第七十話 冒険者ギルドに報告
アッ――――――!
「ユウキ様、お待ちしていました」
冒険者ギルドの支部の前に行くと、大量の冒険者たちと支部長が膝をついていた。
ったく、レッドドラゴンさん、カリスマホスト化はやりすぎだろ。
「すげえ、前はちょっと弱そうって思ってたのに、今じゃ貴族様よりオーラがあるぜ」
「分かる。ってかめっちゃカッコいい」
「私もハーレムに入れてくれないかしら?」
冒険者たちの呟きがめっちゃ聞こえる。五感もよくなったらしい。
ちなみに餓狼の五人とカレイナ、アリア、エメリアはどや顔をしている。
なんでお前たちがどや顔するんだよ。
「そんなにかしこまらないでくれ。俺たちは報告があるから、ちょっと退いてくれ」
「ユウキ様、配信見てました! 雷切と雷足かっこよかったです!」
「バルクの街に初めて来た時からのファンだぜ。頼む! 握手してくれ!」
「ユウキ様~!」
何故か、握手会が始まろうとしてる。
まあいいか。リアル配信者でもこういうことあるらしいし。
俺は、冒険者の皆に握手する。ついでに餓狼の五人とカレイナたちまで握手の列に並んでるよ。
支部長まで握手を求めてくるのでそこで区切りにして、支部長の応接室に連れていく。
あれ、立場逆じゃない?
「ユウキ様の配信は仕事中も欠かさず見ているのです」
「いや、仕事しろよ」
「そんなユウキ様に握手までしていただけるとは!」
話聞いてね? 落ち着いてもらい、一階層のモンスターハウスの中で見つけた裏階層について話をする。
「配信を見て、すぐにBランク以上の冒険者に調査に行ってもらいました。あそこは魔境です。出てくる魔物のレベルが高すぎる」
「どんな魔物が出てくるんだ?」
「裏階層に入ってすぐにフレイムゴーレムやサラマンダーが居ました」
「なるほど。火山のダンジョンの四階層、五階層のレベルが一階層であるってことか」
頼むから、裏階層の調査に行ってくれってと言われた。
「済まない。王都に行かなくちゃいけないから、今は無理だ」
ダック侯爵の息子や娘のランドさんとクラリアさんとエルフの国の第二王女であるアナリザ様も王都に連れて行かねばならない。
特産品も早く開発しないといけないのでやることが多いのだ。
「それは仕方ありませんね。帰りは寄っていただけますか?」
「うーん。未定だ」
「そうですか……」
俺には転移魔法があるから気が向いたらすぐに来れると説明する。
そういえばビルク伯爵から秘宝がもらえるって言ってたな。
早く特産品を作ろう。
会話はクリムゾンゴーレムやレッドドラゴンに移る。
「疑問があるのですが?」
「何だ?」
「何故、あの二体をテイムしようとしなかったのでしょうか?」
その理由は単純だ。
「クリムゾンゴーレムはまずあいつの意図が伝わらなかった。めっちゃ怒ってたし、テイムは無理だった。レッドドラゴンは会話は聞こえたけど、こちらに敵意があったからテイムはやめたんだ」
「そうだったのですね。コメント欄でも疑問に思っている人がいたので一応聞いておいたのです」
それはありがたいな。ちらっと配信のコメント欄を見ると納得している人が多かった。
でも最近現代地球のコメント欄が荒れてるんだよね。
指示厨と自治厨が増えてきたのだ。
指示厨にも度が過ぎたコメントはマリア様がバンしてるけどな。
だが自治厨はバンしづらいらしい。
夢の中でマリアが愚痴ってたな。
後は同接が百万人を越えてるからコメントが読めない速さで流れていくのだ。
スローモードにしてもまだ速い。
これも困ってることだ。
まあそれはいいか。素材と鉱石の買取についての話になる。
「レッドドラゴンとクリムゾンゴーレムの素材はどれほど売っていただけますか?」
「うーん、どちらも稀少価値があるから量は売れないな」
「そうですよね。ヒヒイロカネに関しては伝説の鉱石なのでぜひ売っていただきたいのです。一キロほど……」
ヒヒイロカネは恐らく一トンはあるから一キロだったら問題ない。
ついでに国王様への献上品にしちゃうか。
レッドドラゴンに関しては、裏階層でまた会える気がするからなあ。
「鱗と魔石は売るよ。肉とか骨とか、牙とかはこっちでもらう」
「良いんですか⁉ 鱗はまだ枚数がありますが魔石は価値が高いのですよ?」
「良いんだ。心臓核はもう持ってるからな」
ヒヒイロカネは大白金貨100枚になった。日本円にして大白金貨は一千万円だから十億かな? 一キロでこれだけの金額とは驚いた。
レッドドラゴンは魔石が大白金貨十枚。鱗は白金貨、十枚になった。
レッドドラゴンだけで一億一千万円だ。
合わせて十一億一千万円。もうママゾンで何でも買えるぞ。
お互いにこにこで手を取り合う。
ん? スマホに着信だ。
「もしもしユウキ殿、私だよ。ビルクだ」
「もしもし~ユウキです。ビルク伯爵どうされました?」
「転移魔法で一旦戻ってきてくれないか? 特産品の話をしたいのだ」
「そのつもりでした。ですが現地で話した方が早いかと」
「迎えに来てくれ。ランド殿やクラリア殿、アナリザ様も会いたがっておる。配信を見て随分と興奮しておったぞ」
「分かりました。戻って迎えに行きます」
スマホの通話が終わった。
支部長と話も終わり、餓狼の五人とカレイナたちは火山の麓の冒険者ギルドに残して、ビルク伯爵の館に転移する。
「あっという間だな。ユウキ殿、いやユウキ様。見違えたな。ここまで凛々しいとは想像しておらなんだ」
「ユウキ様、私の婿になりませんか?」
「私と結婚してほしい」
「エルフの国に来ない?」
ちょっと待て。クラリアさんとアナリザ様はともかく、ランドさんまで結婚はおかしいだろ。尻がむずむずしてきた。
その後も転移する際に、クラリアさんとアナリザ様は腕を密着させて、胸を意識させてくるし、ランドさんは尻を触ってくる。
「あの……お三方?」
『何か?』
「いや、おかしいだろ! てかランドさん、次尻触ったらぶっ飛ばす」
「な、怒る所もいい……」
「素敵ですわ」
「ねえねえ、エルフの国に来ない?」
レッドドラゴンさん! このオーラ要らないです!
俺が意識して魔力を極端に抑えると、三人の興奮が収まる。
魔力制御をしっかり覚えよう。特にレッドドラゴンの方。
はあ、特産品の事を考えよう……。
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