予期せぬ知らせ
「お父様、それは事実ですか?」
ティアナはユリウスの言葉に戸惑いを隠せなかった。
「ティア・・」
ユリウスがティアナに歩み寄ろうと手を伸ばした瞬間、
バンッ
「どう言うことですかっ!?」
執務室のドアを勢いよく開けて入って来たのはギルベルトだ。
「ギル?!」
ギルベルトには何も告げずに帰って来た。
「なんでここに・・」
ギルベルトの剣幕にティアナがたじろいでいると、
ギルベルトの後ろから現れたオッドが
落ちつくようにとギルベルトの頭をポンポンとたたいた。
「ん〜。坊ちゃんしつこくてさ」
オッドは困ったように頭をかきながらも、
「ごめん。バレちゃった」
悪びれる様子なく舌を出してその場を茶化した。
「バレちゃったって・・」
「あ。違う、違う」
ティアナの呆れ顔を見た
オッドは顔の前で手を振った。
「そうか」
訝しげにオッドを見ていたティアナの横で、
声を落としたのはユリウスだった。
ユリウスはギルベルトをじっと見つめ、
全てを知ったのだと悟った。
ギルベルトは頭を左右に振って落ちつきを取り戻すと、
ユリウスへ視線を戻し言葉を選びながら問うた。
「アイラ・ベイリー・アポストルが
来国するという話は本当でしょうか?」
「あぁ。本当だ」
ギルベルトの言葉にユリウスは頷いた。
「目的が留学だと言うことも?」
「あぁ。」
ギルベルトは横目でティアナの様子を伺いユリウスへと視線を戻した。
「それでは、留学先がライトロード魔法学院であり
お姉様の隣室に入寮すると言う話も?」
「あぁ。事実だ」
〜〜〜
あの日、シリウスに話をかわされた後、
ティアナとシリウスとの間にぎこちない空気が漂っていた。
それはレオンやアリスにも感じていて、普段通りに会話はしても、婚約やあの国の話について触れると避けるように話題を変えられた。
シリウスの事は信じているけれど、知らなかった主要人物の登場にティアナは不安を感じていた。情報をかき集めてみても、前世でも今世でも王女の名前を見たことがなかった。
なのに、アリスは彼女を知っていった。私がプレイしなかった他ルートに出て来る登場人物なのかもしれない…でも、なんでこんなに違和感を感じるんだろう。
いくら他ルートだからって、攻略やネタバレサイトが溢れSNSが普及していた時代にまったく聞いたことさえないなんてあり得るのだろうか?
もしかして、私が死んだ後にセカンドゲームが発売されたとか?
真相は分からないけど、アリスのあの取り乱し様を見る限り、アリスもしくはこの国にとって良くないフラグが立っているとしか・・うん。やっぱり、この国の未来に関わることを傍観することなんてできない。
シリウス、レオン、アリスからは話が聞けないだろうと思ったティアナは、もう一人何らかの事情を知るだろう人物、キースの元へと向かった。
(※)ムーンライトノベルズに載せている作品のR15指定バージョンです。
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