ヴェルディア・ガントレット
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
ラウリエルを出発して数日。
零式エイル号……いや、エイル号の道具箱は食べ物とか腐らんし、焼いた肉や魚も焼きたてのまま保存できる。
しかしラウリエルから頂いた食料は、基本的には保存食が多い。
やはり新鮮な食料が欲しいため、おれたちは小さな島に接岸し、食料を調達していた。
おれは素潜りでサザエや岩ガキを採取し、レイナは山菜や香辛料に使えそうな香草を探しに森へ向かった。
『川で洗濯(海で貝採り)』『山で芝刈り(森で採取)』……なんかの昔話みたいやな。
「結構取れたな♪ 今日は甲板で海鮮バーベキューでもしよかな♪」
などと呑気に考えていたら、リュミエルが大きな声を上げた。
「どうしたのレイナ!?」
体中擦り傷だらけのレイナが右肩を押さえながら戻ってきた。
「早くいらっしゃい! そこに座って!」
リュミエルはレイナの右肩にそっと触れ、状態を確かめる。
「骨は……大丈夫のようね」ホッ
リュミエルの診察によると、擦り傷と打撲だけで大ごとではなかったようだ。
「もう……美人なんだから……顔に傷が残ったらどうするつもりだったのよ……」ブツブツ
ポーチから取り出した治療薬をレイナに塗るリュミエル。
「ありがとう……優しいな、リュミエルは」
「べっ、別にそんなんじゃなくて……」
「エイルと私の隣に立つあなたの顔が……傷だらけだったらカッコが悪いからよ!」
リュミエルは少し照れていた。
なんかしらんけど、いつの間にか仲良うなったなぁ……この二人。
「なんで、そないな事になったんよ?」
レイナはプロの猟師。当然、周囲を警戒する癖はついている。それでも、たまには不意を突かれることもあるらしい。
今回はとっさに回避したものの、運悪く茂みに突っ込んでしまい、肩を打ったうえに全身擦り傷だらけになったそうだ。
「猟師って、本当に危険な仕事なのね……」
リュミエルはなにか考え事をしていた。
そして夕食――
今日は採れたてのサザエなどを使い、海鮮バーベキューにした♪
焼ける魚と、泡を吹いて煮立つ貝から、香ばしい匂いが甲板中に漂う。
マリナ特製、レモン風味のタレは、胡椒のピリッとした辛さがアクセントになって食がすすむ♪
みんなワイワイと楽しく食事をしていた。
「せやけど、プロのレイナでもそんなことあるんやなぁ……」モグモグ
「おれはヴェルディア索敵のお陰で、ほぼそんなん起こらんけど……」モグモグ
――ワタシの『獣避け』と『加齢臭避け』もありますよ〜(ぷう〜)
ふくれっ面も可愛いな……クララベル様よ。
「てか、まだ『加齢臭避け』付けてたんかいな!!」
「いくらあたしでも、たまにはこんなことぐらいあるよ……」モグモグ
ヴェルディアはモグモグしながらなにかを思案していた。
食事を終え片付けをしていると、ヴェルディアがレイナを呼び止めた。
「レイナぁ、これをお持ちなさぁい♪」スッ……
あ、これ『世界樹の枝』や。どう言い訳する気なんや? ヴェルディアさんよ。
「ヴェルディア様……これは?」
「『ドライアドの守り木』よぉ♪」フフン♪
『ドライアド』のね。上手いことぼやかしたな。
ヴェルディアがなにかを念じるように目を瞑ると、レイナの持つ小枝が淡く光り始めた。
光がレイナの左手を包むと、小枝から何本もの蔦が伸び始めた。
蔦は手首から腕へと絡みつき、編み込まれるように形を変えていく。
やがて光が消えると、レイナの手には、指の付け根から肘近くまでを覆う『ガントレット』のような篭手が出来上がっていた。
手の甲から前腕にかけては、幾重にも絡み合った蔦が硬質化している。これなら獣の爪や牙ぐらいは防げそうやな。
それでいて手首の部分は柔らかく、動きを邪魔することもなさそうや。
手の部分だけは柔らかい材質で、指抜きグローブみたいになってる。
カッコええな……
「あそこに向かってぇ、こうして手を向けてぇ――」
ヴェルディアが手首を返し、中指と薬指を親指の付け根へ押し当てる。
「ここを押すのよぉ♪」シュパッ
……その構え、どっかで見たことあるぞ。
蜘蛛男が糸を飛ばすときのアレやんけ!
レイナが二階のバルコニーへ左手を向ける。
言われた通りに手首を返し、中指と薬指を親指の付け根へ押し込んだ。
シュバッ!
「わっ!?」
ガントレットから蔓が勢いよく飛び出し、バルコニーの手すりへ絡みついた。
「そのまま指を離してごらんなさぁい♪」
「こう――?」
シュルルルルッ!
「わわわわっ!?」
蔓が一気に巻き取られ、レイナの身体が宙を舞う。
そのまま二階まで引っ張り上げられたレイナは、危なっかしくもバルコニーへ着地した。
「…………」
いやいやいや。
完全にソレやんけ。
「いやいや! 猟師にこんな機能いるか!?」ビックリ
「……あ」
今回みたいに襲われたとき――
「そう♪ 逃げるときに使うのよぉ♪」フフン♪
「よいのう、よいのう♪ レイナよ、お主らには安心して『鍛錬』に励んでもらわねばならんからのう♪ ガハハハハ!」ニヤニヤ♪
「〜~~~ッ!」カオマッカ
「!?!?!?」カオマッカ
真っ赤な顔で俯くレイナ。リュミエルも口を抑えて顔を真っ赤にした。
「……でも、ヴェルディア様……ありがとうございます」テレテレ
「ヴェルディア様……レイナのためにありがとうございます」
リュミエルは少し安心したような、穏やかな表情に変わった。
この装備は回避だけでなく、小型の獲物なら絡みついて捕獲できるそうだ。
「引きずられそうならぁ、人さし指も一緒に押してみなさぁい♪」
バシュッ! ドドドッ!
中指と薬指に加えて人さし指も押し込むと、別の蔓が地面へ伸び、杭のように深く突き刺さった。
「やりよるのう! では儂はこうじゃ♪」
ノルはレイナのガントレットに、なんらかの精霊紋を刻んだ。
「水、火、風、光、闇の奴らの加護を施したぞ♪」
「矢を放つ時、奴らに頼むとよい♪ 放たれた矢へ加護が宿るようにしておいたわい♪」
矢に精霊たちの加護を付与することができるそうだ。
例えば、水の精霊ならば対象の熱を奪う。闇の精霊は矢の音を消すそうだ。
それぞれ効果が違うらしいが、詳しくは実際に試してみることになった。
「これで旨い獲物をバンバン狩るがよい♪ ガハハハハ!」ドヤッ♪
――あら〜♪ ワタシも負けてられませんね~♪
クララベル様も負けじと、遠見の加護を付与した。
――指で輪を作ってのぞき込んでください〜♪
レイナは親指と人差し指で輪を作ってのぞき込んだ。
「わああ! 遠くがすごく大きく見える!」
「ありがとうございます! クララベル様、ノル様!」
――遠くを見渡せれば、危険にも早く気がつけますからね〜♪
――いちおう、『獣避けの加護』もつけてありますけどぉ〜、近づかれにくくなる程度ですからね〜♪
――完全に襲われなくなるわけではありませんので、油断してはいけませんよ〜♪
「はい♪」
「おれの『ヴェルディアボウ』とレイナの篭手かぁ……」
「『ヴェルディア装備』がまた増えたな♪」
「エイル。その……名前つけて?」モジモジ
「ん……ええけど?」
なんでモジモジしてんのよ? 可愛いけどさ(デレッ♪)
「篭手……ヴェルディア……」
「ガントレット……」
「『ヴェルディア・ガントレット』とかどうや?」
我ながら、そのまんまやな……
「エイル、ありがと♪」ホワホワ
「ヴェルディア・ガントレット……」ポワポワ
レイナは左手のガントレットを胸に抱き、嬉しそうに見つめていた。
しかしレイナみたいなプロの猟師でも、やっぱ不意を突かれることってあるんやな……
これでレイナの身が守れるんやったら、あの三匹がおれにした仕打ちもまぁ、許しといたるわ。
ちなみに普段は腕輪の状態で、
『(ヴェルディア様)お願いします』
みたいなことを言ったら、腕輪が光ってガントレット形状まで大きくなるらしい。
変身アイテムみたいで、めちゃ羨ましいんやけど……
マリナの目もキラキラしてたわ。




