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まとめ♯8


51


 ショパンとラフマニノフの音楽学校「エキスパートピアノ」で全校集会が行われた。


 毎年3月に、最優秀生徒など成績順、評価順にTOP100位まで表彰されるのである。エキスパートピアノの生徒たちはこの表彰台にできる限り高い順位で上がりたい一心で、音楽を学ぶのである。


 円形のスタジアムの真ん中のステージにショパンとラフマニノフのダブル校長が立っていた。


ショパン「えーーー、皆様、全校集会へようこそ。これから成績優秀者TOP100位までの表彰を行います」


ラフマニノフ「100位から順に発表いたします。100位エリザベス・ターナー⋯⋯99位⋯」


 順番に呼ばれている。


ラフマニノフ「ここからTOP10に入ります。10位までに入った方は、私とショパンによる直々のレッスンを受けられることになります!!!また、発表後、1分ほどの簡単な喜びのスピーチをしてもらいます!」


ショパン「第7位 川口芳樹!」


川口芳樹「ういーーす!!!」


 芳樹は朗らかに元気で明るい返事をした!


ショパン「ういーーす!はないだろ?しっかりとハイ!と返事したまえ!芳樹くん!おめでとう!君の斬新な演奏方法は僕も驚いたよ。作曲のほうも、私には全く及ばないが、光るものがある。哀しみや悲哀にくれた曲ばかり書いていて、何か悩みでもあるのかい?」


川口芳樹「ショパンのバラード4番を超える悲壮感を訴えるピアノ曲を生み出したいのです。今のオレの軸は、とにかくバラード4番だ。ピアノの演奏方法も、ダイナミックな演奏をして、ショパン、あなたが出せないような音色を意識して、毎日練習しています!」


ラフマニノフ「俺が教えているだけあるな!ショパンと対極なピアニスト兼作曲家を目指しているんだよな。まあ、これからショパンを超えてほしいな!!!」


川口芳樹「皆さんが尊敬してやまないピアノの詩人フレデリックショパン校長を『凡人さ』と断言できるくらい圧倒的天才になれるようにがんばっていきたいと思います!」


ショパン「相変わらず、君は野心に溢れてるね。ビックリしてるよ!!!」


ラフマニノフ「まあ、それが芳樹のいいところでもあるんだがな!」 


ショパン「第4位 長谷川彰一」


長谷川彰一「はい!!!」


ショパン「おめでとう。彰一くん!僕は君にとても思い入れがあるからうれしいよ!!!ピアノ曲の作曲では、君が全生徒中でトップだ!1位だ!しかし、ピアノ演奏が残念だ!!!川口芳樹はピアノ演奏では全生徒の中で1位だからな。彰一と芳樹、やはり良いライバルになったな。これからはもっと熱く指導していくからな!!!」


長谷川彰一「ライバルと思っていた芳樹より順位が上で、トップ10位にも入れて、今年の目標は達成できました。しかし、ショパン校長とラフマニノフ校長を超える音楽家になることが最終目標なので、自分はまだ未熟です。未熟にも程があると思っています。謙虚で素直になり、二人の校長だけでなく、他の生徒とも交流を持ち、凄いところを認め、良いところをどんどん吸収していきたいと思います!それが、一番成長できる方法だからです!!!」 


ラフマニノフ「芳樹の攻撃的で積極的な性格とはまた違っていて、面白いな!がんばりたまえ!全力で背中を押すからな!」


ショパン「第1位 マルパス・カーデン」


マルパス・カーデン「やった!!!!!ウイッシャー!!!!」


ショパン「おめでとう!!!君がこの偉大なる音楽学校の首席だ!最優秀成績優秀者だ!!!いやーーー!霊界でサッカ一選手として頂点を極め、私の舟歌を聞いて、音楽に興味を持ったんだよな!!!初めて会ったときは、古城(フルブルス)の永久会員権を持っていて、ビックリしたのを思い出す。懐かしな!あのフルブルスはものすごいエリート有名人しか行けないのに、その永久会員権を少年の君が持っていたんだからな!」


マルパス・カーデン「得意なのはサッカーだけじゃなかったみたいです!本当にあまりに私は自分が優秀なんだって自負しています」


ラフマニノフ「カーデン君!じゃあ、この世界で一番大事なものはなんだ?成功するためには何が必要だと思う?一言で表すとしたら!」


マルパス・カーデン「運ですね!ラッキー!ついてる!天の定め!です!」


ショパン「なぜ、そう思うんだい?」


マルパス・カーデン「結局のところ、自分の力だけでどれだけ行動しても、実現できることは少ないと思います。この世界の本質は9割以上は運です。自分の才能すら、自分で手に入れたものと思いがちですが、実は、自分で手に入れたものでなくて、神からもらったプレゼント、ギフト、贈り物といった表現が正しいかもしれません!努力すればなんでもできるとか、そういう綺麗事は嫌いです!だから、自分のこの才能を生かし、他の人間に与えることが、神からもらった才能、力というギフトへの恩返しであり、それが才能あるものの義務、務めだと思っています!」


ラフマニノフ「さすが首席だ!!」 


ショパン「マルパス・カーデン。おめでとう。次は2年連続首席を目標にしてください!そして、基礎を徹底的に学び、守・離・破を自分のマイロードにしていってください!」


マルパス・カーデン「はい!いずれ、あなたたちを追い越し、自分の音楽学校を設立したいです!」


 こうして、全校集会の表彰は終わった。


 来賓として、「オガサイ音楽学校コンテストランキング1位」だった「フルビットミュージック」のベートーベンとモーツァルトがあいさつした。


「わああああああああああああ!!!」


 ショパンとラフマニノフ以上の2人の天才音楽家を見て、生徒たちは大はしゃぎして、大歓声が会場中をこだました。


ベートーベン「いやあ、ショパンとラフマニノフはものすごい音楽学校を作りましたね!!!世界一豪華な外壁を持つ音楽学校をつくりあげて、このエキスパートピアノ音楽学校へのピアノへの情熱とこだわりには驚きました!!!皆さんは、ピアノ世界を盛り上げる大事な金の卵です。私やモーツァルトにはできないことをしてくれています。感謝しています!!!」


モーツァルト「オーケストレーションの音楽学校を専門にしている私たちのフルビットミュージックもいずれ、このエキスパートピアノが超えて、いずれ、この霊界で最上の音楽学校になれることを願っています。私は1位を何度も取っているので、早く、超えてください!あなた方は私たちのライバルです!!!切磋琢磨して、競い合う面白さを、味わい続けましょう。私たちは永遠に音楽の子です。音楽の魅力はまだまだ進化します。これからの音楽を進化させる革命児になっていってください!!!」


ショパン「ありがとう!!!ベートーベン!モーツァルト!いずれ、超えていくから!」


ラフマニノフ「はあ、みんな熱すぎて、少し疲れるな!!!気楽にいこう!天才にならないと!1位にならないとって気を張りすぎて、辛くなったときは、『凡人でいいじゃない!』と自分を許してあげよう。音楽は音を楽しむ。楽しむことがすべてだ。苦しくなったら、意味がない。苦しくなったら、いったん、休んだりしてくれ。苦しいということは、方法が間違っているということだ。みんなそれぞれ適切な正しいやり方がある。人それぞれ、音楽の勉強のやり方は違う!!!正しいというのは、楽しめているかどうかで判断していくように!!!」 


ショパン「皆さん!返事は??」


全生徒「はい!!!」


52


 地上世界で最高のピアニスト&作曲家と世界的に超有名だった人物が他界した。


 「サニー・スターリースカイ」だ。


 この男性ヴィルトゥオーゾは世界ピアノコンクールをほぼすべて総なめにしてきた。


 サニーが他界後、モーツァルトとベートーベンの霊界最大の音楽学校「フルビットミュージック」が、そのサニーの天才性にひかれて、入学推薦状を発布した。


 サニーは困っていた。


 悩んでいたのだ。


 世界一の天才作曲家であり、ピアニストでもあった彼は、ショパンとラフマニノフの音楽学校「エキスパートピアノ」からもお誘いの入学推薦状が来ていたからだ。


 「フルビットミュージック」でオーケストレーションを新しく学んでみるか、「エキスパートピアノ」で、今までのようにピアノ曲の作曲を、ピアノ演奏を更に究めるか。


 サニーは「ピアノの太陽」という名称で有名だった。


 ショパンにはまだ全然及ばないものの、ピアノ作曲では地上で世界一だった。


 ショパンは史上最高唯一無二で、その前にも後にもショパンを超えるピアノ音楽を作曲している音楽家はいない。


 現役世界一のピアノ作曲家ではあったサニーだが、やはり、ショパンはサニーの数十段上であった。


 ショパンが異常なのであり、ショパンが別格なのである。


 サニーはまず、ベートーベンとモーツァルトに会うことにした。


 フルビットミュージック音楽学校に向かった。


 黄金に輝いた校内。


 ベートーベンとモーツァルトが互いに向かい合い、握手している像があった。


 すべてが黄金で輝いていた。


 職員室でベートーベンとモーツァルトに送ってもらった入学推薦状を見せ、2人にお会いしたいとお願いした。


サニー「あの、その、ベートーベン様とモーツァルト様にお会いして、いろいろと話したいのですが」


 職員室の教頭先生が対応してくれた。


教頭ブリランテ「こんにちは。私は教頭のブリランテといいます。2人は今、校長室にいらっしゃいます。私がご案内いたしますよ!」


サニー「ありがとうございます!助かります!だけど、緊張するなあ!!」


 廊下を歩いていると、「今月の最新曲」というコーナーがあり、音楽コンポがあり、その再生ボタンだけが、白色に点滅している。


 再生ボタンを押してみると、明るさに溢れた、疲れない音楽が流れてきた。軽やかでリラックスできる。間違いない。


 この旋律はモーツァルトの音楽だ!!!


 音楽コンポの近くに、看板があった。


「この最新曲に興味があり、曲名を知りたければ、月刊オーケストラ・インフィニティを買いなさい」とあった。


サニー「ブリランテさん。月刊オーケストラ・インフィニティとはどこで売っているんですか?」


教頭ブリランテ「わが校の1階の売店です。わが校の校内学級通信がすべて載っていますよ!!!」


サニー「さっき、流れた曲はモーツァルトですよね?あの感じは!!!」


教頭ブリランテ「いや、ベートーベンですよ!」


サニー「なんですと?本当ですか?ベートーベンも生前とは違うか。まあ、当然か。何百年前と今、何も変わらない方がおかしいからな」 


教頭ブリランテ「ベートーベンはモーツァルトと組んでから、モーツァルトの良さを吸収しました。そして、モーツァルトのような曲も書けるようになったのですよ!!!」


サニー「そうなんですか!!!詳しいですね。伊達に教頭ではないですね!!!」


教頭ブリランテ「毎月、発刊されるオーケストラ・インフィニティは全部読んでますからね!!ここの学校のことは何でも知っています」


 校長室に着いた。


 入り口の扉には大きく


「モーツァルト&ベートーベン」とあり、音符とLOVEの文字の装飾があった。


教頭ブリランテ「失礼します。サニー・スターリースカイ様がお見えになりました!」


「待っていたぞ!!」


 扉が開かれ、校長室の中へと入ったサニーは、ソファにかけて、コーヒーを飲んでいる2人の男性と対面した。


 サニーは2人がモーツァルトとベートーベンだとすぐにわかった。


 2人とも首に名札をかけていて、そこに名が英語で書かれていたからだ。


ベートーベン「まあ、座りなさい!!!」


サニー「はい!!!」


モーツァルト「君が世界一の天才作曲家でピアノ曲にこだわっていて、ピアノの太陽と呼ばれていたサニー・スターリースカイだね」


サニー「あの、その、あの天下のベートーベン様とモーツァルト様がなぜ、私にこのような推薦状を送ったのですか?」


ベートーベン「そうだ!!!君はピアノ作曲の天才だった。第2のショパンと呼ばれていたらしいな。だから、ショパンとラフマニノフの経営するエキスパートピアノ音楽学校に入学するように勧めたんだ!!!」


サニー「え?フルビットミュージックに入学するように!という意味の推薦状じゃなかったんですか?」


モーツァルト「いや、違うんだ!わざと分かりにくくしてしまったね。実は、私たちの学校に君を入学させようとは思ってないんだ!君はピアノに力を入れていたんだから、これからもピアノの道を進んでほしいんだ!!!ショパンとラフマニノフのエキスパートピアノ音楽学校で、2人の夢を叶えるためにも、ぜひ、君は、エキスパートピアノに行ってくれ!!!」


サニー「でも、ショパンを超えられる気がしないんです。地上でずっとピアノ曲の作曲にこだわって取り組んできましたが、ショパンには遠く及ばなかった。彼は天才すぎます。これからも一緒なんじゃないかって!!!」


ベートーベン「でも、ショパンとラフマニノフの学校に入れば、いろいろと新しく学べて、才能が開花するかもしれない。ショパンとラフマニノフは、自分たちを超える音楽家を輩出する夢を持っている。だから、その夢を叶える力になってやりたいんだよ!!!」


モーツァルト「せっかく、ピアノの道を歩み、世界一の天才とまで言われるほどがんばったのだから、これからもピアノに全身全霊をかけて、ショパンとラフマニノフを超える音楽家を目指してくれ!!!」


サニー「ショパンとラフマニノフを超える音楽家ですか……。でも、オーケストレーションにも興味があります。モーツァルト様のように、交響曲とか、弦楽四重奏曲とか、ヴァイオリン協奏曲とか、オールマイティに作曲して、すべてのジャンルでオール5、総合力で誰にも負けない音楽家を目指すのもいいかと思いました。世の中には様々な楽器があるのですから。ピアノだけに限定していてはもったいないしつまらないとも、最近、よく思うんですよね!!!」


ベートーベン「力を全集中させて、取り組んだ時の成果は想像を絶する。ピアノに集中すべきだ。力を分散させてはならない。ショパンを超えるのは君かもしれないじゃないか。なかなか、君のような逸材はいないんだからな。これまでの過去、ピアノにすべてを捧げてきたのだから、これからもそうしなさい!!!私は君にショパンを超えるピアノ作曲家を目指してほしい。君がショパンを超えるんだ!!!」


モーツァルト「もし、君が我がフルビットミュージックに入学したら、ピアノの道が中途半端になる。どうせ、ここまできたなら、ショパンを超えるまでピアノ一本で突き進んでくれ!!!」


サニー「そうですか……わかりました!!!そうします。これから、ショパンとラフマニノフ様のところにいってきます」


モーツァルト「私たちはショパンとラフマニノフの知り合いだ。君がちゃんと会えるようにしてあげよう!」


サニー「ありがとうございます!!!」


53


 冥王星の『ナイバル』にアポを取り、会いに行ったショパンとラフマニノフ。


 ナイバルはわずか40歳にして、600曲以上の優れたピアノ曲を作曲し、オーケストレーションにも優れ、様々な交響曲の傑作も残している。


 ショパンが尊敬している作曲家である。


 ラフマニノフも興味があり、会うことになった。


 冥王星の霊界で、ナイバルは活動している。


ラフマニノフ「あんたがナイバルか。ショパンから聞いているよ。ショパンより優れたピアノ曲の作曲家らしいな!!!」


ナイバル「わしは自分がショパンより優れているなんて思ったことはないよ」


ショパン「偽りの謙虚はいりません。あなたは僕よりも優れています。だからこそ、ある依頼をしに来ました」


ナイバル「依頼とは?」


ショパン「我が音楽学校、エキスパートピアノの文化祭の超豪華な来賓として参加してもらえませんか?」


ラフマニノフ「オレたちは、まさに、あんたみたいな音楽家を育て上げることが夢なんだ」


ナイバル「つまり、わしが出ることにより、文化祭の参加している生徒たちの士気を上げようということかな?」


ショパン「あなたが僕以上であることを利用して、僕を超えるピアノ音楽作曲家が誕生しやすいようにしたいのです。僕を目標にするのではなく、あなたを目標にする生徒を増やすことでね。生徒の夢の基準を高めることが何より、大切だと思うんです!!!」


 ナイバルはいきなり鉄棒を出現させた。


ラフマニノフ「鉄棒?」


 ナイバルはいきなり逆上がりを3回した。


ナイバル「音楽の魅力は鉄棒の逆上がりみたいなものだよ!!!!!勢いよく上に舞い上がる!その勢いを作ることが何より重要だ!!!つまり、必ず2か所以上は動物が魅了されるようなメロディーを曲に取り入れることだ!!!」


ショパン「逆上がりですか?変わった例えをされますね!!!」


ナイバル「静と動だ。静では、感動できる部分を。動は興奮できる部分を意識するといい!!!」


ショパン「貴重なご意見、ありがとうございます。わが校の文化祭には出演してくださりますか?ギャラはいくらがいいでしょうか?」


ナイバル「わしがピアノの作曲家として成功できたのは、ショパンのおかげだ。ショパンのピアノ曲がわしが住む冥王星に伝わり、ショパンのノクターン12番にやられたんだ。すごい感動し、ピアノが数ある楽器の中で最も好きになった!!!ショパンがわしに影響を与えたんだ!!!」


ラフマニノフ「ノクターン12番だって?それはショパンが特に気に入っている自作曲の一つだよ。あんたはショパンを追いつき、追い越したんだよな!! オレはまさか、ショパンを超えるピアノ曲を作る音楽家がいるとは思わなかった。しかも、この太陽系にいるとはな。ショパンも自分が史上最高だって自負していたから、あんたの存在を知った時のショックは大きかったんだ!!!」


ショパン「悔しいですよ、ナイバル様。あなたは僕以上の天才だ!!!だからこそ、文化祭に出てほしい。みんなを驚かせたい。僕の格上の存在がいることを生徒たちは知らない人が多い」


ナイバル「冥王星は自分たちの音楽を他の星へ輸出したりしない。自分から冥王星に来ない限り、冥王星でしか私の曲は聞けない。逆に、地球は積極的に音楽などを輸出していて、太陽系ではショパンのピアノ曲はとても有名だ。ショパン自身もな。だから、ショパンは超有名で、わしの存在はあまり知られてない。ショパンよりはな。冥王星も輸出すべきなのかもしれないな。音楽の輸出を。でも、ショパンのピアノ曲の新曲は毎回、楽しみにしている。音楽は永遠の勉強だからな」


ショパン「ピアノという楽器は地球から始まった地球オリジナルの楽器なんですよ。だから、ピアノを生んだ地球にいる僕が、他の星の人に追い越されて、とても悔しいですよ!!!」


ナイバル「ちょっとついてこい!」


 ショパンとラフマニノフは、ナイバルに誘われ、霊界の海へといった。


ナイバル「優れた曲かどうかを判断するときは、海の中にピアノを入れ、どれだけ海の生き物が近寄ってくるか!で判断する。水中から伝わる音の振動を敏感に感じとる魚などの海の生物たちが曲を審査をしてくれる。魚が激しくカクカク突進するように動いた音楽ならば、とても興奮を得られる音楽。魚が体を上下逆さにして、泳いだ場合は、感動する音楽。そして、何度も七色に魚が体を光らせた場合は、感動、興奮、癒しの3種類がそろった神曲だ!わしはいつも魚たちに自分の作曲した音楽を聞かせるよ。たまに、全く反応しない曲があり、その魚たちに意見を求めることもあるさ。あくまで、わしの場合はね」


ラフマニノフ「以前、海でショパンの曲をかけたら、鯨がたくさん寄ってきたんだ!!!オレのピアノ協奏曲をかけたら、様々な種類の魚たちが寄ってきた。懐かしいな。あの頃が!ちなみにあなたの好きなノクターン12番をかけたら、サンゴがダンスしだしたんだ」


ナイバル「鯨が寄ってきたなら、それは個性的で、独創性のあり、万人から好かれないが、ある種類の人間にはとても刺さる曲だ。たくさんの種類の魚が寄ってきた場合は、万人から好かれやすい曲だね。サンゴがダンスした場合は、癒し効果の高いメロディーなんだと思う。海の生き物は正直だから、人間以上に耳の肥えた聴衆だよ。海の生き物たちの反応をまとめて、曲の評価や分析をしてくれる『海の自動音楽評価機』を君のエキスパートピアノ音楽学校で広めてくれないか?私の会社が開発したんだ!きっと、ピアノ音楽の発展にとても貢献すると思う。わしも稼ぎたいから、ぜひ、冥王星しかないそれを輸出させ、有名にしてくれ!そうすれば、文化祭に出演してやろう!!!」


ショパン「お互い、力を合わせていきましょう!!!互いに利益を得られ、不満のないように協力しあいましょう!」


54


 霊界最高権力者「シナメルド」は「霊界音楽大臣」を決めるべく、ショパンとラフマニノフに直に会っていた。


シナメルド「これから先、霊界音楽大臣を決めるのだが、君たちが霊界音楽大臣に推薦する音楽家を教えてほしい。この紙に書いてくれ。ちなみに霊界音楽大臣は1人しか選ばれない。それはショパンとラフマニノフのどちらかだ」


ラフマニノフ「それでは、なぜ、私たちが推薦する音楽家を聞くんだ?」


ショパン「私たち2人のうち、どちらかならば、聞く必要はない気がするんだが……」


シナメルド「細かいことはいいから、紙に推薦者を書いてくれ!!!」


 ショパンとラフマニノフは紙とペンを渡され、名前を書いた。


シナメルド「霊界音楽大臣とは、つまり、霊界最高の音楽家の地位だ。肩書だ。立場だ。その者がトップとなり、霊界の音楽界を牽引していく。私の右腕になるんだ!!!!」


 シナメルドは2人が書いた紙を見た。


シナメルド「こうなったか……それでは、決まりだ。霊界音楽大臣はフレデリック・ショパン!!!」


ショパン「えっ?僕?僕が?本当に?そんなことあっていいのか?僕はラフマって書いたのに!!!」


ラフマニノフ「よかったな!!!ショパン!!!お前とはライバルだが、一足先を越されてしまったようだな!!!」


ショパン「ラフマ⋯僕は君に霊界音楽大臣になってほしかったのに!!!こんなの嫌だよ!僕は断るよ?ラフマを音楽大臣にしてくれ!頼む!シナメルド!!!」


シナメルド「いやいや、実は最初からショパンが音楽大臣になることになっていたんだ!私はショパンを右腕にしたいんだ!ショパンのピアノ曲のセンスはすさまじい才能だからな。それに惚れた!!!君たちに音楽大臣の推薦者を書かせたのは、誰の名前を書くか知りたかったからだ。ラフマニノフはショパンしかいないと書いていたな。お互い、思い合っていて、素敵な関係じゃないか!!!」


ショパン「嫌だ。ラフマと僕は一心同体だから!!!僕だけが偉そうな地位につくなんて嫌だ!僕はやらないからな!!!ラフマと一緒ならやる!!!」


シナメルド「そうか。なら、霊界音楽大臣はショパン。霊界外交大臣はラフマニノフ。ならばどうだ?どちらも要職で、霊界の重鎮だぞ?ラフマニノフはビジネスの才能が飛びぬけているし、外交的な性格からして、そうしたほうがいいな」


ショパン「霊界外交大臣は、霊界音楽大臣と同等の地位なんでしょうか?どうなんですか?そうじゃなければ許せません!ラフマと僕はお互い、助け合って、共に進化し、レベルアップしていきたい。一人だけ、勝っているなんて嫌だから!!!」


ラフマニノフ「ショパン!俺のことをそこまで思ってくれているのか!熱くて泣けてくるぞ!」


シナメルド「わかった。ショパンの言うように、二人とも同じ地位の役職を与えよう!霊界音楽大臣と霊界外交大臣。この2つは同じレベルの最も高い地位にしよう!!!」


ショパン「ごめんな!ラフマ。僕はラフマが音楽大臣になってほしかった!音楽家最高の栄誉と聞いて、ひとり、ずるいことしたみたいになってしまったよ!でも、ひとりしかなれないらしい」


ラフマニノフ「恥ずかしいこというが、ショパンにはうってつけだと思うぞ?美しい音楽を生み出す才能は誰よりもあるじゃないか!!!ショパンは音楽の偶像の最高傑作だ!音楽の才能では俺以上だ!だが、俺はショパンよりコミュニケーション能力がある。人見知りせずに、いろんな人脈を築き上げることができ、人付き合いがうまい。内気なショパンとは真逆だ。だからこそ、俺ら2人はバランスがいいんだ。人とのコミュニケーション外交は俺に任せろ!ショパンは音楽大臣が一番似合っている。霊界の誰よりもな!!!」


ショパン「ありがとう。ラフマ。内気な僕の弱点を補い、外交のことは任せた!!!」


シナメルド「実は、霊界音楽大臣を決めるにあたっては、私も悩んだんだ!!!しかし、ベートーベンとモーツァルトもショパンを推薦したよ!!!」


ショパン「あの二人が僕を推薦した?」


シナメルド「ショパンの旋律発想能力は霊界で一番だって、二人が口を揃えて言っていた!!!美しいメロディーを生み出す力こそ、音楽の才能そのものだってな。そう定義すれば、ショパンが霊界最高の音楽家になるとも言っていた!!!」 


ラフマニノフ「よかったな!ショパン!お前はやはり、音楽の申し子だ!!!俺がビジネスの成功を望んだのも、ショパンには音楽では敵いそうにないから、他にショパンに勝てる分野を持ってないとショパンと相棒になる資格はないと思ったからだ!ショパンという最高の音楽家に釣り合うために、俺も必死だったんだぞ?」


ショパン「ラフマ、、、君の方がピアノ演奏もうまいし、オーケストレーションもうまいし、ピアノ協奏曲の作曲でも上だし、霊界の音楽の先生としても3年連続1位だし、君も全然負けてない!その上、ビジネスで大成功した才能もあるし、外交的だし。君に嫉妬してしまうくらいだよ!!!」


シナメルド「お互いが本当に認め合っていて、見ていて心温まるよ!!!いつ見ても、最高のバディだな。こんなに仲がいいコンビは初めて見た!!!」


 ラフマニノフはショパンが霊界最高の音楽家だと、霊界最高権力者のシナメルドに認められて、自分のこと以上に嬉しかった。


 ラフマニノフはショパンこそ、音楽の最高傑作だと信じて疑わなかった。 


 しかし、ラフマニノフは内面、とても悔しかった。


 また、先を行かれてしまった。


 ライバルとして、バディ「相棒」として、自分は釣り合っていけるだろうか!偉大なショパンを心から尊敬するとともに、自分も負けないようにしなくてはと一層、心を燃やし、ショパンにさらに強く愛され、認められる人物になるんだと誓った。


55


 ラフマニノフはショパンといつもの海に来ていた。


 ピンクの水着を着たラフマニノフが、黒の水着を着たショパンと一緒に、海水浴を楽しんでいた。


売店でラフマニノフはコーヒーを選んでいると、ある男が近づいてきた。


「久しぶりだな、ラフマニノフ」


ラフマニノフ「うん?? お、お前は……」


 その男の名はパオロ・クルーガー。


 ラフマニノフに敵意を持っている危険人物だ。


パオロ「お前、ショパンと組んで経営している音楽学校はだいぶ、順調なようだな?? お前に殺された俺の妹が見たら、何というかな?」


ショパン「誰だ、お前。妹をラフマが殺した?? どういうことだ?? 何があったんだ??」


ラフマニノフ「お前にだけは会いたくなかったよ。こんな広い霊界で、まさか、こんなバカンス中に出会うとはな」


パオロ「お前が幸せそうなことが憎い!お前が憎い!妹がどんな思いでいるか、わかっているだろう」


ラフマニノフ「その話はするな!一番思い出したくない過去だ!」


パオロ「この世で一番の罪はなんだと思う?それは、忘れることだ!!!」


 パオロは、ラフマニノフに殴りかかった!!!


 ショパンはその拳を手で受け止め、パオロの攻撃を防いだ!!!


ショパン「僕のラフマには手を出すな!!!」


パオロ「お前は知らないんだ!ラフマニノフの非情さを!俺の妹は、こいつに、こいつに……」


 パオロは泣き出した。


ショパン「ラフマにどんな過去があったか知らないが、今のラフマは情があるいい奴だ!だから、こうしてバディを組んでいるんだ!!!」


ラフマニノフ「俺を殴ってくれ!パオロ。それで気が済むのなら」


パオロ「なんでお前はショパンと一緒になってるんだ?お前を愛した俺の妹が、毎日、お前を忘れられずに泣いているんだぞ?よく平気な顔で、海水浴になんて来れるな?俺はお前を許さないからな!絶対に!!!」


ショパン「ラフマを殴らせるなんて絶対にさせない!きっと恋愛でもして、合わずに、別れたのを逆恨みされているんだろ?ラフマ??」


ラフマニノフ「いや、少し当たっているが、違う!俺は本気でその妹を愛していた!だが、音楽の道とその妹のどちらかを選ばなくてはならなくなり、俺は音楽の道を選んだんだ!!」


ショパン「そうか。でも、ラフマに罪はないよ!夢を捨てられなかっただけなんだから。恋愛と音楽、どちらを選ぶかって言われたら、僕だって音楽をとるよ!!!その妹って誰なの?」


ラフマニノフ「お前も会ったことのある人物だ!」


パオロ「バイオレットだ!!!バイオレットはラフマニノフを好きだった。ラフマニノフも本気でバイオレットと愛し合っていたはずだった。だが、ある日、二人は破局を迎えた。ラフマニノフが一方的に振ったんだ!!!理由を俺はまだ聞いてない!!!だが、どんな理由があるにせよ、俺には許せない!バイオレットは俺の大切な妹だ。大事な最愛の妹だ!その妹がショックのあまり、毎日泣いている!ラフマニノフが憎いんだ!!!」


ショパン「バイオレットって、、、ラフマにいきなりキスして、僕が注意した、あの子だよね」


ラフマニノフ「夢を捨てきれなかったんだよ!!!それに、バイオレットに夢中になったお偉いさんに目をつけられ、バイオレットと別れなければ、音楽学校の未来はない。ショパンにも危害が及ぶだろうって脅迫されたんだ。エキスパートピアノを守るため、ショパンを守るためにも、俺は、バイオレットと決別することを選んだんだ」


パオロ「そのお偉いさんって誰だ?俺が殴ってやる」


ラフマニノフ「それは言えない!!!口外したら、本気で俺たちは潰されるだろう」


ショパン「霊界最高の権力者であるシナメルドに何とかしてもらえないのか?トモダチになったし」


ラフマニノフ「それは、無理だ。シナメルドよりも数十段上のお偉いさんだ!!!」


 パオロはラフマニノフを一発軽く平手打ちした。


パオロ「言えよ!!!ラフマニノフ!!!言え!!!誰だ!誰なんだ!」


 パオロは今にもラフマニノフを殺しそうな勢いで、胸倉を掴んだ。


ラフマニノフ「ミヤザワトモヒデ。宇宙の神だ!!!」


パオロ「なんだと……」


 パオロは急に勢いがなくなった。


ラフマニノフ「無理だろ?宇宙の神が相手じゃ。誰も逆らえないからな!」


パオロ「よりによって、何の理由でそんなことしたんだ?バイオレットを宇宙の神に奪われただと?」


ラフマニノフ「ミヤザワトモヒデはバイオレットを妻にするらしい」


パオロ「そんな、、、バイオレットはラフマを愛しているのにその宇宙の神に邪魔されているってことか??」


ラフマニノフ「バイオレットは嫌がっていたが、トモヒデは強引に従わせているんだ!!!権力でな!」


 パオロはその場に崩れ落ちた。


 俺たちが勝てる相手ではない!!!


 では、どうすればいいんだ?


 確かに宇宙の神と結婚すれば、玉の輿で、バイオレットはとても大きな力を得る。


 しかし、バイオレットが本当に愛しているのはラフマニノフだ。


 真実の愛を大事にしてほしい。


 バイオレットが一番幸せな道を歩んでほしい。


ラフマニノフ「仕方なかったんだ。こればかりは。逆らえなかった!俺も泣いたさ!泣き腫らした。ショパンに気づかないところで、いつも泣いていたんだ。バイオレットを忘れたくてショパンと志事に夢中になっていたんだ」


パオロ「そうだったのか、お前に悪いことした。何も知らずに俺は、お前ばかり憎んでいた」


 パオロは気が動転して、しばらくその事実を受け入れることができなかった。



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