まとめ♯7
46
ショパン「お願いします。どうしてもそうしてほしいのです」
シナメルド「つまり、すべての霊界の人にピアノ練習と作曲のレッスンを1時間やったものにはそのたびに、2万生命ポイントを付与するという法律を施行してほしいということか?」
ショパン「土下座でも何でもします。早く、私やラフマニノフを超える音楽家を見つけたい。その才能あるものを見つけるのは、エキスパートピアノ音楽学校だけでは不十分です。何かしらアクションを起こさないとなりません。もう、設立して数年が過ぎましたが、まだ現れません」
シナメルド「まだ、数年しか経ってないのに、なんでも早く望みすぎだ。そんな簡単にショパンを超えるピアノ音楽の天才作曲家が出るわけないだろう」
ショパン「しかし、才能あるものがピアノに縁してないだけかもしれません。だから、縁しやすいように1時間2万生命ポイントをエサにして、天才を見つけ出したいのです!」
シナメルド「そのようなことは難しいな。その生命ポイントはどこで調達するんだ?」
ショパン「それは⋯」
シナメルド「できないことはないが、それをして私に何のメリットがあるんだ?それしだいだ。私に何を差し出せるんだ?これは取り引きだからな」
ショパン「私がその生命ポイントを用意したいのですが、まだ不可能です。これから政治の仕事をしてほしいなら、私の願いを聞いてください。その政治の仕事をしますから!協力をしますから!その報酬の代わりに、1時間ピアノ練習、作曲の練習をしたら2万生命ポイントを付与できるようにお計らいしてくれませんか?」
シナメルド「政治の仕事、なんでも協力してくれると誓うならば、やってやろう。しかし、なんでもということは、汚いこともしてもらうことになるかもしれん。理由を聞かず、やってくれ!」
ラフマニノフがいきなり現れた。
ラフマニノフ「なんの話だ?ショパン。何してる?霊界最高責任者のシナメルド様に会って」
ラフマニノフはショパンから今までの話の経緯をすべて聞いた。
ラフマニノフ「冗談じゃない。ショパン。何言ってるんだ!余計なことをするな!シナメルド様!今の話は全て無かったことにしてくれ!シナメルド様に頼む必要はない!そんなことしなくていい。私たちだけの力でやろう!シナメルド様に借りを作るな!法律なんかつくらなくていい。また、自分たちだけで宣伝やCMをつくって、広めよう。生命ポイントは私が用意する。できるだけ用意するから。資金が尽きるまでやってもいい。ショパン。シナメルド様を利用しようとするな!私たちのプライドがあるだろう。お偉い様の顔を気にしながら、夢を実現するなんて俺は嫌だぞ!政治の仕事で汚いこともしてもらうって言って、ショパンを利用しようとしているシナメルド様、いや、シナメルドには幻滅した!」
シナメルド「なんだ!私が気に入らないのか?」
ラフマニノフ「ええ!その通りです!ショパンに汚いことをさせようとするのは、心外です!やめていただきたい!」
シナメルド「私が一つ、書類にサインすれば、お前たちは音楽学校を経営できなくなるんだぞ?それでもいいのか?私に逆らうというのか?」
ラフマニノフ「そんな脅しは通用しない!私たちの音楽学校を潰したいなら潰せ!あなたが最低な人間に堕ちるだけだ!私たちは汚いことをしたくないだけなんだ!汚いことをするくらいなら夢をあきらめる!汚いことをして夢を叶えても嬉しくないんです」
シナメルド「ハハハ!! やはり、そう来たか!! 気に入った。そうだ。それでこそラフマニノフだ。正義の男だ!私はショパンを試したんだ!汚いことをやらせるわけないだろう。私が一番嫌いなことだからな。ショパンがもし、汚いことでもやるって言ったのなら、説教するところだった。まあ、その真意を確かめる前に、ラフマニノフが登場したわけだが!! 汚い提案をされた時に流されずに、、しっかり断れるかを試そうとしたんだ。。悪に屈しないかをな。。ラフマニノフは素晴らしい。。天下の私に屈しない姿勢がな。政治家になる上で必要なことだ」
ショパン「でも、夢のためには手段を選んでいられないんだよ!それだけこの夢に力を入れているんだ!だから、シナメルド様の協力を得られないかなって思ったんだよ!夢のためならプライドを捨てようとすら思ったんだ!本来、お偉い様に頼むなんてしたくなかったんだけど。これでも勇気を出したんだ。シナメルド様。どうか、音楽学校を潰さないでください。僕はエキスパートピアノが生きがいなんです!できるだけたくさんの人にピアノの魅力を伝え、ピアノに出会う縁を作ってあげたいだけなんです!」
シナメルド「脅して本当にすまなかった。君たちの夢を心から応援させてもらう。それより、生命ポイントの用意は私に任せなさい。今の2人の話を聞いて、私も協力したくなった。宣伝も私の力を使って、霊界全体にしてやろう」
ラフマニノフ「それはありがたいが、汚いことはしませんよ?政治の仕事は私もショパンも関わりたいとは思っておりますが!」
シナメルド「そうだ。それでいいんだ!君以上に、私は正義や正しいことを重んじることがわかってないな?」
ラフマニノフ「それならこれからもお付き合い、よろしく!それから、ひとつ、頼みがあるんだが!」
シナメルド「なんだ?頼み?」
ラフマニノフ「友達になってほしい。あんたとは気が合いそうだ!お互い、正義を重んじる生き様がね!これからはタメロで接するが、それも許してほしい!」
ショパン「さすがにタメ口はまずい気が!」
シナメルド「そうしてもらえると、こちらも助かるぞ!私はタメロで会話したことはもうかなり遠い昔だ。寂しかったんだ。心許せるダチになろうぞ!」
ラフマニノフ「この3人はこれからどんなことがあっても共に助け合うダチでいよう!ほら、ショパンも約束の握手をしろ!」
ショパン「霊界で最高の立場であるシナメルド様に握手?トモダチ?」
ラフマニノフ「様をつけるな。『シナメルド』だ」
ショパン「シナメルド!ラフマ!これからいつまでも助け合っていこう!僕たちはトモダチだ!」
シナメルド「そうだ!そうだ!お前たち!面白い奴らだな!こんな愉快な気分は初めてだ!ハハハ!この札を渡しておく。なにかあったときに、この札を見せれば、悪い待遇はされないだろう!」
ラフマニノフ「ありがとう。シナメルド!俺たちも必ずあんたの力になれるように精進してゆくさ。助け合いだ」
3人がトモダチになり、互いに何があっても協力して、困難を乗り越えていくことを誓い合った記念日になった。
47
ショパンとラフマニノフがダブル校長を務める「エキスパートピアノ音楽学校」の職員室の提示版になにやら奇妙なものが貼り出されていた。
A5の紙に赤いマジックペンで、手書きの大きな文字でこのように書かれていた。
「19時00分00秒ちょうどに、総合体育館のグランドピアノでショパンのバラード4番とラフマニノフのプレリュード鐘を連続で弾くと、その人は廊下で騎士にさらわれ、ある条件を満たせば、、5日間で超金持ちになれるチャンスを与えられる。。総合体育館で一人で弾いた場合に限る。周りに一人でも誰かいたら、何も起きることはない」
というものだ。
「嘘だろ?誰かが面白がってデマを流しただけじゃないか?」
「でも、万が一、本当だったらどうする?」
生徒たちが動揺している。
そのことはすぐにショパンとラフマニノフの耳にも入った。
このところ、いきなり無断で休む人が増えたから、何か関係があるのかもしれない。
全校集会が開かれた。
ショパン「皆さん、最近、不思議な正体不明の張り紙が、職員室前の提示版に出されました。しかし、これはデタラメですので気にしないでください。あなた方生徒たちはピアノの勉学に集中して励んでください」
ラフマニノフ「変な噂や都市伝説に振り回されないでください!」
といったが、噂はすぐに学校の生徒たちほぼ全員に広まってしまった。
ショパン「ねえ、ラフマどうする?噂が広まりすぎた。今、みんなあの張り紙のことが気になって仕方ないみたいだよ?」
ラフマニノフ「いい方法がある!」
ラフマニノフは総合体育館にいた。もうすぐ19時ちょうどになる。スタンバイ0K!19時ちょうどになり、バラード4番とプレリュード鐘を連続で弾いた。
ショパン「ラフマ。本当に大丈夫?ラフマがもし都市伝説通り、連れ去られでもしたら困るよ!」
ラフマニノフ「しかし、真相を突き止めるにはこれしかないんだ!」
その30分後、ラフマニノフは失踪してしまった。
ショパン「どうしよう!ラフマがいきなりいなくなってしまった」
ショパンもラフマと同じように19時ちょうどに総合体育館でピアノを弾こうか迷っていた。
ラフマはもしかしたら、いや、たぶん、都市伝説の噂どおり、不思議な場所へと連れていかれたんだ!
ショパン「どうしよう?」
それから5日後、ラフマニノフが帰ってきた!不意に、いきなりショパンの目の前に現れた!
ラフマニノフ「ショパン!久しぶりだな!」
ショパン「ラフマ!どこに行っていたんだ?」
ラフマニノフ「いや、ずっと5日間ピアノを演奏していた。ある事情でな!」
ラフマの表情はイキイキして明るかった。
ショパン「あの都市伝説で騎士に連れていかれたのかと思っていたよ!何も起きなかったってこと?」」
ラフマニノフ「いや、起きたさ!いきなり騎士が現れ、ある場所に連れていかれたんだ!」
ショパン「ある場所?なんだそれ?どこ?」
ラフマニノフ「それが思い出せないんだ!記憶を多少、操作されたらしい。ピアノを5日間弾いていたことくらいしか覚えていない」
ショパン「そんなことあり得る?? ますます興味深いな!」
ショパンは結局、自分で真相を突き止めるしかないと思い、19時ちょうどにラフマニノフと同じようにピアノを弾いた。
「ショパンのバラード4番」と「ラフマニノフのプレリュード鐘」
ショパンは廊下を一人で歩いてた時、騎士が現れた。
ショパン「お前たちだな!噂の騎士は!なぜ、私たちの学校で勝手なことしてる?許さないからな!」
黄金の騎士「私たちの目当てはお前だ!ショパン!」
ショパン「その声はまさか?」
銅の鎧、銀の鎧、金の鎧。
3人の騎士はそれぞれカラーが違った鎧を着ていた。
顔は仮面で隠れていてよく見えない。
しかし、騎士の声が聞き覚えがあった。
ショパンは3人の騎士に手足をつかまれ、宙づりにされながら、壁の中をすり抜けながら連れていかれた。
3人全員の騎士が仮面を取った。
ショパン「あっ?やっぱり!あなたでしたか?」
そこには宇宙の神様の親友である「アームストロング」と宇宙の神様「ミヤザワトモヒデ」がいた。そして、もう一人はアゲハだった。
アゲハ「久しぶりね!ショパン!って言っても宇宙の果て冒険で会ったばかりか」
アームストロング「ショパン。実は私たちが、この都市伝説を流行らせたんだ!」
ミヤザワトモヒデ「この世界には地上世界での死によるショックから立ち直れないものがたくさんいる。だから、死を連想させるような暗さを持つバラード4番とプレリュード鐘をピアノで演奏してもらい、その鎮魂歌、レクイエムの役目をさせていたんだ。バラード4番の4は『死』、プレリュード鐘の『鐘』は死者を想い、鐘を鳴らすという意味で、この2曲は連続で弾くと、死を悲しんでいたものが、すぐに立ち直れる元気が出て、前向きになれる不思議な癒すパワーを生み出すことが分かったんだ!だから、総合体育館で、1人でこの2曲を弾かせたいと思って、この噂を作った。職員室の提示版を使ってな。実は、総合体育館にはたくさんの癒しを求めている死者の霊がたくさんいる。それらが、癒されるようにしたんだ。君たちは気づいてないだろうが、君たちが一人で都市伝説通りに、バラード4番とプレリュード鐘を弾いたときに、その体育館の場所には何百万という死んでショックから立ち直れない霊たちがいたんだ。姿や存在を隠す生命隠匿装置をつけていたから気づけなかっただけで。そして、その霊たちは、ショパンやラフマニノフたちや、演奏してくれた生徒たちに各霊、一人一人が、3万生命ポイントを謝礼として渡すことを約束している。ショパンは今、体育館にいる259万人の霊たちをピアノ演奏で癒せば、3万x259万で777億生命ポイントが得られる。いい仕事だろ?ラッキーセブンで、縁起がいいだろ?本当に縁起のいいことをするんだ!そして、それだけの生命ポイントがもらえる。こんな美味しいビジネスはないだろう。これから金が必要になるだろうからな」
アゲハ「まあ、それだけじゃないんだけどね。この都市伝説を作れば、学校自体が面白くなると思ったのよ!噂や都市伝説や七不思議みたいな、幻想的なものを生み出したかったのよ。幻想的な雰囲気は、、ショパンが得意でしょ?? バラード4番とプレリュード鐘の2曲に鎮魂歌の特殊パワーがあることを最初に見つけたのは、私なんだからね。感謝してよ?ノブがバラード4番とプレリュード鐘の2曲を、たまたま集まっていた死者の弔いの会で演奏したら、そこの死者の霊たちがいきなり元気になり、何かこの2曲にはあるんじゃないかと感づいて、実験してみたら、思った通りだったのよね。まあ、この学校を実験の場に勝手にしたのは悪いかもしれないけれど、どうでもいいでしょ?777億も稼げるんだから!」
ショパン「それより、、生命隠匿装置で、、何百万の霊たちが我がエキスパートピアノに無断で入り込んでいたことが、、驚きだ」
ミヤザワトモヒデ「私は地上世界から他界したばかりの、、霊界の新参者には6ヶ月限定で生命隠匿装置をどこでも使えるように、、許可している。。私に逆らうのか??」
ショパン「いや、、そういうわけでは……ラフマニノフはピアノを5日間演奏したことを覚えてなかったみたいですが……」
ミヤザワトモビデ「ラフマニノフには内緒にしておくようにといったんだよ!ショパンに聞かれたらとぼけるようにとね。なんでもやる前から真相を解明して、理解してしまったら、せっかくのワクワクさもなくなってしまうだろうってね!」
ショパン「ちょっと待って!ラフマが5日間ピアノ演奏していたということは、つまり……」
アームストロング「そのまさかですよ。これから5日間、ショパンにはバラード4番とプレリュード鐘を休憩なしで、、演奏しつづけてもらいます。じゃないと、777億生命ポイントはもらえません!」
ショパン「超しんどいじゃん!ぶっ続けで120時間か、、でも、やってやる!!!777億のためなら!金が必要だから!新しいビジネスをするための資本金にしたいからね」
アゲハ「もし、、777億もらったら、、少し私にも分けなさいよ。。私がこの癒しパワーを発見したんだから」
ショパン「30億でどう??」
アゲハ「半分よこしなさい!!」
ショパン「ふざけるな!!」
アゲハ「冗談よ!!」
48
ラフマニノフは霊界で最も人気な占い師の店に来ていた。
3か月予約で一杯だったので、待ちに待った来店だ。
ラフマニノフ「オレの相棒の音楽家とはこれから先、仲良くやっていけるでしょうか?それともいつか別れは来てしまうのでしょうか。オレはそれだけが不安です!」
占い師「誓い確定機に誓ったから、あなたとショパンは間違いなくずっと一緒に、永遠ともいえる時間、一緒にいれる可能性があります」
ラフマニノフ「なぜ、誓い確定機のことを知ってるんだ?どうやって知った?」
占い師「だてに、売れてる占い師じゃありませんよ!」
ラフマニノフ「本当にショパンとはいつか別れることにならないんだな?」
占い師「今、ショパンについて調べます。5分ほどお待ちを」
ラフマニノフ「あなたは何でも調べられる最高の占い師らしいな。期待しているぞ!!」
数分が経った。
占い師「……なるほど。そう来ましたか。ラフマニノフさん。今からとても残酷な事実を申し上げますが、覚悟はいいですか??」
ラフマニノフ「ああ!!」
ラフマニノフはドキドキしながら返事をした。
胸の鼓動が早く打っている。
占い師「今から1年以内にショパンはある危機に見舞われます。ショパンの存在自体を消滅させるかもしれない大危機です。ラフマニノフさん。あなたは、それを助けるか、助けないかを選択させられます。一番大事な夢と引き換えにね」
ラフマニノフ「どういう意味だ?」
占い師「あなたの夢である音楽学校や音楽の仕事をあきらめるというものです。ショパンが消滅しないで済むためには、その夢を捨てるしかなくなります。しかし、ショパンはラフマニノフに音楽の夢を託し、自分は消滅することを選ぼうとします。あなたがどうするかで未来は変わります。音楽の夢を捨ててでも、ショパンを守るか、ショパンを消滅させてでも自分の音楽の夢を守るかの残酷な2択を要求されるでしょう」
ラフマニノフ「嘘だろ?? 信じられん。初耳だ」
占い師「ショパンはもともと、私たちとは違う生まれ方をしたのです。私たちは万物を創造した神から作り出されましたが、ショパンはあるものから生まれたのです。それはピアノです。あるピアノがいつの日か、我々と同じような心を持つようになり、その心がやがて、ショパンというピアノの詩人を生み出したのです。ショパンはそのピアノそのものなのです。ショパンはピアノに戻る選択をするか、迫られます。ショパンの消滅とは、そのショパンを生んだピアノに戻ることなのです。ショパンの生命は有限で限りがあります。私たちの永遠の生命とは違うのです。ショパンはきっと自分の生命が有限であることを隠しています。自分がいずれ、消滅してしまうことを必死に忘れようとしているのです」
ラフマニノフ「ショパンがいずれ、消滅する運命だと?有限の命だと?じゃあ、永遠にずっと一緒にいようねって言っていたのは、俺を喜ばせるための嘘だったのか?」
占い師「ショパンは今、自分が有限であることを知っているし、それを回避するには、ラフマニノフに一番大事な音楽の夢を捨てさせるしかないので、その事実を言えなかったのだと思います。またショパンが1000年生きるためにはそれなりのものを代償に差し出さなければいけません。だから、ショパンは平気なフリをしていて、実際はかなり悩んでいたと思います。1000年に1度、ショパンは消滅の危機を迎えます。それが今から1年以内に起こるというものです。ピアノの「物霊」から霊の生命「真霊」と一時的に進化させてもらうときに『神に一番大事な夢と引き換えに、1000年の真霊の命を与えてもらう』と、取引をしたのです。1000年の人間としての霊としての命を手に入れる代償がありました。ちょうど、その1000年後をまもなく迎えるので、生命の更新の時期を迎えたのです。あなた次第ですよ。ショパンがまた1000年生きられるかどうかは」
ラフマニノフ「そんなバカな。では、最初の1000年の時は、どんなものを犠牲にしたんだ?」
占い師「音楽家としてオーケストレーションをずっと永遠に下手くそになるというものです」
ラフマニノフ「何!! では、オーケストレーションが苦手なのは、そのせいだったのか。ショパンはそれを隠していたのか。ショパン。あいつ⋯⋯」
占い師「残酷な運命ですよね。ショパンは自ら消滅することを選ぶでしょう。あなたがショパンと一緒にいたいなら、必ず阻止してください。音楽はあきらめることになりますが」
ラフマニノフ「あいつ、一人で悩んで、苦しんでいたのか……しかし、なぜ、今度、生命更新の時には俺の音楽家としての夢を差し出さないといけないんだ??」
占い師「それがショパンにとって最も大事な夢だからです。自分より大事なあなたという存在を見つけたのです。ショパンは生命更新の1年前になると、生命更新の記憶が蘇るようになっています。なので、今まで強制的に生命更新の記憶を消されてましたが、今、生命更新の1年前になったので、生命更新の事実を知った頃でしょう。ショパンはかなり今、苦悩してると思います」
ラフマニノフ「そんなバカな……酷すぎる」
ラフマニノフはショックで涙が止まらなかった。
49
ラフマニノフはとても焦っていた。
ショパンが今から1年以内に消滅するかもしれない。
それを回避するには、音楽学校の夢、音楽の仕事をあきらめなくてはならない。どちらも茨の道だ。
ラフマニノフは知り合いの宇宙の神「ミヤザワトモヒデ」に相談した。
ラフマニノフ「誓い確定機に以前、ショパンと共にパートナーになり、永遠に一緒にいると誓い合いました。それは、確定されたのか聞きたくて、あなたを尋ねました……」
ラフマニノフはミヤザワトモヒデにショパンのことを全て話した。
ミヤザワトモヒデ「誓い確定機に誓った内容を確定させるかは、私が決めることだ。ただ、誓い確定機による別名『宿命確定機』に宿命を決定させたければ、誓った本人による『ジョーカーゲーム』をしなくてはならない。そのジョーカーゲームに勝てば、私が捺印をして、宿命が決定される。ショパンの消滅を阻止し、なおかつ、音楽の仕事もできるようにしたいならば、ショパンに霊としてのそのものの生命を与えるしかない。宿命確定機を使い、ラフマニノフがジョーカーゲームを行い、それに勝利すれば、ショパンは永遠の生命を手に入れ、消滅しないで、永遠に存在することができる。音楽の道も永遠に共に歩める。この世で永遠の生命である「真霊」の命をショパンに与えるのはそう簡単なことじゃない。宇宙で最も困難なことだ。ジョーカーゲームをやるしかない」
ラフマニノフ「どんなゲームですか??」
ミヤザワトモヒデ「賭け事だ。自分が賭けたものの価値が大きければ大きいほど、そのゲームに勝利したときに得られる勝利品はデカい」
ラフマニノフ「やります。やらせてください」
ミヤザワトモヒデはあるカードの束を出した。その束から1枚のカードをラフマニノフの前に置いた。
ミヤザワトモヒデ「これからジョーカーゲームを始める」
ミヤザワトモヒデがそう叫ぶと、カードから黄色いピエロが実体化して現れた。
ピエロ「何がお望みですか??」
ミヤザワトモヒデ「ラフマニノフ!望みを言え!」
ラフマニノフ「ショパンが永遠の生命である『真霊』を手に入れ、永遠に存在できるようにしてほしい。ショパンが1000年に1度、一番大事なものを差し出さないと消滅するというウザイ設定をすべて消して、純粋に私たちみたいに、永遠に生きられるように、消滅しないようにしてほしい。そして、私がショパンと永遠にずっと一緒にいられるようにしてほしい」
ピエロ「つまり、ショパンと永遠にずっと一緒に音楽活動をしたいということですね。わかりました。今からやるジョーカーゲームであなたがその望みを叶えるために賭けなくてはならないものを言いましょう」
ラフマニノフ「なんだ」
ピエロ「それは、あなたがジョーカーゲームに負けた場合、宇宙の果て138億光年の遥か彼方から138億年、ずっと孤独な旅に出てもらいます。ある星に一人、さみしく138億年、過ごしてもらいます。あるのは、ピアノだけです。それ以外はない一人孤独な星で138億年過ごしてもらいます」
ラフマニノフ「なんだと……138億年だと?? それはあまりに悲惨ではないか!!」
ピエロ「永遠の生命『真霊』とは宇宙で最も偉大なものです。これくらいの負けた時の代償を賭けてもらわなければいけません!!」
ラフマニノフ「ちょっと決断する時間をくれ」
ラフマニノフは絶句してしまった。
あまりに危険だ。負けた場合、どうなるんだ。
でも、ショパンと一緒にいるためには、音楽学校を成功させ、夢を叶えるためには、ショパンを救うためには、どうしてもしないとならない。どうしよう。
ラフマニノフは30分ほど悩んだ。
自分が音楽の道をあきらめれば、ショパンとはずっと一緒にいられる。
だが、ショパンは1000年に1度、一番大事なものを差し出さないとならない。
差し出さないと、ピアノに戻ってしまう。
ショパンをその消滅の呪いから解放してあげたい。
よし!
ラフマニノフ「ジョーカーゲーム!! 始めましょう!!」
ピエロ「負けて、泣き叫んで後悔しても遅いですよ??いいですか?? 本当にジョーカーゲームをやりますか??」
ラフマニノフ「はい。ショパンのためなら、、どんな苦痛だって耐えてみせる!!」
ピエロとミヤザワトモビデはお互いを見つめあい、うなずいた。
ピエロ「それでは、ゲームをします。ただのポーカーです。私とポーカーをして、より高い手を出した方が勝利です!5分もかかりません」
ラフマニノフ「運任せではないか。それは困ったな。運が悪ければ、138億年の孤独の旅を送ることになる。でも、ショパンのためなら死んでもいい!!」
ラフマニノフは決意を固めた。
ピエロ「ジョーカーゲームをやりますか?最終確認です」
ラフマニノフ「はい!!」
ラフマニノフ「なんということだ!!ヨッシャーーーーーーー!!やったーーーー!!やったよ!!勝ったぞ!!」
ラフマニノフは最高位のワイルドカード抜きのロイヤルストレートフラッシュで勝った。
ピエロはファイブカードだったが、このゲームのルールではワイルドカード抜きのロイヤルストレートフラッシュの方が、ファイブカードより強い最上位の手に指定されていた。
運命のいたずらか、それは、以前、ラフマニノフがゲームセンターでショパンに勝った手と同じであった。
ピエロ「ハハハ!!僕の負けだ!では、宿命を確定しよう。ミヤザワトモヒデ様。捺印を」
ミヤザワトモヒデはラフマニノフの望みを「宿命確定機」に捺印して、確定させた。
ラフマニノフ「ショパンにすぐに知らせなくては」
ショパン「ラフマ!!」
ラフマニノフはいきなり現れたショパンに飛びつかれ、抱きつかれた。
ショパンは感謝の抱擁をした。
号泣しながら、抱きついた。
ラフマニノフ「ショパン。お前、どうしてここに??」
ショパン「僕はずっと君のゲームを見守っていたんだよ。ミヤザワトモヒデ様の使いがきて、知らせてくれたんだ。。見て!! ほら、、この生命コードに『真霊』って表示されている。。今まで『物霊』だったのに。。」
ラフマニノフ「ショパン!よかったな!これでもう消滅しないで済むぞ!ずっと一緒にいられるぞ!音楽の夢を追いかけられるぞ!」
ショパン「こんな日が来ようとは!!誰が想像した??本当に生きててよかった!ありがとう!ラフマ。君は最高の相棒だ!ずっと一緒だ!!!!!絶対に僕はラフマから離れない!!!」
ラフマニノフ「ショパン!!」
ショパン「はああ!!ラフマ!!」
ショパンは涙を流して、喜び、ラフマの胸にずっと抱かれていた。
ショパン「まさか、まさか、ラフマが僕のことを救ってくれるとは。必ずこの恩は返すから」
ラフマニノフ「一緒にいてくれるだけでいい。それこそ最高の恩返しだ!!」
ピエロ「まさか、ラフマニノフがあんなにショパンを救いたがるとはね」
ミヤザワトモヒデ「138億年も孤独で過ごすなんて賭けすら、2人の友情は超えていったんだな」
ピエロ「このジョーカーゲームは形だけで、必ず賭けた人が勝利することになっているとはいえ、ラフマニノフのあのショパンのためなら138億年苦しんでもいいという気持ちは本物だった。あんな熱い友情は見たことがない」
ミヤザワトモヒデ「そうだな!あの2人は宇宙最高のバディだよ!」
50
ショパンとラフマニノフは霊界で現在、3番目の音楽学校「エキスパートピアノ」の校長を2人で務めているのだが、その学校の外壁工事について話し合っていた。
ショパン「僕の願いとしては、白い大理石とオレンジダイヤモンドで外壁を霊界一豪華なものにしたいんだが!!!」
ラフマニノフ「なぜ、そうしようと思った?」
ショパン「この世界で一番豪華でスゴイ音楽学校にしたいと思ってね。学校の宣伝にもなると思うんだよね。ホワイトとオレンジの組み合わせって美しいと思っているんだ!」
ラフマニノフ「それじゃあ、本物のオレンンジダイヤモンドを使う気か?いくら金がかかるか恐ろしいな!」
ショパン「それだけ音楽学校に思い入れがあるんだよ!!!300億生命ポイントまで出せる!ラフマも出してくれ!そうすれば、入り口に豪華なオレンジのダイヤモンドとホワイト大理石をたくさんつけて、より学校を魅力的にできる。入り口って一番みんな通るし、注目されるからね。また、ニュースになるはずだよ!霊界で一番豪華な音楽学校の玄関入り口としてね!そしたら、もっとこの学校が有名になり、僕たちの夢も前進するかもしれないし。それと、もっと大事な目的があるんだ!」
ラフマニノフ「おそらく、予想だが、それだけ音楽学校にお金をかけたとなれば、音楽学校のことをほったらかしにしなくなる!あきらめきれなくなる!というようにしたいんだろ?俺たちで!」
ショパン「そうなんだよ!よくわかったね!それだけの金を、2人で600億生命ポイントをかけたとなれば、妥協しなくなるだろう!音楽学校の価値を高めたいんだ!何があっても音楽学校にすべてを捧げ、発展させてゆくという誓いの印として、それだけの金を払ってほしいんだ! このエキスパートピアノと結婚するみたいなものだよ」
ラフマニノフ「300億も出すのか!!」
ショパン「これから永遠に音楽学校に尽くすという契約金みたいなものだよ!大金を使い、誓い合うのさ!大金じゃないと意味がない!それだけこの音楽学校に思い入れがあるんだよ!気に入ってるんだよ!」
ラフマニノフ「777億ポイントを最近、稼いだばかりだから、出せないことはない。そうだな!やってやろうじゃないか!ただ、こうしよう、左側の外壁にショパンのいうホワイト大理石とオレンジダイヤモンドを。右側にはブラック大理石とピンクダイヤモンドを!」
ショパン「ピンク?ラフマはピンクが本当に好きだね!そうだね!僕だけのアイデアじゃなく、2人のアイデアで作った方がいい!じゃないと、意味ないからね!お互いが一番好きになれるような造りにしようね!」
こうして、外壁工事はスタートした。
霊界の物質は主に2種類のものがある。
「天然の自然に元からあるもの」=天然自然物
「人の思念により生み出されたもの」=思念操作物
ショパンとラフマニノフは前者のものを選んだ。
人の思念が生み出したものは、思念の有無や強さで時間と共に消滅してしまうが、天然自然物は、いつまでも残る。
音楽学校はすべて天然自然物により生み出されたものである。
思念操作物を永遠に残るようにするには、方法があるが、それには金がかかる。
天然自然物の方が価値が高い。
思念操作物は、思念によりほぼなんでも生み出すことが可能なので、天然自然物よりも価値は劣る。
ショパンとラフマニノフだけの霊界で最も豪華な音楽学校はこうして造られることになる!
ショパン「ありがとう。ラフマ。僕のわがままに付き合ってくれて。でも、このエキスパートピアノの価値を高めたいんだ!やる気が倍増するよ!1億倍くらいね!そのやる気のためにやったことなんだ!もっとがんばれるようにするために必要なことなんだ!」
ラフマニノフ「お前がもっとやる気になってくれるのならば、俺は喜んで協力するさ!もう、オーケストレーションが苦手という呪いも無くなったわけだし、消滅する危機もなくなったからな!お前といつまでも音楽学校を続けていこうと思う!」
このショパンの行いは、、やがて2人の夢を叶える力となり、、報われて返ってくる。




