↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
88/107

ヴェルディア・ガントレット

youtubeでゲーム実況をおこなっております!

https://www.youtube.com/@nico_channel_

エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、

女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。

挿絵(By みてみん)

AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。



 ラウリエルを出発して数日。



 零式エイル号……いや、エイル号の道具箱は食べ物とか腐らんし、焼いた肉や魚も焼きたてのまま保存できる。


 しかしラウリエルから頂いた食料は、基本的には保存食が多い。



 やはり新鮮な食料が欲しいため、おれたちは小さな島に接岸し、食料を調達していた。



 おれは素潜りでサザエや岩ガキを採取し、レイナは山菜や香辛料に使えそうな香草を探しに森へ向かった。


 『川で洗濯(海で貝採り)』『山で芝刈り(森で採取)』……なんかの昔話みたいやな。





「結構取れたな♪ 今日は甲板で海鮮バーベキューでもしよかな♪」


 などと呑気に考えていたら、リュミエルが大きな声を上げた。




「どうしたのレイナ!?」


 体中擦り傷だらけのレイナが右肩を押さえながら戻ってきた。




「早くいらっしゃい! そこに座って!」


 リュミエルはレイナの右肩にそっと触れ、状態を確かめる。



「骨は……大丈夫のようね」ホッ


 リュミエルの診察によると、擦り傷と打撲だけで大ごとではなかったようだ。




「もう……美人なんだから……顔に傷が残ったらどうするつもりだったのよ……」ブツブツ


 ポーチから取り出した治療薬をレイナに塗るリュミエル。



「ありがとう……優しいな、リュミエルは」


「べっ、別にそんなんじゃなくて……」



「エイルと私の隣に立つあなたの顔が……傷だらけだったらカッコが悪いからよ!」


 リュミエルは少し照れていた。



 なんかしらんけど、いつの間にか仲良うなったなぁ……この二人。





「なんで、そないな事になったんよ?」


 レイナはプロの猟師。当然、周囲を警戒する癖はついている。それでも、たまには不意を突かれることもあるらしい。



 今回はとっさに回避したものの、運悪く茂みに突っ込んでしまい、肩を打ったうえに全身擦り傷だらけになったそうだ。




「猟師って、本当に危険な仕事なのね……」


 リュミエルはなにか考え事をしていた。





 そして夕食――


 今日は採れたてのサザエなどを使い、海鮮バーベキューにした♪



 焼ける魚と、泡を吹いて煮立つ貝から、香ばしい匂いが甲板中に漂う。



 マリナ特製、レモン風味のタレは、胡椒のピリッとした辛さがアクセントになって食がすすむ♪


 みんなワイワイと楽しく食事をしていた。




「せやけど、プロのレイナでもそんなことあるんやなぁ……」モグモグ


「おれはヴェルディア索敵のお陰で、ほぼそんなん起こらんけど……」モグモグ



――ワタシの『獣避け』と『加齢臭避け』もありますよ〜(ぷう〜)


 ふくれっ面も可愛いな……クララベル様よ。



「てか、まだ『加齢臭避け』付けてたんかいな!!」




「いくらあたしでも、たまにはこんなことぐらいあるよ……」モグモグ



 ヴェルディアはモグモグしながらなにかを思案していた。





 食事を終え片付けをしていると、ヴェルディアがレイナを呼び止めた。




「レイナぁ、これをお持ちなさぁい♪」スッ……


 あ、これ『世界樹の枝』や。どう言い訳する気なんや? ヴェルディアさんよ。



「ヴェルディア様……これは?」



「『ドライアドの守り木(まもりぎ)』よぉ♪」フフン♪


 『ドライアド』のね。上手いことぼやかしたな。




 ヴェルディアがなにかを念じるように目を瞑ると、レイナの持つ小枝が淡く光り始めた。



 光がレイナの左手を包むと、小枝から何本もの蔦《つた》が伸び始めた。


 蔦は手首から腕へと絡みつき、編み込まれるように形を変えていく。



 やがて光が消えると、レイナの手には、指の付け根から肘近くまでを覆う『ガントレット』のような篭手が出来上がっていた。



 手の甲から前腕にかけては、幾重にも絡み合った蔦が硬質化している。これなら獣の爪や牙ぐらいは防げそうやな。


 それでいて手首の部分は柔らかく、動きを邪魔することもなさそうや。


 手の部分だけは柔らかい材質で、指抜きグローブみたいになってる。


 カッコええな……





「あそこに向かってぇ、こうして手を向けてぇ――」


 ヴェルディアが手首を返し、中指と薬指を親指の付け根へ押し当てる。


「ここを押すのよぉ♪」シュパッ



 ……その構え、どっかで見たことあるぞ。


 蜘蛛男が糸を飛ばすときのアレやんけ!





 レイナが二階のバルコニーへ左手を向ける。


 言われた通りに手首を返し、中指と薬指を親指の付け根へ押し込んだ。



 シュバッ!


「わっ!?」



 ガントレットから蔓《つる》が勢いよく飛び出し、バルコニーの手すりへ絡みついた。



「そのまま指を離してごらんなさぁい♪」


「こう――?」



 シュルルルルッ!



「わわわわっ!?」


 蔓が一気に巻き取られ、レイナの身体が宙を舞う。



 そのまま二階まで引っ張り上げられたレイナは、危なっかしくもバルコニーへ着地した。



「…………」


 いやいやいや。


 完全にソレやんけ。





「いやいや! 猟師にこんな機能いるか!?」ビックリ


「……あ」



 今回みたいに襲われたとき――


「そう♪ 逃げるときに使うのよぉ♪」フフン♪



「よいのう、よいのう♪ レイナよ、お主らには安心して『鍛錬』に励んでもらわねばならんからのう♪ ガハハハハ!」ニヤニヤ♪


「〜~~~ッ!」カオマッカ


「!?!?!?」カオマッカ


 真っ赤な顔で俯くレイナ。リュミエルも口を抑えて顔を真っ赤にした。



「……でも、ヴェルディア様……ありがとうございます」テレテレ


「ヴェルディア様……レイナのためにありがとうございます」


 リュミエルは少し安心したような、穏やかな表情に変わった。





 この装備は回避だけでなく、小型の獲物なら絡みついて捕獲できるそうだ。



「引きずられそうならぁ、人さし指も一緒に押してみなさぁい♪」



 バシュッ! ドドドッ!


 中指と薬指に加えて人さし指も押し込むと、別の蔓が地面へ伸び、杭のように深く突き刺さった。




「やりよるのう! では儂《わし》はこうじゃ♪」


 ノルはレイナのガントレットに、なんらかの精霊紋を刻んだ。



「水、火、風、光、闇の奴らの加護を施したぞ♪」


「矢を放つ時、奴らに頼むとよい♪ 放たれた矢へ加護が宿るようにしておいたわい♪」



 矢に精霊たちの加護を付与することができるそうだ。


 例えば、水の精霊ならば対象の熱を奪う。闇の精霊は矢の音を消すそうだ。


 それぞれ効果が違うらしいが、詳しくは実際に試してみることになった。



「これで旨い獲物をバンバン狩るがよい♪ ガハハハハ!」ドヤッ♪





――あら〜♪ ワタシも負けてられませんね~♪


 クララベル様も負けじと、遠見の加護を付与した。


――指で輪を作ってのぞき込んでください〜♪


 レイナは親指と人差し指で輪を作ってのぞき込んだ。



「わああ! 遠くがすごく大きく見える!」



「ありがとうございます! クララベル様、ノル様!」



――遠くを見渡せれば、危険にも早く気がつけますからね〜♪


――いちおう、『獣避けの加護』もつけてありますけどぉ〜、近づかれにくくなる程度ですからね〜♪


――完全に襲われなくなるわけではありませんので、油断してはいけませんよ〜♪



「はい♪」




「おれの『ヴェルディアボウ』とレイナの篭手かぁ……」


「『ヴェルディア装備』がまた増えたな♪」




「エイル。その……名前つけて?」モジモジ


「ん……ええけど?」


 なんでモジモジしてんのよ? 可愛いけどさ(デレッ♪)



「篭手《こて》……ヴェルディア……」


「ガントレット……」


「『ヴェルディア・ガントレット』とかどうや?」


 我ながら、そのまんまやな……



「エイル、ありがと♪」ホワホワ



「ヴェルディア・ガントレット……」ポワポワ


 レイナは左手のガントレットを胸に抱き、嬉しそうに見つめていた。





 しかしレイナみたいなプロの猟師でも、やっぱ不意を突かれることってあるんやな……



 これでレイナの身が守れるんやったら、あの三匹がおれにした仕打ちもまぁ、許しといたるわ。




 ちなみに普段は腕輪の状態で、


『(ヴェルディア様)お願いします』


 みたいなことを言ったら、腕輪が光ってガントレット形状まで大きくなるらしい。



 変身アイテムみたいで、めちゃ羨ましいんやけど……


 マリナの目もキラキラしてたわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。