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予期せぬ知らせの数日前・続(4)

「殿下、ティアナ様、申し訳ございません。

 こいつ、甘いものには目がなくて。

 ずっと男所帯にいたものだから

 周りにお菓子が作れる人なんているはずもなく。

 昔、騎士の一人が彼女に貰ったお菓子を食べてて

 それをすごく羨ましそうにしてたから、

 たぶん憧れてたんだと思います」


アルフの頭を力ずくて押さえると、

アリスはすぐにそう弁解した。


(え?…て、ことは、

()()アリスはお菓子を作らないの?)


ゲームの世界でのアリスは、お菓子作りが趣味で、()()()に行く度にシリウス達に差し入れをしていた。



ゲームを進めて行くと幾つかのミニゲームが発生し、パロメーターを上げて行くと生徒会に誘われるというイベントが発生する。

生徒会に入らなくてもシリウスルートを勧めること自体は可能だが、

生徒会に入ることでしか発生しないイベントやミニゲームがあるため、ゲームをプレイする大半の人が入ることを選択していた。

また、レオンのルートを薦めるためには、生徒会に入ることが必要条件であると攻略サイトでチラッと目にしたことがある。


アリスが生徒会で配るお菓子は、好感度を上げるボーナスポイントのようなもので、ミニゲームにクリアするとラッピングしたお菓子のアイテムをゲットできた。

アリスのプロフィール欄にもたしかに"趣味:お菓子作り"と記載されていたのだ。


しかし…



(そっか。()()アリスは転生者だから、

プロフィールが変わっていてもおかしくはないんだ)


「手作りなんて大変だったろう?

 大切に食べるよ。ありがとう!」


心から嬉しそうにニカっと笑うアルフに、

ティアナは照れくさくも素直に嬉しかった。


「実は、ほとんどマリアに…」

「ティア?」

ティアナの言葉を遮ったのはシリウスだ。


「なんでミシューレ殿に?」

アルフとは()()()()()()をしたシリウスは、早歩きをしながらずいっと歩み寄ってくる。


「あ…その…えと…、」

シリウスの圧に後退りながら、

ティアナは紙袋に手を伸ばし

「こ、これ・・!」

金色のリボンでラッピングしたお菓子を渡した。


「!」


「あの…、で、殿下もよろしければ・・」


シリウスは瞳を輝かせて

差しだされたお菓子を受け取ると、


「ありがとう」


お礼を告げながら破顔した。


ティアナもシリウスに微笑み返すと、

「あ、あと…」

シリウスの後ろにいたレオンの側に掛け寄り

「あの、

 グランデ様も

 宜しければですが…」

紫色のリボンでラッピングしたお菓子を渡した。


「リボンの色が異なるのだな」


レオンはそっと受け取ると、


「嬉しい」


そう言って優しく()()()



(えっ!)



レオンの優しい表情は、

子供の時を含めると何度か目にしたことがあった。



・・しかし、


レオンが自分の"気持ち"を言葉にして

笑顔を見せてくれたのは初めてだった。



「レオン?」

シリウスでさえも、驚いたようにレオンを凝視している。



それでも、

レオンはしばらくの間


笑顔でクッキーを見つめていた。

(※)ムーンライトノベルズに載せている作品のR15指定バージョンです。

(※)改訂している話には★マークを付けています。

(※)ムーンライトノベルより更新は遅れます。

(※)ムーンライトノベル版(https://novel18.syosetu.com/n9962hu/)

(※)ムーンライトノベル版には18禁描写が含まれます。ご注意ください。

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