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酒の肴と救世主

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



 おれとレイナの馴れ初めの事情聴取から数日……リュミエルは治療院へ足を運び、患者からの聞き取り調査などで、とても忙しくしていた。



「やはり一度は旧王都島を見ておきたいわね……」



 患者たちへの聞き取りを進めるうち、リュミエルにはどうしても気になることが出てきたらしい。



 発症者が黒い霧を浴びた場所。


 大型魔獣が現れた場所。


 そして、その黒い霧が流れてきた方角。



 話を聞くだけでは分からない、現地でなければ確認できないことがあるという。



 リュミエルは一度、自分の目で旧王都島を確認しておきたいと考えていた。





「バルガス様、次の旧王都島の調査はいつ頃になりますでしょうか?」



 リュミエルはバルガスさんからの聞き取りで、以下のことは聞いていた。


『邪悪な魔素により魔獣の群れが凶暴化、共食いを始めて大型化する』


『邪悪な魔素は我々には視認できない』


『いつ邪悪な魔素が流れてくるか判断できない以上、上陸は危険すぎる』


『洋上からではあるが、定期的に確認には行っている』



 この『定期的な洋上からの確認』に同行したい旨を伝えた。



「うーむ……」



「我々としても、協力は惜しまないつもりなのですが……」


「邪悪な魔素が『いつ』『どこまで』流れてくるかわからない以上、お客人を危険に晒す訳には……」



 バルガスさんは片腕を組み、もう一方の手で顎ひげをさわりながら考え込んでいた。



「問題は、我々には邪悪な魔素の気配を感じ取れないことなのです……」



「前回はノル様のご助言があったからこそ、早期に撤退できました」


「ですので現在の監視も、島には近づかず、かなり沖合から目視するだけに留めています」




 バルガスさんの話に考え込むリュミエル。



「……では、ノル様が同行してくだされば、もう少し近くまで行けるということですか?」




「安全を保証できるとは申せません。しかし、危険を察知できる方が同行されるのであれば……検討はできます」




「……わかりました。相談してみます」





 そして、その日の晩酌の時――



「ノル様、お願いがございまして……」


「なんじゃ?」グビグビプハー♪



「患者様から聞き取りをしているうちに、旧王都島で直接確認したい点が出てきまして……」



(あの時は初めてのことじゃから、儂《わし》も判断が遅れたが……)グビグビ


(一度あの気配を覚えた以上、次はもっと早く気づけるじゃろう)グビグビプハー♪



「行《ゆ》くと申すのか……?」ギロリ


 テーブルの上であぐらをかくノルはリュミエルを睨みつけた。



「ですが……私共だけでは、遠い洋上から確認することしかできません……」汗タラリ


「上陸しないまでも……ある程度までは……」キョウシュク


(上陸はせんのか。ならば儂《わし》が居《お》れば問題なかろう)グビグビプハー♪




「お主……危険なのはわかっておろうが……」ギロリ



「そっ……それは重々……」


(困っておるわい♪ どれだけ引っ張ってやろうかのう♪)



(しかし儂《わし》が居《お》ることで、油断が生まれてはいかんからのう……仕方のないことなのじゃ♪)グビグビプハー♪



「それで?」ジロリ



「その……ノル様に……」



「儂《わし》になんじゃ?」ギロリ


(困っとるわい♪ 困っとるわい♪)グビグビ




(カーッ♪ 今宵の肴は酒が進むのう♪)グビグビプハー♪




「ご……」キョウシュク


「ご?」ジロリ


 固唾をのみ、見守るおれたち。



「ご同行……願えません……でしょうか」キョウシュク&キョウシュク


 リュミエルは消え入りそうな声で答えた。




「…………」グビッ♪


(ま、これだけ困らせてやれば、よもや油断はするまい……)



「…………」グビリ♪


(カーッ♪ 酒が旨いわい♪)



 長い沈黙が流れた……



「よかろう……」ウム……



「……え?」


 反対されると覚悟していたリュミエルは、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。



(その顔が見たかったのじゃ♪ 最高の肴じゃわい♪)グビグビプハー♪



「儂《わし》も行ってやろう……」伏し目でチビリ♪



「そもそも、お主一人で行かせるつもりなど、もとよりないわい」遠い目


「ノル様……!」目キラキラ


 リュミエルは目をウルウルさせている。



「ただし! じゃ。儂《わし》が『退《ひ》け』と言《い》うたら、理由を問わず即座に退《ひ》け」ギロリ



「それが条件じゃ」グビッ♪


「はい!」



「うむ……」グビグビプハー♪


 なんか……ノルはめちゃ美味そうに酒飲んでた気がするんやけど……もしかして、リュミエルは遊ばれとったんか? この糞トンボに?




「なんじゃ、エイルよ。儂《わし》が許可したことにでも不満があるのか?」ジロリ



「いや……ほなおれも付いて行ったほうがええかな? と」グビッ


「当たり前じゃろうが! リュミエルを調査船なんぞで寝泊まりさせる気か?」ドン!


 テーブルの上であぐらをかいたノルが、ドン! とテーブルを叩いた。



「それに、お主は前回の島を知っておる。以前との違いを見るにも、おった方がよかろう」




「それはそうやけど、マリナは学校あるし……休ませるか?」



「いえ……学校で友人たちと過ごすのも、大切なことだわ……」



「儂《わし》が付いておるからとはいえ、マリナをあそこに連れて行くのは気が進まんのう……」グビッ



――ワタシも気が進みませんね〜♪



「エイル。リーちゃんに預かってもらえるか、明日聞いてみようか?」


「そうやな……それが一番ええかな……」



「ま、とりあえずマリナには明日の朝話をせなあかんな」



 その日はそれでお開きとなった。





 そして次の日の朝食。



「私もいきたいー……」足バタバタ



「駄目じゃと言っとろうが……」トホホ……


「せやから……もしなにかあったらトーマさんらに顔向け出来んやん……」


「学校でお友だちと過ごすのも大切なことなのよ……」


「リーちゃんは優しいよ?」



「…………」グスッ


 マリナはうつむいて黙ってしまった。




――しかたありませんね〜♪


 皆《みな》が『えっ?』という顔をしてクララベル様の方を見た。



――マリナ、一人だけ置いていかれるのは悲しいですよね〜♪



「クララベル様……」キラキラ♪


 胸の前で手を組み、涙が浮かんだ目をキラキラさせるマリナ。


 この時マリナには、まさに『救世主』に見えたんやろうな……



――ノル〜。今回は上陸しないのでしょう〜?


「まあそうじゃのう。儂《わし》が異変を感じた時点で引き返せば、前回よりは早く対処できるじゃろうが……」



――でしたら〜、皆さんと一緒でも問題ないのではありませんか〜♪


「むぅ……」ぐぬぬ……



「クララベル様……ありがとうございますっ!」キラキラ♪


――ふふっ♪



 この女神……たしか昨夜は反対しとったよな……?



 まさかとは思うけど……最ッ高のタイミングでマリナに媚び売りよったんとちゃうやろな?





 こうしておれたちは、『上陸はしない』という条件付きで、全員で旧王都島の沖合まで向かうこととなった。



 ノルはリュミエルを弄《もてあそ》んで酒を旨そうに飲み、クララベル様は最高のタイミングでマリナに恩を売る。


……ウチの人外ども、ほんま人で遊ぶの好きやな……

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