酒の肴と救世主
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
おれとレイナの馴れ初めの事情聴取から数日……リュミエルは治療院へ足を運び、患者からの聞き取り調査などで、とても忙しくしていた。
「やはり一度は旧王都島を見ておきたいわね……」
患者たちへの聞き取りを進めるうち、リュミエルにはどうしても気になることが出てきたらしい。
発症者が黒い霧を浴びた場所。
大型魔獣が現れた場所。
そして、その黒い霧が流れてきた方角。
話を聞くだけでは分からない、現地でなければ確認できないことがあるという。
リュミエルは一度、自分の目で旧王都島を確認しておきたいと考えていた。
「バルガス様、次の旧王都島の調査はいつ頃になりますでしょうか?」
リュミエルはバルガスさんからの聞き取りで、以下のことは聞いていた。
『邪悪な魔素により魔獣の群れが凶暴化、共食いを始めて大型化する』
『邪悪な魔素は我々には視認できない』
『いつ邪悪な魔素が流れてくるか判断できない以上、上陸は危険すぎる』
『洋上からではあるが、定期的に確認には行っている』
この『定期的な洋上からの確認』に同行したい旨を伝えた。
「うーむ……」
「我々としても、協力は惜しまないつもりなのですが……」
「邪悪な魔素が『いつ』『どこまで』流れてくるかわからない以上、お客人を危険に晒す訳には……」
バルガスさんは片腕を組み、もう一方の手で顎ひげをさわりながら考え込んでいた。
「問題は、我々には邪悪な魔素の気配を感じ取れないことなのです……」
「前回はノル様のご助言があったからこそ、早期に撤退できました」
「ですので現在の監視も、島には近づかず、かなり沖合から目視するだけに留めています」
バルガスさんの話に考え込むリュミエル。
「……では、ノル様が同行してくだされば、もう少し近くまで行けるということですか?」
「安全を保証できるとは申せません。しかし、危険を察知できる方が同行されるのであれば……検討はできます」
「……わかりました。相談してみます」
そして、その日の晩酌の時――
「ノル様、お願いがございまして……」
「なんじゃ?」グビグビプハー♪
「患者様から聞き取りをしているうちに、旧王都島で直接確認したい点が出てきまして……」
(あの時は初めてのことじゃから、儂も判断が遅れたが……)グビグビ
(一度あの気配を覚えた以上、次はもっと早く気づけるじゃろう)グビグビプハー♪
「行くと申すのか……?」ギロリ
テーブルの上であぐらをかくノルはリュミエルを睨みつけた。
「ですが……私共だけでは、遠い洋上から確認することしかできません……」汗タラリ
「上陸しないまでも……ある程度までは……」キョウシュク
(上陸はせんのか。ならば儂が居れば問題なかろう)グビグビプハー♪
「お主……危険なのはわかっておろうが……」ギロリ
「そっ……それは重々……」
(困っておるわい♪ どれだけ引っ張ってやろうかのう♪)
(しかし儂が居ることで、油断が生まれてはいかんからのう……仕方のないことなのじゃ♪)グビグビプハー♪
「それで?」ジロリ
「その……ノル様に……」
「儂になんじゃ?」ギロリ
(困っとるわい♪ 困っとるわい♪)グビグビ
(カーッ♪ 今宵の肴は酒が進むのう♪)グビグビプハー♪
「ご……」キョウシュク
「ご?」ジロリ
固唾をのみ、見守るおれたち。
「ご同行……願えません……でしょうか」キョウシュク&キョウシュク
リュミエルは消え入りそうな声で答えた。
「…………」グビッ♪
(ま、これだけ困らせてやれば、よもや油断はするまい……)
「…………」グビリ♪
(カーッ♪ 酒が旨いわい♪)
長い沈黙が流れた……
「よかろう……」ウム……
「……え?」
反対されると覚悟していたリュミエルは、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。
(その顔が見たかったのじゃ♪ 最高の肴じゃわい♪)グビグビプハー♪
「儂も行ってやろう……」伏し目でチビリ♪
「そもそも、お主一人で行かせるつもりなど、もとよりないわい」遠い目
「ノル様……!」目キラキラ
リュミエルは目をウルウルさせている。
「ただし! じゃ。儂が『退け』と言うたら、理由を問わず即座に退け」ギロリ
「それが条件じゃ」グビッ♪
「はい!」
「うむ……」グビグビプハー♪
なんか……ノルはめちゃ美味そうに酒飲んでた気がするんやけど……もしかして、リュミエルは遊ばれとったんか? この糞トンボに?
「なんじゃ、エイルよ。儂が許可したことにでも不満があるのか?」ジロリ
「いや……ほなおれも付いて行ったほうがええかな? と」グビッ
「当たり前じゃろうが! リュミエルを調査船なんぞで寝泊まりさせる気か?」ドン!
テーブルの上であぐらをかいたノルが、ドン! とテーブルを叩いた。
「それに、お主は前回の島を知っておる。以前との違いを見るにも、おった方がよかろう」
「それはそうやけど、マリナは学校あるし……休ませるか?」
「いえ……学校で友人たちと過ごすのも、大切なことだわ……」
「儂が付いておるからとはいえ、マリナをあそこに連れて行くのは気が進まんのう……」グビッ
――ワタシも気が進みませんね〜♪
「エイル。リーちゃんに預かってもらえるか、明日聞いてみようか?」
「そうやな……それが一番ええかな……」
「ま、とりあえずマリナには明日の朝話をせなあかんな」
その日はそれでお開きとなった。
そして次の日の朝食。
「私もいきたいー……」足バタバタ
「駄目じゃと言っとろうが……」トホホ……
「せやから……もしなにかあったらトーマさんらに顔向け出来んやん……」
「学校でお友だちと過ごすのも大切なことなのよ……」
「リーちゃんは優しいよ?」
「…………」グスッ
マリナはうつむいて黙ってしまった。
――しかたありませんね〜♪
皆が『えっ?』という顔をしてクララベル様の方を見た。
――マリナ、一人だけ置いていかれるのは悲しいですよね〜♪
「クララベル様……」キラキラ♪
胸の前で手を組み、涙が浮かんだ目をキラキラさせるマリナ。
この時マリナには、まさに『救世主』に見えたんやろうな……
――ノル〜。今回は上陸しないのでしょう〜?
「まあそうじゃのう。儂が異変を感じた時点で引き返せば、前回よりは早く対処できるじゃろうが……」
――でしたら〜、皆さんと一緒でも問題ないのではありませんか〜♪
「むぅ……」ぐぬぬ……
「クララベル様……ありがとうございますっ!」キラキラ♪
――ふふっ♪
この女神……たしか昨夜は反対しとったよな……?
まさかとは思うけど……最ッ高のタイミングでマリナに媚び売りよったんとちゃうやろな?
こうしておれたちは、『上陸はしない』という条件付きで、全員で旧王都島の沖合まで向かうこととなった。
ノルはリュミエルを弄んで酒を旨そうに飲み、クララベル様は最高のタイミングでマリナに恩を売る。
……ウチの人外ども、ほんま人で遊ぶの好きやな……




