第17話
宣戦布告から1週間が過ぎた。
結論から言うとゴブリン達は何も出来ずに壊滅した。
今は弁天さんの肥料として役立っている。
何が起きたか説明すると。
まずダンジョンに運び込まれたマイコニドは、胞子を撒きまくった。
ダンジョンの中でマイコニドをたくさん出し、ゴブリン達をダンジョン内から出ないようにしていた。
次に発見したダンジョンに向かってマイコニドの群れを向かわせた。
数百のマイコニドが行進する姿は、途中までは堂々としたものだったのだが、既に魔獣の森の獣達から、美味しいご飯と認知されているマイコニドが、群れをなして移動したらどうなるか?
この行進を最初に見つけたのは小型のネズミのような魔獣だったが、直ぐに他の草食・雑食の獣も発見して、行進の後を追いながら食べていった。
前にも言ったが、魔獣の森は生物の密度が非常に高い。
あっという間にマイコニド達は食べ尽くされるかと思ったのだが、食べられながらも胞子を撒き続け、増殖した弁天さんはそこからさらにマイコニドを出していった。
当然新たに出てきたマイコニドもすぐに獣に食べられるが、食事をすれば出るものも出る。
そこからもマイコニドは出続けるし、なんならそれも栄養となっていく。
さらにマイコニドの取り合いや、大型の草食獣にふまれたりして死んだ小型の獣からも、マイコニドは出続ける。
マイコニドの移動速度は遅いため、ダンジョンについたのは発見から2日ほどたっていた。
その頃にはマイコニドを追って食事をする獣たちが、他の捕食者に見つかりもう分けのわからない集団となっていたが、マイコニドたちがダンジョンに突入すると、もはや何がなんだかわからないほど混乱した。
ダンジョンに突入するマイコニドの群れ、それを追う獣達と獣を追う獣。
さらにダンジョン内からもマイコニドは出てきて、それを追ってゴブリンまで出てくる。
ゴブリン達は最初なんとか獣を入れないよう、ダンジョンの入り口に壁を作ったりしたが、そんなものはすぐに破壊され獣たちの突入を許してしまった。
後はもうよくわからない。
暗闇の中凄まじい騒ぎが始まり、その日の内にダンジョン内のゴブリンは全滅したらしい。
ただ獣たちの争いが続いていたし、壊せない壁のダンジョンでもなかったから、あちこち崩れたり掘り返されたりしていたため、取り敢えず弁天さんにマイコニドを作るのをやめてもらい、獣達が自主的にダンジョンを去るまで静観していた。
結局今日まで残っていた獣がいたが、今最後の獣がダンジョンを出たため、やっと落ち着いた感じだ。
騒ぎが収まり獣たちも去ったため、野良ダンジョン内に広がった弁天さんを介して、野良ダンジョンの調査をしてみたが、残念ながら大したものは得られなかった。
若干期待した新しい休眠コアは見つからず、休眠コアが残したような物も見つからない。
念の為周囲にも調査の範囲を広げたが、他にダンジョンの痕跡は見つからず、わかったことは多くなかった。
わかったことは、この野良ダンジョンは、かなり昔に一度壊滅していること。おそらくはサブコアより昔だろうとのこと。
残っている痕跡からゴブリンを呼び出したダンジョンで、山を掘り進み魔獣の森から出る計画だったようだ。
生き残ったゴブリンはコアの命令に従ったのか、ただそちらにしか向かうことが出来なかったのかはわからないが、ダンジョンの支配下から抜けた後も、山を掘り続けていたらしく、今のダンジョンはかなり置くまで進んでいる。
残念ながら開通にまでは至っていないが、これは後で使えるかも知れないので、入り口を封鎖した後手直ししながら掘り進めよう。
なぜこのダンジョンは壊滅したのか、どうして山を掘っていたのかはわからないが、これ以上そのことを調べても仕方ないので、今後のことを考えるとしよう。




