予期せぬ知らせの数日前・続(11)
静から空間に、
アリスの言葉だけが響いた。
「他国の王女が
主人公のストーリーがあるんです」
「敵国の王女が主人公・・」
ティアナは、自分自身の言葉で、
「!!!!」
アリスの言ったハッピーエンドではなくなるという意味に気付いた。
ティアナの頬から冷汗が流れ落ちる。
「ベイリー様のシリーズの場合、
アビス・ド・アポストルにとっての
ハッピーエンドを迎えます」
つまりは・・・
「この国は、侵略されます」
!!!!
◇◇◇
カチャッ
アリスが用意してくれた紅茶を飲んで、
心を落ち着かせたティアナは
そっとティーカップを置くと、アリスへと体を向けた。
「落ち着かれましたか?」
アリスのねぎらいに、ティアナは優しくうなずいた。
「えぇ、だいぶ。ありがとう」
「衝撃的な内容でしょうから・・」
「・・もう、大丈夫よ。
知ることで対策は打てるはずだもの。
続きをお願いできるかしら?」
「はい」
ティアナの言葉に、
アリスも強くうなずきながら話を続けた。
「そもそも、このレトロゲームは
ティアナ様もよく知られていたあのゲーム会社が制作された物語ですよね」
「えぇ。有名なあの会社よね」
「授業で触れたことがあるので知ってはいるのですが・・
その会社は私が生まれてまもなく倒産したんです」
「ええっ!あの大人気だった会社が?!
では、その出版された本は・・?」
「二次創作です」
「!」
「シリーズ、と言っても
作者によって物語はまったく異なります」
「そんな・・」
「私達の時代ではハッピーエンドを
迎える結末がはやっていました。
なので、いま分かっていることは
どの作者が書かれていても、
そのシリーズの主人公は
ハッピーエンドを迎えるということだけなんです」
その結果が、この国のバッドエンド・・。
「でも、ベイリー様が登場したとしても、
ベイリー様が主人公であるという確証はないんじゃ・・」
その言葉に、アリスは俯きがちに首を横に振った。
「そのシリーズを書いた作者は私の妹なんです」
「え・・?」
「ベイリー様は、
二次創作を読んだ
妹が考え出した
オリジナルキャラなんです」
「妹さんが考えた・・」
(ということは・・)
「ベイリー様が登場されたということは・・」
「この世界は妹が考えた物語の中ということです」
「!!!!」
「それに・・
ギルベルト様もティアナ様も、
オッド様と仲良くしていらっしゃいますよね?」
オッド以外から聞いた話は、あまり考えないようにしていた。
頭で理解はしていても、オッドが直接話してくれるまで
ティアナはすべてを納得しないようにしていた。
「その方も、執事ブームにあやかった
妹が創作した設定なんです。
物語の内容は知らないのですが・・
妹の事だから、オッド様のことを
割と強引に物語に出しているはずなんです」
ティアナはアリスを見つめたまま何も言葉が出せなかった。
アリスとの会話でわかったことは、そこまでだった。
(※)ムーンライトノベルズに載せている作品のR15指定バージョンです。
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