第六十四話 クリムゾンゴーレム
んご!!! (怒)
「ユウキが小悪魔みたいになってる!」
「ユウキ、何それ!」
カレイナとアリアが俺の周りで騒ぐので、二人にもキスをすると可愛い顔をする。
「ユウキさん、いちゃつくのはダンジョンの外でしな」
「流石に緊張感がないにゃ」
ガルドさんとミレアさんに怒られて、俺は謝る。
他の三人もシュンとした顔をしていた。
ロックゴーレムからは鉄鉱石や金鉱石、ミスリル鉱石も出ることがあるらしい。
「昔の冒険者ギルドの資料にはオリハルコンやヒヒイロカネが出たって話もあるぜ。まあこの火山のダンジョンで出ることは稀らしいが」
おー。貴重な鉱石を狙えるガチャってことか⁉
それだったらやる! 俺はガチャが大好きなんだ!
エメリアが倒したロックゴーレムからは鉄鉱石が出た。
勿論アイテムボックスに収納して解体したんだけどな。
ごつごつとした岩場を歩きつつ、魔力ソナーでロックゴーレムを探し始める。
倒すのは俺の雷魔法とエメリアの巖砕波が役立った。
どういうことかと言うと、ロックゴーレムのコアだけ、別の鉱石でできていて雷の伝導率が良かったのだ。
チェインライトニングをロックゴーレムに撃って、痺れさせて、コアの位置も特定する。その後、エメリアが巖砕波でコアを破壊する。
解体が面倒なため、普通の冒険者は持って帰ることはないらしい。
普通の冒険者もアイテムボックスは持っているのだが、容量が少ないからだ。
だが、俺の容量は無限。解体もアイテムボックスの中でできるから余裕だ。
「さあ、エメリアどんどん行くぞ!」
「えええ。ユウキ様、ちょっとテンションがおかしいですわ」
エメリアが引くくらい俺はハイテンションだった。
「鉄鉱石出すぎ! はい次!」
「お、金鉱石! 次!」
「やったミスリル鉱石! でも一番いらない鉱石でもあるんだよな」
ミスリル鉱石は神聖の森に腐るほどあるからな。
俺はエメリアの手を引っ張って次のガチャを探す。
おっと。ロックゴーレム君の事をガチャ呼ばわりしてしまったな。
ロックゴーレムを飽きるまで狩り続けた。
最後の方はロックゴーレムの雰囲気が何か落ち込んでいるように思えた。
途中からロックゴーレムが抵抗しなかったくらいだからな。
「なんかロックゴーレムがかわいそうに思えるなあ」
「はい。雰囲気が沈んでましたわ」
狐獣人のシズナと聖女エメリアがひそひそ話していた。
大体、五十体は倒しただろう。
「鉱石ガチャは楽しいなあ」
「ユウキ、やりすぎ」
カレイナにたしなめられる。
「じゃあ、これで最後のロックゴーレム狩りにしよう」
ちなみにここまでの鉱石ガチャの結果はこうだ。
鉄鉱石、三十五個。
金鉱石、十個。
ミスリル鉱石、五個。
魔力ソナーでダンジョン内を探すと奥の方にひときわ大きな魔物の反応がある。
「これは……ロックゴーレムじゃない!」
「何だって! もしかしたら……」
「行くぞ!」
途中に四階層に降りる階段は見つけていたのだが、スルーしていた。
「なんだあ、ありゃあ!」
「凄い。燃えるような紅の鉱石のゴーレム」
「あれは……クリムゾンゴーレムにゃ!」
グラウルさん、シズナさん、ミレアさんが大声を出している。
話を聞くと、火山のダンジョンではまれに出現報告があったが、倒すのが難しい上に、稀少価値が高いゴーレムらしい。
「そもそも、数十年に一回出るかってゴーレムだぞ。何で出たんだ?」
「ユウキがロックゴーレムを倒しまくってたから?」
ザンさんの疑問にカレイナが答える。
なるほど、雑魚のロックゴーレムを倒しまくってたから、クリムゾンゴーレムが出てきたってわけか。
「凄いぞ! これはSRガチャ確定だ!」
当然配信を見ている現代地球のコメント欄と異世界配信のコメント欄は盛り上がる。
「うおおおお! SR確定ガチャだ!」
「ロックゴーレムという普通のガチャを回しまくってからのクリムゾンゴーレムは脳汁でるなあ」
「あの体ってもしかしてヒヒイロカネじゃないか? 赤い鉱石だよな。定番だと」
「え? それなら傷つけるのはまずいな」
異世界配信のコメント欄もどれだけ稀少か震えている視聴者が多かった。
さあ、狩りの時間だ。
俺たちがいつも通り近づくと、クリムゾンゴーレムは動き出して、炎の鎧を纏う。まあフレイムゴーレムと同じだな。
「カレイナ、あいつに水魔法は行けるか?」
「ダメ。あいつは温度が高すぎる。半端な水魔法じゃ、ぶつかって爆発する」
なるほど、水蒸気爆発が起きるのか。
「グラウルさん、タンク役を頼む。他の四人はいつも通りに」
『承知した』
「アリア、あいつを斬れるか?」
「試してみないとわかりません」
「エメリア、巖砕波は届きそうか?」
「あのゴーレムの紅の鎧をはがさないと触れませんわ」
「そうだよな」
俺は少し考えて、雷足を足にかける。
とりあえず、最大でチェインライトニングを……と考えていると頭に声が響く。
『ユウキ、相手はヒヒイロカネの塊です。雷魔法は吸収されるだけなのでお勧めしません』
『マジか、マリア様。アイテムボックスに入れて解体は?』
『お勧めしません。キングヒドラの魔力を吸収したときのように、また魔力を吸収し、さらに狂気に飲まれることになります』
うーん。俺の出番はないかもな。
「カレイナ、氷魔法でクリムゾンゴ―レムを冷やしてくれ!」
「うん。やってみる」
「んごおおおおおお!」
カレイナが詠唱を始める中、クリムゾンゴーレムは動き始める。
「ロックゴーレムやフレイムゴーレムより結構早いな」
巨体に見合わず、動きが俊敏だ。
前衛のグラウルさんに向かって、突進していく。
突進をグラウルさんは身体強化を発動して受ける。
「ぐおおお! こいつ、かなり重いな!」
「みんな! 今のうちにこいつの足に集中攻撃!」
ガルドさんやアリアが二刀流と長剣で足を斬りつける。
ミレアさんには足だけに氷魔法を使ってもらう。
これが後々の布石になる。
「詠唱行くよ! 炎さえも凍えさせる、寒波! フリーズン・ウェーブ!」
「私も行くにゃ! アイスショット! 十連発!」
カレイナの氷魔法の波は、紅の炎の鎧を一瞬で鎮火させる。
「んご、んご……」
クリムゾンゴーレムの速さも落ちる。そしてミレアの氷魔法は先ほどまで熱かった足に集中して当たり……。
「足の鉱石が砕けるってわけだ」
まあ流石に無傷で倒す余裕はない。足くらい折れても仕方ない。
「んごんごんご!」
何とクリムゾンゴーレムは三メートルくらいの大きさから二メートルに縮んだ。
より洗練された人型に近づいていく。
「マジかよ。第二形態か」
次話、クリムゾンゴーレム、第二形態!
小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。




