその人が思っている水がそのまま出るってわけだ」


ショパン「アームストロングってミントの水を意識していたってこと?」


アームストロング「さっき、チョコミント食べたから、そのミントの味が口に残っていただけだと思いますが」


ショパン「ラフマの嘘つき!そんな思い通りの水が出る魔法の蛇口なんてあるわけないだろ?」


ラフマニノフ「バレたか。まあ、いいじゃないか。だが、ここの水は霊界でも評判のおいしい水らしいぞ?」


カノ「おーい、俺のこと忘れてない?すごい疎外感なんだけど??」


ショパン「カノも飲んでみなよ!この蛇口から出る水を」


カノ「うーん、やはり、普通の水にしか思えない」


 みんなが水について話している時に、なんとラフマニノフのピアノ協奏曲2番がいきなり風呂全体に流れ出した。


ショパン「あっ!!!ラフマのコンチェルトだ。なんでいきなり流れたの?あれっ、そういえば話に夢中になっている間にラフマがいない。どこいったんだ?」


 なんと風呂場の中に小さなテレビが出現し、ラフマがタオル一枚でピアノに向かい、ピアノ協奏曲2番を生演奏しているシーンが飛び出した。生中継と書かれている。


アームストロング「そうです!内緒にしておいてと頼まれていました。ラフマは今日、この銭湯でコンチェルトをオーケストラと一緒に生演奏する企画を計画していました。ショパンには内緒でと頼まれてました。その名も『銭湯後のピアノ生演奏』です。ラフマニノフのコアなファンから、銭湯後にタオル一枚で飛び出て、風呂後の湯気とともにピアノを演奏するラフマニノフが見たいという報酬付きリクエストがあったので、それに応えることになりました」


カノ「ラフマ。なんでそんなの引き受けたの?報酬が莫大とか?」


アームストロング「報酬は十億ポイントです」


ショパン「えっ!そんなに?」


アームストロング「ショパンと半分に報酬を分けてやるんだって言ってました」


カノ「あいつ、なんだかんだいって義理堅いなあ」


 ラフマニノフはタオルで局部を隠し、ピアノ協奏曲2番を弾いた。しかし、あまりに魂込めて全力で弾いているので、タオルが徐々にずれて、股間が丸見えになった。


「キャーキャー」


 観衆は騒いでいるが、ラフマニノフはお構いなく弾いている。


 ラフマニノフ自身の作品、2番を弾いた後、なんとショパンのピアノ協奏曲1番2楽章ロマンスラルゲットを演奏したラフマニノフ。


 ショパンは自分の作品を弾いてくれるラフマニノフに感激した。


ショパン「ラフマが僕のコンチェルトも弾いてる……」


 ショパンは自分がラフマニノフに認められているようで、嬉しかった。ただ、ラフマニフの股間はみんなに丸見えだった。


 ラフマニノフは演奏後、床に落ちたタオルを広い、股間を隠し、一礼した。割れんばかりの拍手と喝采。


 アームストロングは言わなかったが、この企画は「ラフマの貴重な全裸が見たい方必見!すべて隠さず見せます!」というサブタイトルがあった。


 そして、ラフマニノフはまたショパンたちの元へ戻ってきた。


ラフマニノフ「どうだった? みんな!俺のライブは!」


ショパン「見てるこっちが恥ずかしくなったよ!股間丸見えのままだったじゃないか!恥ずかしくないの?」


ラフマニノフ「俺の立派な股間にはたくさんの需要があるのさ」


カノ「お前、ただの変態じゃない?」


ショパン「十億ポイントのギャラのせいで、ラフマはここまで落ちることになったのか?」


ラフマニノフ「まあ、細かいこというな!見たい人に見せただけだ。合法だ。ほら、ショパン。5億ポイント受け取れ!」


ショパン「なんで?いらないよ?君のものだろ?」


ラフマニノフ「お前のピアノ協奏曲1番も弾いたんだから、お前の作品を演奏した以上は、お前にもギャラを渡す義務がある」


ショパン「そうか。君がそこまで言うならもらおう。でも、一億でいいよ。演奏したのは君なんだから」


 アームストロングはショパンに聞こえないように小声でラフマに話しかけた。


アームストロング「ラフマ。わざとショパンの曲を弾いて、ショパンにポイントをあげる口実を作ってあげたんだね。ショパンがもらうのを拒否しないように。納得するように。いいところあるじゃないか!」


ラフマニノフ「あいつには救われてばかりだからな。普段は照れくさくて言えないが、オレを孤独から解放してくれた恩人だからな」


カノ「おーい、また、俺のこと忘れてない?すっごい疎外感なんだけど!!!」


第12話


彰一「なんだ?この扉?」


芳樹「あまり得体の知れないものには触れないほうがいいぜ?」


 2人は探検隊と称して、ある島にやってきていた。


彰一「とにかく入ろうか!」


芳樹「なんか怖いなあ。でも、ワクワクもするなあ」


 いきなり遭遇したポツンと置いてある扉。どこに繋がっているのだろうか。2人の好奇心は頂点に達していた。


彰一「せーの!」


バン!


「えっ?わああああああああ!」


 扉を開けた瞬間、2人は扉の中へと掃除機に吸い込まれるようにして消えた。


 異空間のトンネルのようなものを進んでいった2人。10秒くらいで出口が見えた。異空間は宇宙みたいに星のような円形の光がたくさん見えて、美しかったが、一瞬だったのでその景色を楽しんでいるヒマはなかった。


彰一「死ぬかと思ったーーーー!何が起きたんだ……」


芳樹「あり得ないよな!扉に吸い込まれるとか。多分、これは夢だよ!僕たちは夢を見ているんだ!」


彰一「でも、意識も痛覚もはっきりしている。夢とはとても思えない!」


芳樹「もしかしたら開けてはいけない扉だったのかな??」


彰一「まあ、こんな経験は人生でもそうそうないだろうぜ!せっかく探検隊としてはこの未知なる旅のチャンスを無駄にしたくないからな!俺は先に進むぜ」


芳樹「あまり動き回ると、帰れなくなってしまうかもよ?それだけがすごい不安。でも、見た感じ、ここは建物がたくさんあるし、人もたくさん歩いているし、多分、大丈夫だよ!あっ、そうだ!あのベンチで座っている老人にここがどこなのか聞いてみよう!」


 2人はベンチに座るおじさんに話しかけてみた。


芳樹「すいませーん!あの!ちょっとお聞きしたいことが!」


おじさん「どうしたのじゃ??」


彰一「あっ!よかった!日本語通じるね。てっきり外国みたいな街並みだから英語とかじゃないと通じないとか考えちゃったよ!」


芳樹「今、僕たちがいるこの場所はどこなんですか??」


おじさん「ここは火星じゃよ!」


彰一「はあ?火星だって?うそだろ?」


おじさん「ちょっと手首を見せてくれ!うーん。生命データによると君たちは地球から来たんだな。それも日本から」


芳樹「生命データってなんですか?手首見ただけで何が分かるの?」


おじさん「このサングラスには生命データを見ることができるんだ。君らには見えなくても、わしには全て見えている!」


芳樹「でも、火星っていったって、こんな人や建物があるはずないんだけど!」


おじさん「火星の霊界だ。霊界とは、つまり、幽霊たちの世界だ!」


彰一「ガーーーーン!てことは、あなたは幽霊なの?俺たちはまだ死んでないんだよ?」


おじさん「わかっている。君たち、ある扉から来たんだろう?ピンク色の」


彰一「そうだよ!なんで分かるの?探検していたら、その扉を見つけて、ワクワクして開けてしまったんだ!そしたら、その扉の中に無理やり吸い込まれたんだ!」


芳樹「僕たち帰れるの?帰り道が分からなくて!出口が見当たらないんだ!」


おじさん「ああ、あの扉は私が作ったんだ!安心したまえ。私はあの扉の開発者。私がこの火星に連れてきたい人にだけその扉が現れるんだ!」


彰一「どういうことだよ。それじゃあ、あなたが俺たちをここに連れてきたいから、その扉に俺たちは出会えたってワケ?つまり、あなたが俺たちを連れてきた?」


おじさん「君たちはショパン国際ピアノコンクールに出場するらしいじゃないか。嬉しいね。私の名を冠したコンクールが我が故郷の地球でこんなに有名になっているなんてね!」


芳樹「え?ということは?まさか⋯あなたはショパンですか?」


彰一「芳樹?バカか?そんなわけないだろう!ショパンがこんな火星にいるわけない。それに、いたとしてもこんなおじさんみたいな風貌しているわけない」


芳樹「でも、さっきおじさんがショパンコンクールを『私の名前を冠したコンクール』って……」


おじさん「2人がどうしてもショパンに会いたがっているってことで、その願いを叶えてやろうと思って、この火星に招待したんだよ」


芳樹「そんなことより答えてください!あなたがあのフレデリック・フランソワ・ショパンですか?」


 おじさんは突如、ショパンの姿に変身した!


ショパン「こんにちは!芳樹君。私は正真正銘、本物のショパンですよ!」


芳樹「ああああ!あの!あの!あのショパン!あなたが?」


 ショパンは芳樹と強く握手した。


芳樹「ああ、本当にショパンに会えるなんて!こんなのあり得ないよ!彰ー!お前も喜んだらどうだ?嬉しいだろ??」


彰一「騙されやすいにも程が。僕は騙されないぞ?あなたがショパンだってどうしても信じられない。証拠だってないし!そりゃ、僕だってショパンには会いたいし。でも、どうしても信じられない。証拠がない」


ショパン「実は私の一番の目的は、彰一君に会うためだったんですよ!芳樹君というより、あなたにね!」


彰一「なんで?なんで俺に会いたかったの?」


ショパン「彰一君はいずれ世界一のピアニストになります。ショパンコンクールで優勝してね。そして、私の新たなる作品を地球に広める仕事に着きます。私が彰一君に憑依して、作曲をする仲になるんです!」


彰一「まったく意味が分からないな!未来のことは誰にもわからないはず!それに僕はショパンコンクールで優勝するはずない。芳樹より、全然才能ないし」


ショパン「いいえ。彰一君はある日、突然、ピアノがとても上達します。今は信じられなくても、人は突然変わることがあるのです。芳樹君とは比べ物にならないくらいの世界最高のピアニストになるのです」


芳樹「ねえ、ショパンさん。彰一ばかり気にしててずるいよ」


ショパン「仕方ないです。彰一君はいずれ、世界最大のピアニストになる。しかし、あなたはどこにでもいる凡人ピアニストにしかなれません!興味がないんです!」


 芳樹はかなりショックを受けた。


彰一「でも、そんな話信じられない!やっぱり、僕はただの才能の無いピアニストだよ。未来を予知できるわけないじゃないか!あなた、何者なんだ?」


ショパン「いいえ、未来は決まっています!私は未来を見れます。私は地球の未来が見れるのです。ミヤザワトモヒデという神が友達なので。そして、彰一君は私に会うことにより、ピアノへの愛が深まり、才能が磨かれ、コツをつかむようになります。私は彰一君を世界最高のピアニストにさせるためにわざわざこうして会う機会を作りました」


彰一「??」


芳樹「彰ーばかり優遇していて嫌だなあ。ショパンには失望したよ」


ショパン「さあ、彰一君。私が直にピアノを生演奏してあげよう。そして、レッスンもしてあげる。芳樹君は帰ってよろしい!髪の毛を一本抜くと、帰れるよ!」


 すると大柄の男が近づいてきた。その顔はラフマニノフそっくりというより本人だった。


ラフマニノフ「こらこら、ショパン。お前、才能の無い奴に冷たくするな!お前の悪い癖だぞ!芳樹君は私が面倒みる。ショパンコンクールでどっちが優勝させられるか勝負だ!ショパン!」


芳樹「えっ?今度はラフマニノフ?あのラフマニノフが僕を気にしている??」


 こうして、ショパンとラフマニノフは互いに、地球の生徒、彰一と芳樹を抱え、どちらがショパンコンクールで優勝させられるか、いい成績を残せるか。先生としての能力を競い合うことになる。


ラフマニノフ「泣くな!芳樹!未来は変えられる!私が未来を変えてやるから!一緒にショパンコンクールで優勝しよう!ショパンなんかに俺は絶対に負けないからな!可能な限りのことはしていこう!未来は常に刻一刻と変化している。俺がお前を、彰一をも超えるピアニストに育て上げればいいだけだ。難しいことに挑戦したほうが面白いからな。私はすごく今、燃えているよ!不可能を可能にしていくことをな!」


芳樹「ありがとう!ラフマニノフさん。彰一をやっつけましょう!ショパンなんかに負けたくない!」


ラフマニノフ「その意気だ!少年!」


ある日、いきなりコツをつかみ天才になるという彰一。凡才のどこにでもいる芳樹。2人はいずれ、ショパンコンクールで良きライバルとなる。


第13話


 夜、2人の天才音楽家は寝床に入って雑談をしていた。


ラフマニノフ「なあ、ショパン。これから音楽学校をどんどん進化させていくわけだが、これは俺の夢だった。お前の本当にしたい夢は他にあるか?」


ショパン「なんだよ、急に。したいことはやっぱり自分を超えるピアノ作曲家を育て上げること、生み出すことかな。まだ、ピアノの作曲の分野では僕を超える人は現れてないんだよね」


ラフマニノフ「じゃあ、ピアノの専門学校として私はこの学校を作っていくつもりだが、一緒の考えでいいんだな?一緒にいてくれるな?」


ショパン「どうしてそんなこと聞くの?」


ラフマニノフ「お前が俺から離れてしまったらと思うと怖くて仕方ないんだ!」


ショパン「あっ、君、僕の日記勝手に見たでしょ?」


ラフマニノフ「いや?別に⋯何のことだ?」


ショパン「バレバレだよ。そんな話するのはなにか理由があるはずだからね」


ラフマニノフ「今日は誓いの儀式をしてほしい」


ラフマニノフは誓い確定機を取り出した。


ラフマニノフ「これに誓った声を記録すると、必ず守られるという一種の強力な魔法というか、呪いというか」


ショパン「なにそれ?そんなの聞いたことも見たこともない。どうしたの?」


ラフマニノフ「ずっとオレと、少なくても1000年は一緒に行動してほしい。パートナーとして!それをこれに誓ってほしい!」


ショパン「そんなおもちゃで本当に効果あるのかな?冗談でしょ?」


ラフマニノフ「宇宙の神、ミヤザワトモヒデにもらった大切なものだ。例えば、地球には、この宇宙には様々な法則があるだろう。カルマの法則とか、引き寄せの法則とか。そういう法則を全て作っているミヤザワトモヒデが生み出したものだ。効果はあると思うぞ! さあ、オレと一緒に少なくても1000年、できれば永遠に一緒に行動してほしい。お前がいないと俺は耐えられそうにない。頼む!!!ずっと一緒だと叫んでくれ!」


ショパン「私、フレデリック・フランソワ・ショパンは相棒のセルゲイ・ヴァシリエヴィチ・ラフマニノフと1000年とはいわず、永遠に一緒に行動を共にするパートナーとして確定します!」


ラフマニノフ「間違いありませんか?」


ショパン「間違いありません!」


ラフマニノフ「誓い確定機に記録しますが、本当に今の言葉を確定させますか?」


ショパン「確定します!」


ラフマニノフ「最終確認です!今、発言した言葉は全て実現されますが、よろしいですか?」


ショパン「YES!」


 誓い確定機に記録した。


ラフマニノフ「よし!これで、少なくても別れることはない!!!そう信じている!!!たとえ、一旦距離ができたとしても必ず最終的にはいつも一緒に仕事ができる仲間としてな」


ショパン「でも、どういう仕組みなんだろう!すべての誓いが確定したら人によっては危ない使い方になってしまうよね」


ラフマニノフ「ミヤザワトモヒデがこの誓い確定機に誓った内容を全て閲覧し、叶えるかどうかを決める。ミヤザワトモヒデが危険だなって判断したら、その誓いを消すこともできるらしい!」


ショパン「宇宙には不思議なものがたくさんあって理解ができないよ。それより、なんか君が熱い話するから眠れなくなっちゃったなあ」


ラフマニノフ「じゃあ、オレたち2人で共作した2台のピアノを使った協奏曲を今からつくろう。最初はまず⋯どんな感じがいいかな?」


ショパン「いや、ラフマがいつも寝るときに聞かせてくれる子守歌がいい。それか、ラフマ秘蔵のおとぎ話を聞かせてよ。僕が眠るまで⋯」


ラフマニノフ「わかった」


 2人は毎日、一緒に布団に入るこのまどろむ時間を一番の楽しみにしているのだった。


第14話


 霊界で最も人気なゲームセンターに来ていた。ショパン「ゲームなんてあまり興味ないんだけどなー」


ラフマニノフ「やったら絶対にハマるから!勝負の面白さにいい加減目覚めなさい!」


 ショパンはラフマニノフに誘われ、ポーカーゲームをやった。


 ラフマニノフは開始5分でロイヤルストレートフラッシュを出した。ショパンは開始20分でファイブカードを出した。


ラフマニノフ「ロイヤルストレートフラッシュは5種類のカードからなる最高位のハンドだ。ファイブカードは1種類のカードからなる最高位のハンド。ピアノー色に染まっていて、誰も追いつかないレベルのショパンにはうってつけだな。一種類のカードしか使わないのがピアノ曲しか作曲しないという共通点があり、ピアノ曲においては1位だし、ファイブカードはポーカーゲームの1位の手だからな」


ショパン「君の出したロイヤルストレートフラッシュと僕のファイブカードはどっちが上なの?」


ラフマニノフ「ファイブカードはロイヤルストレートフラッシュより強いとするルールが一般的だが、ワイルドカード、つまりジョーカーを含まないロイヤルストレートフラッシュはファイブカードより強いというルールが用いられる場合がある。俺のはジョーカーを含んでないし、ここのゲームセンターのルールでは俺の手のほうが強いみたいだな!ついてないな!ショパン!」


ショパン「ファイブカードのほうが強いんでしょ?じゃあ、僕の勝ちだよね!」


ラフマニノフ「いや、その時のポーカーのルールにより若干、変わる。このゲームセンターではファイブカードよりジョーカーを含まないロイヤルフラッシュ、すなわちロイヤルストレートフラッシュのほうが強いという設定なんだ!だから、俺の勝ちだ!それに、俺はショパンより15分早くこの手を出した!総合的に見て、俺の方が勝負は勝ちだな!」


ショパン「キーーーー!悔しい!」


 2人は音楽ゲームコーナーへと移動した。


 ピアノで出てくる鍵盤の指定された場所をどれだけ正確にミスなくタッチできるかを競うゲームがあった。


ショパン「これは僕たちが弾いたことがないものを選択して、競おうよ。じゃないと、得意な曲だけ選んで、ノーミスで弾けても全然不公平だし、自慢にならないしね」


ラフマニノフ「では、アームストロングのピアノ中毒でも弾こうか!俺たちよりCDが売れて悔しかったよな。覚えているか?」


ショパン「アームストロングだろ?でも、種類が違うから、同じ土俵で比べないほうがいい。ピアノ中毒は歌入りだからな。人が声に出して歌うもの。私たちはピアノ音楽。クラシックだから」


 結局、2人が聞いたことはあっても、弾いたことはないピアノ中毒をどれだけ初見でノーミスで弾きとおせるかのゲームでは、ラフマニノフに軍配だった。


ラフマニノフ「ショパン!まだまだだな。精進しなさい!」


 次は絶対音感をピアノで競うゲームだった。


 ラフマニノフは3つの和音くらいは、どの音か聞き分けられるが、ショパンは8つの音を正確に聞き分けた。ショパンのほうが上手だった。


ショパン「これで2対1で君が優勢だね」


 最後は30分の間にどれだけ初見の楽譜を覚えられるか!正確に弾けるか!を競うゲームを実行した。


 これはショパンに軍配だった。


ショパン「やっとラフマと引き分けだー」


ラフマニノフ「ショパン!お前忘れてないか?この最後にやった曲はお前が生前、作曲したノクターンだろ?忘れているな?」


ショパン「えっ?そんなことってある?曲名には雪国の悲哀って書かれていて、絶対に僕の曲じゃないと思うけど?」


ラフマニノフ「ハハハ!引っかけたんだよ!俺が。お前のノクターンを曲名を変えて、覚えているか試したんだよ!覚えてなかったようだな!一回俺に勝ったという感情を一瞬でも味わせてやりたかったんだよ。錯覚でもいいからな。現実では、絶対に俺には勝てないだろうからな。まあ、今のはただの練習だ。これから本番だ!今度はしっかりと俺たちが知らない曲で行く。覚悟はいいか?勝ちたいなら真剣にな!」


ショパン「なんか、疲れた⋯ラフマ⋯なんでそこまでするんだろう。でも、君に勝ちたいから本気出すよ。ラフマも本気出せよな!」


ラフマニノフ「もちろんだ!いくぞ!」


第15話


 海のレストラン「デリシャン」に来ていたショパンとラフマニノフ。


 この店はショパンとラフマニノフの行きつけで、2人のサインが飾ってあり、超有名音楽家と会えるかもしれないという期待から、客の出入りが多くて大繁盛していた。


「キャーーー!!!ショパンとラフマニノフだ!!!」


 入店した瞬間から割れんばかりの拍手喝采が飛び出した。


 2人はここの料理のメニューの考案も行っている。売り上げの一部は2人に入ることになる予定だったが、2人はそれを拒否した。


「お金じゃないのよ!この店に関しては!」


ということである。


ラフマニノフ「皆さん、こんにちは。こちら、相方のショパンです。そして、その超格上、私、ラフマニノフです。今日は、どうぞ超一流の食事と音楽を楽しんでいってください」


ショパン「超天才の私たちによるピアノ演奏と料理もどうぞご堪能ください!」


 月に3〜4回のペースで来ているこの「デリシャン」は、運が良ければショパンとラフマニノフという音楽の巨匠たちに会えるかもしれないという楽しみが客に足を運ばせる理由の一つだった。


ジンサ「おう、お前ら!今月もよく来たな!お前らのおかげで俺らコックはウハウハだよ!ありがとな。海から捕りたての魚たちを使った海鮮丼でも作ろうか?」


ショパン「もちろん、それを毎回楽しみにしているんだよ!ガーリックチーズピザも焼いてくれ!」


ラフマニノフ「ジンサ!お前の考えた料理より俺の考えた料理のほうが人気みたいだな。悪いな!音楽家の俺が更に格上になっちまって。天才かな!俺!」


ショパン「格上格上ってその言葉、謙虚さのかけらもないね。連呼しすぎだよ。確かにレシピを考案したのはラフマだけど、作っているのはジンサなんだから、そんなこと言っちゃだめ。作ってくれる人が天才だから、ラフマの料理は人気なんだよ!」


ジンサ「ラフマ。お前の天然料理と俺の革新的料理、どちらが人気で美味しいか。最近、人気投票した結果が出たよ!」


 ジンサはラフマに紙を一枚手渡した。


「そんなこと人気投票しなくても、俺の革新的料理の方が美味に決まっている。勝負するまでもねえ。海のコックを舐めるなよ?」


と書かれていた。 


ラフマニノフ「お前、まだ勝負してねえだろ?本格的にやるか?」


ジンサ「望むところだ!お題はチャーハンにするか?どちらがより美味しいチャーハンを作るか勝負だ!」


ラフマニノフ「そうだな。お前の得意料理で勝負してやろう。これもハンデだ!」


ショパン「僕はとにかくピアノ演奏をするよ!2人で勝手にやってくれ!」


 ラフマニノフはモッツァレラチーズにしょうゆを使ったチーズチャーハンを作った。


 一方、ジンサはあさり、エビ、イカ、ホタテなどをふんだんに使ったシーフードチャーハンだ。


 オリーブオイルを使い、塩をアクセントにした。


 ラフマニノフもジンサの料理を見ていて、いきなりオリーブオイルを入れだした。


 そして、来ていた30人の客にそれぞれ、2人のチャーハンを味見させた。


 すると、なんとラフマニノフが勝利した。投票数はラフマニノフ26、ジンサ4、だった。約9割がラフマニノフに投票した。


ジンサ「なんっっだ!これは!!!!!!」


 ジンサは自信喪失して、店を早退してしまった。


ショパン「ラフマ。あまりに不自然じゃない?僕はジンサの料理はもっと評価投票されてもよかったと思うけど??」


ラフマニノフ「当たり前だろ!これが俺の実力だ!俺は今日来る客はチーズが好きな客しか来ないように裏で手を回していたからな!ジンサは最近、私たちにばかりメニューを考案させるから、これを機に自分を未熟だと反省し、ジンサ自身のレシピを作る技量を上げてもらいたいんだよな!」


ショパン「なんか卑怯じゃない?フェアじゃないような」


ラフマニノフ「強い奴が勝つんじゃない。勝った奴が強いんだ!それに、勝負するときに敵が公平な条件でいつも勝負してくれると油断してはならないとジンサに教訓として教えたんだ。これから、世界一の海のコックになってもらいたいからな」


ショパン「公平性に欠けてでも、勝つことの大事さを教えたんだね!相手が公平にルールを守って勝負してくれる保証はないもんね。卑怯とか言ってるのは甘いってことを言いたいんだね!」


ラフマニノフ「まあ、卑怯と言われてでも、勝たなくちゃならないときがあるんだよ。この料理対決では命がかかってないが、ジンサが悔しさで更に進化したコックになってくれることを願ってやったまでだ」


ショパン「ラフマ。なんか、単純そうに見えて、結構考えてるんだね。深い考え方だ」


ラフマニノフ「さあ、ショパン。次はピアノ演奏で俺とお前、どっちが客を魅了させられるか勝負するぞ?」


ショパン「今度は裏で手を回してないだろうね?」


ラフマニノフ「お前と勝負するときは、本当の意味で勝ちたいからセコイことは一切しない!!!」


ショパン「じゃあ、何の曲にする?」


ラフマニノフ「◯◯だ!」


ショパン「わかった!!」



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