ひとつの答え
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エイル君の中身はこちらのオッサンのコピーで、
女神クララベル様はこのチャンネルのマスコットキャラクターの見た目を使った。という設定にしています。
AIは日本語としておかしくないか、誤字脱字がないかの校正作業で使用しております。
ノアの妊娠が自分の思い込みではなかったことを知り、嬉しさのあまりリュミエルとレイナの前で泣き崩れてしまったおれ。
修羅場は一転、感動の場となり丸く収まった――
はずなのだが……おれは今、エイル号二階後部から伸びた廊下の先に建つ『掘っ立て小屋』で頭を抱えていた。
「このエイル号、『おれの所有物』やんな? 勢いで言ったこととはいえ、なんでこんなボロ小屋がおれの部屋なんや……」
――美人の娘さん二人を毒牙にかけたんですよ〜♪ 元の世界なら裁判沙汰です〜♪
「確かにまあ、この程度でリュミエルとレイナ二人と無事付き合えたんやしアレですけど……」
この女神……
勝手にリュミエルを住まわせたことを、あれだけチクチクネチネチ言ってきたくせに……
実は事前にレイナから相談を受けて、許可を出しとりやがった!
しかもご丁寧に、おれには黙っとくよう口止めまでしよってからに……
おかげでこの女神に、小一時間土下座させられたわ……
不機嫌ヅラも可愛かったから、まあええんやけど。
――ふふっ♪
ラウリエル滞在三日目の夜――
「エイル。リュミエルと話があるから今夜も出かけてくるね」
「その……遅くなるかもだけど……エイル号で待ってて欲しいの……」モジモジ
クール系のレイナが恥ずかしがる姿はやっぱ可愛いなぁ♪
「よーわからんけど待ってるわ」
そう言うとレイナは、ノルとヴェルディアと共に夜の王都へ出かけていった。
向かった先は、一昨日と同じ王都の酒場――
「話があるって、どうしたの? レイナ」
(こ奴ら、一昨日とは違って随分と距離が近うなったのう……何かありおったのか?)グビッ♪
「リュミエル、そしてノル様」
「あたし……あのときの答え、見つかりました」
(エイルとは同じ時を過ごせぬ、という話かの)
「聞かせてちょうだい」
(リュミエルの奴も、随分と真剣な顔じゃな……)
「リュミエル。あなたとあたしは、同じ男を愛している」
「だから抜け駆けにならないよう、宣言しておくね……」
レイナは一度、大きく息を吸った。
「あたし……エイルの子を産みたい」
「レレレ、レイナよ! これまた思い切ったのう!」
(ヴェルディアとララの奴は、目をひん剥いておるわい)
「……なんとなく、そんな気がしてた」
(なんと! リュミエルの方は、薄々感づいておったのか!? ヴェルディアとララも物凄い勢いでリュミエルを見おったぞ)
「リュミエルも知ってるだろうけど、エイルって元の世界では三人の娘さんがいるじゃない?」
「昨日、ノアさんの妊娠を知って、泣いて喜ぶエイルを見て……思ったの」
「あたしたちは、エイルと同じ時を生きられない」
「いつか……エイルは先にいなくなる」
「でも……だからこそ、あたしとエイルが生きた証を残したい」
「エイルを愛した証を……形にして残したいって思ったの」
「最初は、ノアさんに対する『対抗心』なのかなって、自分でも思った」
「だから昨日は何も言わず、一晩考えた」
「……でも、違った」
「あたしも……愛するエイルとの『愛』を、『形』にして残したい……」
「だからリュミエル。抜け駆けにならないよう宣言しておくね……」
(軽い爆弾投下のつもりが、エラい話に転んでしもうたのう……)グビッ
「私は……揺らいでる」
「このあいだ心に決めた、『エイルがいた証』」
「もちろん、その証も欲しい……」
「でも、エイルのあんな姿を見たら……」
「それだけで私、残された千年以上を生きていけるのかな……って、わからなくなっちゃった」
「悩むとよい……リュミエルよ」
「悩み抜いて出した答えなら、きっと残された時を支えてくれよう」
「ノル様……」
「さすが〜♪ おとしよりだねぇ~♪」
「やかましいわ! だれが年寄りじゃ!」
「「ふふっ……あはは♪」」
「お主らも笑うでないわ!」グビッ! グビッ! グビッ!
日付も変わった頃――王宮の桟橋に繋いだエイル号。
月の光が、優しくおれとレイナを包み込んでいた。
「エイル……聞いてほしいの」
「なんよ、改まって」
こないだリュミエルと飲みに行ってから、レイナの様子がいつもと違うけど……どうしたんや一体。
「エイル?」
「どうした? レイナ」
「あたしのこと……愛……して……る?」モジモジ
なんちゅう可愛い女や!
「愛してる!」
「どれぐらい?」
「元の世界にはもう一人のおれがいてくれるから、イマイチ伝わらんかもしれんけど……」
「元の世界には帰りたくないぐらい愛してる!」
「ありがと……」ニコッ♪
「エイル」
「あたしも……愛してる」
「……」
「あたし……エイルとの子が欲しい」
「え……」
「ノアさんがエイルの子を妊娠しているって聞いたから……だけじゃない」
「…………」
「違う。それも、きっかけのひとつ」
「ダークエルフのあたしと人間のエイルじゃ、寿命が……生きている時間が違う」
「いつか、あたしは置いていかれる……」
「でもノアさんの話を聞いて……」
「あたしも……あたしとエイルの『愛』を、『形』にして残したい……」
「そう願うようになった」
「いい……?」
「猟師の……仕事はええんか?」
「仕事は猟師だけじゃないし」
レイナはニコッと笑った。
「昔は、港の酒場で働いたこともあるんだよ♪」
綺麗な給仕さんやったやろなー……などと、どうでもいい妄想が頭をよぎった。
「……ホンマに、ええんか?」
「うん」
「エイルが生きてた証を……あたしとエイルの愛の形を……残したいの」モジモジ
少し顔の赤くなったレイナが、上目遣いで恥ずかしそうにしている……
めちゃくちゃ甘い雰囲気……
惜しむらくは、そこが掘っ立て小屋でなければ……
こんなん、断れる男がいるやろうか? いや、おらん! 絶対に!
その日、月夜に照らされるラウリエル王都には、狼の遠吠えが響き続けた……明け方まで。
部屋の外には影が三つ蠢いていた。




