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【Side-レオン】利己的貴公子の独白(17)

「おい」


レオンは生徒会の業務を早々と終わらせると、ティアナ達と別れ一人になったシリルを待ち伏せた。


「そんな顔でどこに向かうつもりだ」


シリルは無言でレオンの横を通り過ぎようとする。

すかさずレオンはシリルの顔を片手で強く掴んだ。


「っ!」


シリルは痛みに顔を歪めたが、レオンはその傷を知った上で手の力を強めていた。


「その傷はどうした」

「・・・」


レオンはシリルに舌打ちをした。


「お前の身勝手で幼稚な反抗期に

 彼女を巻き込むな」


その言葉を聞いたシリルは、激高する感情に体を震わせながらレオンを鋭く睨みつけた。


「なんだその目は。

 図星だから腹が立つんだろう?

 その傷は自業自得だろうが、

 お前が側にいることで

 彼女にまで被害が及ぶかもしれない。

 お前の無責任な行動のせいで

 彼女が傷つく前に離れろ。

 お前と彼女は住む世界が違うんだ」


「ーっ!」

シリルはこらえかねた憤怒の眼を光らし、レオンの胸ぐらを掴んだ。


レオンも負けじと睨み返す。


殴られることも覚悟していたが、

震える手で胸ぐらを掴んでいたシリルは両目を閉じると深呼吸をしてその手を離した。


「分かってるよ。

 汚れた俺はティアナに相応しくない。」


思いもよらなかった言葉にレオンは目を見開いた。


「でも・・もう二度と見失いたくない」

シリルは独り言のように呟いた。


「だから報いを受けてくる。

 ティアのそばにいるために。

 そばで笑顔を守るために」


その言葉は純粋で、


「はっ、そんな綺麗事。

 もし彼女に愛する人ができたらどうするんだ?」

レオンは打ち消すように声を荒げた。


「最初から手に入れようなんて思ってない。

 ただ、そこに存在さえしてくれていたら。

 その笑顔を失わなければ・・ただ、それで良い。」


シリルはレオンに背を向けると、すぐに魔法で姿を消した。

その場にシリルの言葉だけが余韻を残した。

 


「・・なんだそれ。

 これじゃあまるで、

 俺が悪者みたいじゃないか」


言葉にした瞬間、レオンはいつのまにかシリウスのためではなく自分のために行動していたことに気付いた。


二人の笑顔を守りたい。それはレオンの心からの本心。


しかしその本心を”綺麗ごとだ”とどこか冷めた気持ちで傍観する自分の素顔もあった。


初めて気づいた自分の欲望に、

レオンは驚愕しながら嫌悪した。


“条件性か無条件性か”


シリウスに抱く感情は純粋で誇らしく綺麗なものだと思えた。

しかし、ティアナに抱く感情は不純で嫌悪感をおぼえるほどに穢く感じた。


“欲求か能力か”


恋が愛に変わるとき。

いつかどちらかを選んでしまう日がくるのだろうか。


(きっとシリウスは、迷うことなくティアナを選ぶのだろうな・・)


そう俯瞰したレオンはこんなことを考えている自分自身に失笑した。

次回より本編に戻ります。


(※)ムーンライトノベルズに載せている作品のR15指定バージョンです。

(※)改訂している話には★マークを付けています。

(※)ムーンライトノベルより更新は遅れます。

(※)ムーンライトノベル版(https://novel18.syosetu.com/n9962hu/)

(※)ムーンライトノベル版には18禁描写が含まれます。ご注意ください。

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